公開講演会「Laudate Dominum:賛美と霊性の源流をたずねて」(シリーズ第2回)
INFORMATION
教会音楽が神を賛美するためにあることに多言を弄するまでもありません。しかし、神を賛美するとはいかなることでしょうか。これは、キリスト教史上の数ある難問のうちでも、第一級の問いであり、アウグスティヌスや偽ディオニュシオス・アレオパギテースなどのラテン・ギリシャ教父たちはその真実を知ることができるように神に祈り願い求めました。
そこで、今、わたしたちもまた「神を賛美するとはいかなることか」という問いを自らにおいて引き受け、真剣に応答することによって、教会音楽とはいったいなんであり、またなんのために存在しているのかについてあらためて考えてみたいと思います。
今年度は、キリスト教典礼神学に多大な影響を与えた6世紀の教父、ディオニュシオス・アレオパギテースにフォーカスします。登壇者としては、袴田渉氏(南山大学人文学部キリスト教学科准教授)をお招きします。袴田氏は、目下、ディオニュシオス・アレオパギテースの翻訳を進めておられ、ここでは、その最近のご研究の成果を踏まえてお話いただきます。
また、若手研究者にも登壇者をお願いし、新プラトン主義研究の観点からディオニュシオス・アレオパギテースのテキストに取り組み、着実に成果を重ねておられる寺島奈那氏(日本学術振興会特別研究員DC2、早稲田大学)をお招きします。このほか、所員から阿部善彦(本学文学部キリスト教学科教授)が登壇し、司会とともに提題も行います。
シリーズ第1回の開催に際して、リモート参加希望の申し出が多くあったため、第2回はリモート開催を試みます。
登壇者
南山大学人文学部キリスト教学科准教授
袴田 渉 氏
博士(文学・東京大学)、日本学術振興会特別研究員(PD)などを経て現職。『テオーシス—東方・西方教会における人間神化思想の伝統』(担当・第4章 ディオニュシオスの神化思想)教友社、2025年(新装版)。『フィロカリア:東方キリスト教霊性の精華』第五巻(共訳)、新世社、2011年。そのほか業績多数。
日本学術振興会特別研究員DC2、早稲田大学
寺島 奈那 氏
修士(文学・早稲田大学)。2025年「キリスト教思想によるテウルギアの受容」西洋中世学会・ポスター賞(オーディエンス賞)受賞。「イアンブリコスにおける神働術と哲学:プロティノス・ポルフュリオスとの対立の観点から」『哲学世界』第47号、2024年。「擬ディオニュシオス・アレオパギテース『神名論』における「神の名の解明」の内容と意義」『哲学の門』第5号、2023年。そのほか業績多数。
本学文学部キリスト教学科教授、教会音楽研究所所員
阿部 善彦
博士(哲学・上智大学)。日本学術振興会特別研究員(PD)などを経て現職。「ことばが宿るとき:エックハルトと女性霊性の生と言葉をめぐる試論」『西方キリスト教の女性:その霊的伝承と雅歌の伝統』(シリーズ教父と相生5)、教友社、2023年。「アンリとドイツ神秘主義」『ミシェル・アンリ読本』法政大学出版局、2022年。そのほか業績多数。