公開講演会「揺れる「難民支援」—共生社会の行方を考える—」
INFORMATION
近年、世界的に社会の内向き傾向および排他的言説が強まるなかで、難民・移民へのまなざしは大きく揺らいでいる。紛争・迫害・災害などにより移動を余儀なくされる人びとは増加し続けているが、国内外の支援体制は資金縮小、制度的制約、地域社会の疲労と分断といった課題に直面している。本公開講演会は、このような変動する社会状況をふまえ、私たちが今後どのような「共生社会」を構築しうるのかを再考する機会とするものである。
難民支援の最前線で活動する実践者、研究者、当事者コミュニティ、企業、そして市民社会の視点を交差させることで、支援現場が抱える現実的課題と制度改革の方向性を多面的に検討する。また、排外主義の拡大や支援疲れ、地域コミュニティの分断といった状況に対し、ボランティア活動が果たしうる役割や、社会的連帯をいかに再構築できるのかについて議論を深める。
本シンポジウムが目指すのは、単なる「支援のあり方」の検討に留まらず、難民をめぐる社会の“揺れ”を可視化し、持続可能で包摂的な共生社会の実現に向けた新たな視座を提示することにある。
講師
一般社団法人難民ナウ代表理事
宗田 勝也 氏
一般社団法人難民ナウ代表理事として、京都のコミュニティFM局にて難民問題専門番組「難民ナウ!」を制作し、700人以上の難民や支援者にインタビューを行うなど、20年以上にわたり啓発活動を続けている。同志社大学大学院博士課程修了後は、総合地球環境学研究所の研究員として多文化共生・人権に関する調査と教育にも従事している。
NPO法人Human Welfare Association代表
長谷川 留理華 氏
ミャンマー・ラカイン州出身のロヒンギャで、2001年に迫害を逃れ来日した。2013年に日本国籍を取得。現在はNPO法人HUMAN WELFARE ASSOCIATION代表および無国籍ネットワーク共同代表を務め、難民キャンプでの学校運営や翻訳、講演活動などを通じて、難民支援と社会啓発に取り組んでいる。
NPO法人Mobility for Humanity共同代表
山本 菜奈 氏
Mobility for Humanity共同代表であり、大学在学中に難民支援団体WELgeeを共同設立した。企業での就労を通じた難民申請者の法的地位安定化の支援や、バングラデシュ難民の受け入れモデル構築にも携わる。また、日本最大級の地域密着型シェルターを運営するアルペなんみんセンターの理事も務めている。
本学異文化コミュニケーション学部准教授
日下部 尚徳
博士(人間科学)。東京外国語大学准教授などを経て2020年より現職。専門は南アジア地域研究、国際協力論、開発社会学。主なフィールドはバングラデシュであり、貧困、気候変動、児童労働、難民問題に関する調査研究を行っている。