公開セミナー「デジタル保存入門—はじめの一歩を踏み出そう」
INFORMATION
現代社会に生きる私たちは、日々多数のデジタルファイルを扱っている。誰でも、大切なものについては「バックアップ」するなどの工夫をしているだろう。しかし、そうしたファイルを業務の「証拠」として、あるいは歴史的資料として長期的に保存するには、様々なスキルやツールが必要になる。
そこでこのセミナーでは、イギリスでデジタル保存(digital preservation)の課題に取り組んでいる専門家お二人をお招きして、デジタルファイルの長期保存に向けた「はじめの一歩」を踏み出すための手ほどきをしていただく。
非営利の会員制組織であるデジタル保存連合(Digital Preservation Coalition:DPC)で、デジタル保存アナリストとして活躍しているKaryn Williamson氏には、デジタル保存の基本的な考え方と、DPCが万人向けに無料で提供している様々なリソースについてお話いただく。また、英国国立公文書館(The National Archives:TNA)でデジタル・アーキビストとして勤務するFrancesca Mackenzie氏には、デジタル保存にかかわるTNAでの取り組みや、多くの人々にデジタル保存を実践してもらうためにTNAが開発・維持・公開している様々な無料のツールとその活用方法についてご紹介いただく。
デジタル保存という課題への取り組みは、あらゆる業務の現場で必要なことである。このセミナーが、地域でアーカイビング活動に取り組む人や、学術資源のデジタル化やデータ活用推進に取り組む研究・教育機関関係者など、さまざまな人がデジタル保存への一歩を踏み出す契機となることを期待する。
スピーカー
デジタル保存連合デジタル保存アナリスト
Karyn Williamson 氏
ダンディー大学大学院でアーカイブズ・記録管理学修士号、ユニバーシティ・カレッジ・ダブリンでデジタル記録管理のPost Graduate Certificateを取得。英国・アイルランド・アーカイブズ・記録協会(ARA)登録アーキビスト。現在はデジタル保存連合(Digital Preservation Coalition)のデジタル保存アナリストとして活躍している。ARA委員、企業アーカイブズ評議会(スコットランド)のイベント・コーディネーター、企業アーカイブズ評議会評議員、ARAによる「Explore Your Archive」キャンペーンのキャンペーン・マネジャーなどを歴任。研究関心は、アウトリーチとコミュニティ・アーカイブズにおける協働である。
英国国立公文書館デジタル・アーキビスト
Francesca Mackenzie 氏
ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンでアーカイブズ・記録管理学修士号を取得。現在、英国政府のデジタル記録保存・管理担当チームのデジタル・アーキビスト。専門はファイル・フォーマットに関する研究と、PRONOMのようなデジタル保存ツールの開発・維持。デジタル保存を親しみやすくするためのゲーム開発にも携わっている。記録・アーカイブズ専門職にプログラミング技術を教えるプログラム「Bits and Botsスタディグループ」(DPC)創設者の一人であり、同プログラムは2024年、デジタル保存のための教育・コミュニケーション賞を受賞した。手書き文書の認識・テキスト化のゲーミフィケーション・プロジェクトや、業界の次世代リーダー育成を目的とする国際アーカイブズ評議会(International Council of Archives:ICA)の「ニュー・プロフェッショナル・プログラム」でも活躍した。