公開特別講座「韓国と日本の新しい聖歌—『日本聖公会 聖歌集』から」
INFORMATION
2006年に刊行された『日本聖公会 聖歌集』には、これまでの古今聖歌集に掲載されていなかった、韓国や日本の教会音楽家による新しい優れた聖歌が多数、掲載されている。次世代の良い聖歌を、教派を超えて歌い広めることを目的とし、韓国のソウル神学大学でオルガニストの指導に当たる金氏には韓国の新しい聖歌について、当研究所所員の坂本氏には自身が作曲・編曲した聖歌について、賛美歌研究者の竹佐古氏には日本人による聖歌について、それぞれの聖歌の、作詞作曲された経緯やバックボーン、どのように礼拝で賛美されているのかという現状について講演していただき、全ての聖歌を参加者と共に歌い、理解を深める。
講師
講演、演奏
ソウル神学大学教授、オルガニスト
KIM Jisung(キム・ジスン) 氏
ソウル神学大学、ケルン音楽大学にてオルガン、教会音楽、即興演奏、作曲法を修了。ヴィクトル・ルーカス、ヘルマン・J.ブッシュ、ミシェル・シャピュイ、ナジ・ハキム、各氏に師事。1994年にケルン・フィルハーモニーホールにてデビュー。ヨーロッパ各国、韓国、香港、中国、台湾、日本、オーストラリア、アメリカ、南アメリカ、アフリカ、中東を含め、世界的にコンサートや国際フェスティバル、ラジオに出演し、またCD録音も多数行っている。バッハ、ブクステフーデ、リスト、メンデルスゾーン、シューマン、ブラームス、フランク、サン=サーンス、ギルマン、メシアンの作品全曲を演奏し、13世紀から現代に及ぶ幅広いレパートリーは高く評価されている。現在、ソウル神学大学教授としてオルガンと即興のクラスで後進の指導にあたる他、マスタークラス講師、国際コンクール審査員として欧米各国から招かれている。また、若者や子供たちに向けたユニークなレクチャーなど、オルガンの啓発活動に積極的に取り組んでいる。
講演、通訳
日本基督教団白河教会オルガニスト、日本基督教団讃美歌委員、『礼拝と音楽』編集委員、日本オルガニスト協会・日本オルガン研究会・日本リードオルガン協会・日本賛美歌学会各会員、社会福祉法人賛育会評議員、日本キリスト教団東北教区礼拝と音楽小委員会委員長
竹佐古 真希(たけさこ まき) 氏
宮城学院女子大学音楽科オルガン専攻卒業。オルガンを佐々木しのぶ、松尾泰江、佐藤ミサ子、小林英之、廣野嗣雄、川越聡子、国分桃代、グザヴィエ・ドゥプレ、今井奈緒子の各氏に師事、本学教会音楽研究所の講座にて﨑山裕子氏のレッスンを受講、チェンバロ・通奏低音を岩淵恵美子氏に師事。弘前学院大学オルガニスト非常勤講師、山形県の基督教独立学園高等学校非常勤講師を経て、2024年4月より関西学院オルガニスト。同年5月には関西学院からの派遣で、フランス・アルザス、ベルギー、ルクセンブルクにあるオルガン工房や教会を巡り試奏と視察をした。2020年秋より、ぐーすた(奏楽者のための有料オンラインセミナー)を49回開講し、事務局&動画編集担当。受講者総数は1800名を超える。
講演
作曲家、本学教会音楽研究所所員、日本聖公会横浜聖アンデレ教会オルガニスト、横浜教区礼拝音楽委員、日本聖公会祈祷書改正委員
坂本 日菜(さかもと ひな) 氏
桐朋学園大学にて三善晃氏に師事。聖グレゴリオの家宗教音楽研究所ディプロマコース修了。300を超える作編曲作品は国内、欧米各地で演奏出版されている。聖歌・ミサ曲は『日本聖公会 聖歌集』に収録されており、主な宗教作品には「太平洋戦争犠牲者のためのレクイエム(2016年)」、「九品来迎図I~VI(2016~22年)」、「私が、もう一度、生まれ変わる日。(2018年)」、「マリンバとオルガンのための“玉響TAMAYURA”(2022年)」、「讃歌I・II(2022~23年)」、などがある。本学教会音楽研究所発行『日本聖公会 聖歌集による聖歌伴奏・アレンジ集2巻~7巻』に約80曲寄稿。CDへの楽曲を提供。本学辻荘一・三浦アンナ学術奨励金授与、奏楽堂日本歌曲コンクール作曲部門第3位、その他受賞多数。
ホームページはこちら
司会、通訳、演奏
本学教会音楽研究所所員、立教学院オルガニスト
﨑山 裕子(さきやま ゆうこ)
国立音楽大学器楽科ピアノ専攻卒業後、オルガンに転向。聖グレゴリの家宗教音楽研究所本科修了。1993年、バーゼル音楽院オルガン科に留学しギ・ボヴェ氏に師事。1997年にコンサートディプロマを最優等で修了。アメリカ・ボストンのニューイングランド音楽院へ短期留学し、故・林佑子氏に師事し1998年に帰国。2003年、立教学院オルガニストに就任。
詳細情報
名称
内容
284番「主が合わせられた」、324番「み神にかたどり」、514番「主の声に応え」、534番「あなたに呼ばれて」、564番「来ませ来ませ」
【坂本日菜氏作曲の聖歌】
98番「星の光る」、99番「星の光る」、132番「荒野にひれふし」、185番「あかつきの光」、476番「暗やみ行く時には」
【日本人作曲家の聖歌】
2番第1、第2譜「風に目を覚まして」、423番「沖縄の磯に」、487番「重荷せおう人に」