公開研究会「メルヴィル・アメリカ・世界文学」
INFORMATION
『誘惑する他者——メルヴィル文学の倫理』で今年度のアメリカ学会中原伸之賞を受賞した古井義昭氏と、近著『世界文学のアーキテクチャ』でアメリカ文学に鋭利な洞察を加えた福嶋亮大氏に、それぞれの著書が提起する問題の射程を対談形式で語っていただく。両氏が高く評価するメルヴィル文学をひとまずの足掛かりとし、そこから、アメリカという国家の可能性と限界、さらにはグローバリズムに還元されない世界文学のありようをめぐり、両氏がご専門とする「研究」と「批評」の方法論が豊かに交わる地平を探りたい。
報告者
本学文学部文学科英米文学専修教授
古井 義昭
エモリー大学英文科博士課程修了(Ph.D.)。現在、立教大学文学部教授。専門は19世紀アメリカ文学。単著にModernizing Solitude: The Networked Individual in Nineteenth-Century American Literature(University of Alabama Press, 2019年/日本アメリカ文学会賞・アメリカ学会清水博賞)、共著に『病と障害のアメリカンルネサンス──疾病、ディサビリティ、レジリエンス』(小鳥遊書房、2025年)など。最新の論文として “Ventriloquizing the South: Reading Melville across the Civil War”(Journal of American Studies, vol. 58, no. 4, 2024)がある。
本学文学部文学科文芸・思想専修教授
福嶋 亮大
京都大学文学部博士後期課程修了。現在、立教大学文学部文芸思想専修教授。文芸批評家。著書に『復興文化論』(サントリー学芸賞受賞作)『厄介な遺産』(やまなし文学賞受賞作)『辺境の思想』(共著)『百年の批評』『らせん状想像力 平成デモクラシー文学論』『ハロー、ユーラシア 21世紀「中華」圏の政治思想』『感染症としての文学と哲学』『メディアが人間である』など。