公開講義「体感する学び「少年非行」の法と心理」
INFORMATION
世間の耳目を集める少年事件が起こる度に、少年非行及び少年法に対する議論が巻き起こるが、なぜ少年非行及び少年法は人々の感情を刺激し、批判の的になるのだろうか。本講義では、少年非行に関するテーマのうち、知識を学ぶなどの知的理解では扱えない「非行少年を理解することへの拒否的態度」及び「少年法の是非に関する態度」という2テーマについて、知と心と体を交えた体験的な学びを促す。
具体的には、本講義の前半部分は、刑事政策に関する豊富な知識と幅広い視野をお持ちの獨協大学の柴田守教授から少年法の理念・制度に関する概要について講義いただき、その後本学現代心理学部の大江由香が少年非行の惹起に関連する心理学を中心とする知見を紹介して、少年非行に関する基礎知識を学ぶ機会とする。その上で、後半部分では、上述した基礎知識を学ぶことによって生じた少年法や少年非行に対する自身の態度の変化あるいは不変化を自覚するワークや、同態度が様々な要因に影響されることを自覚するワークを行い、少年非行を理解することの難しさや法律で扱うことの難しさを2名の講師とともに体験しながら考えていく。
講師
獨協大学法学部法律学科教授
柴田 守 氏
2008年、専修大学大学院法学研究科博士後期課程修了(博士(法学))。2007年4月より専修大学大学院法学研究科任期制助手、首都大学東京大学院社会科学研究科法曹養成専攻助教、長崎総合科学大学共通教育部門准教授を経て、2023年4月より獨協大学法学部法律学科教授、現在に至る。専門は刑事法とデータサイエンスとの融合。刑事政策に関する諸問題について、法学の知見だけではなく、社会学、心理学、統計学、情報工学、生態学、社会生物論などの知見や技術を活用しながら、多角的に分析・検討している。