公開講演会「第4回 TOPIKフォーラム」
INFORMATION
韓流の拡大、韓国文化との接触機会の増加、韓国の大学・大学院への進学や韓国関連のグローバル企業への就職などにより、韓国語能力を客観的に証明する検定試験の結果が求められる機会が増えている。また、大学や高校はもちろん、韓国教育院などの教育現場においては、韓国語指導においてさまざまな教授法が実践されている。特に、教授者の教育経験に基づき、AIなどの先端技術の教育への応用が日進月歩である。
このような状況の中、韓国の教育部(日本でいう文部科学省)が実施する、韓国語能力を客観的に証明する試験であるTOPIK(韓国語能力試験)と、教育現場における韓国語学習の動向を結びつけることは、教育効果を高める上で非常に有効な方法であると考えられる。
以上を踏まえ、日本の教育現場において多様化する韓国語学習・学習者の動向とTOPIKとの連携の可能性を探るため、本フォーラムでは具体的な事例や教育効果と課題、そして、今後の展望について考察する。第1部では、日本全国にある韓国教育院が支援している韓国語採用学校と大学での韓国語教育の動向を分析する。第2部では、教育現場で韓国語教育に直接携わってきた経験豊富なパネリストによるディスカッションを実施する。
講師
岡山大学教育推進機構准教授
李 安九(い あんく) 氏
専門は韓国語教育。日本の教育現場における韓国語教育の実態や教材分析に取り組んでおり、特に高等学校や大学で使用される韓国語教材の語彙・文法項目、科目名称などに関する研究を行っている。論文に「日本の大学で使われる韓国語入門教材の語彙項目」(『朝鮮語教育—理論と実践—』19号、2024年)などがある。
文京学院大学外国語学部准教授・学長補佐
新井 保裕(あらい やすひろ) 氏
専門は社会言語学、韓国朝鮮語学。メディア言語の日韓対照研究や日韓両語の類型的研究をすすめるとともに韓国語教育にも関心を持っており、日韓の教育連携を支援している。編著書に『モビリティとことばをめぐる挑戦—社会言語学の新たな「移動」』(三宅和子と共編著、ひつじ書房、2021年)などがある。
埼玉韓国教育院院長
崔 守亨(ちぇ すひょん) 氏
教育院は駐日韓国大使館所属の組織で、各地で韓国語教育の普及と在日韓国人子女の教育支援に取り組んでいる。近年は、地域社会との連携を通じた日韓文化交流も推進しており、院長はそうした企画の実現に向けて各所の協力の取り付けや調整を行う立場である。崔氏は着任後、具体的な活動として日韓教育フォーラムの実施や各地での講演活動を通じて日韓市民の相互理解の深化を図っている。