2025年度 春季人権週間プログラム「ハラスメントとDEI(Diversity, Equity & Inclusion)—日本と世界の現状とこれからについて」
INFORMATION
DEIとは、従来、大学や企業が取り組んできた「多様性と包摂性(Diversity & Inclusion)」に「公平/公正性(Equity)」をプラスした概念であり、差別や人権侵害などを受けた個人・集団がいきいきと参加できる社会を目指す取り組みである。
しかしながら、アメリカ合衆国では、連邦政府内のDEIを終了するという大統領令に署名してDEIによる取り組みを根絶しようとしており、また主要な民間企業においても、DEIプログラムの縮小傾向がみられている。
全ての人に公正な機会を与え、不当あるいは偏った状況に置かれることなく、互いを受容しあう社会を実現させるため、DEIは今後どのように扱われるのであろうか、また私たちはどう扱うべきであろうか。国立大学のハラスメント室長を10年務められた櫻井先生よりご講演いただき、DEIに関する世界と日本の動向を踏まえつつ、ハラスメント問題からDEIへの理解を深め、私たちのあるべき姿勢と今後の社会について考えていきたい。
講師
北海道大学大学院文学研究院特任教授
櫻井 義秀(さくらい ぎしゅう) 氏
博士(文学)。1961年生まれ。2015年4月から2021年3月まで北海道大学総長補佐として北海道大学ハラスメント相談室室長を担い、また2021年4月から2025年3月までハラスメント相談室室長を担った。
研究者としては、現代宗教の社会学、宗教文化の比較社会学をめざして、タイなど東アジアでフィールドワークを長く関わったほか、「カルト問題と公共性」の社会学や「ウェルビーイングと宗教」などにも積極的に調査を実施している。
現在、日本宗教学会常務理事など。主な著書は『東北タイの開発と文化再編』『東アジア宗教のかたち—比較宗教社会学への招待』『統一教会—日本宣教の戦略と韓日祝福』(共著)『ウェルビーイングの社会学』など多数。