公開ワークショップ ザムエル・シャイト『宗教的コンチェルト』第1巻

INFORMATION

  • 2024年3月9日(土)13:00~17:00
  • 池袋キャンパス チャペル会館2階 マグノリア・ルーム

【本プロジェクトについて】
ザムエル・シャイト Samuel Scheidt(1587-1654)は、17世紀前半に中部ドイツで活躍した作曲家・オルガニストである。優れた対位法技法とドイツ・ルター派教会音楽への貢献、ドイツ鍵盤音楽の発展に寄与したことから「バッハの先達者」、また「ドイツオルガン音楽の父」とも呼ばれている。これまでの科研費による研究(15K02195、18K00242)では初期声楽作品『カンツィオネス・サクレ』(1620年)、『コンチェルトゥス・サクリ』(1622年)という大規模な編成の作品を取り上げた。今回取り上げる『宗教的コンチェルト』(1631-1640年)はシャイトの中期声楽作品である。歌手3人程度で演奏可能な小規模な作品であり、その成立背景には30年戦争によるドイツの人口減少に伴い、教会音楽の担い手も減り、合唱団ではなく小人数で演奏できる作品が求められたという事情がある。

本ワークショップは、科研費による研究課題 22K00259 基盤研究(C)「ザムエル・シャイトの中期声楽作品研究—17世紀ルター派の礼拝実践を手掛かりに—」(2022~2025年度)の中間報告となるものである。一般の古楽・合唱愛好家を対象に、作品分析・解説、プロの声楽家達の指導を通して、まだあまり知られていないシャイトの中期声楽作品を紹介し、研究成果を還元していくことを目的として企画している。

今回は、『宗教的コンチェルト』第1巻より、“Wir glauben all an einen Gott” SSWV182、“Vater unser im Himmelreich” SSWV183、“Vater unser im Himmelreich/Christ, unser Herr,zum Jordan kam/Ich ruf dir, Herr Jesu Christ” SSWV184(クオドリベト)の3曲を取り上げる。櫻井元希氏指揮のもと、サリクス・カンマ—コアのメンバーとともに歌いながら、シャイトの中期声楽作品を味わっていただきたい。(最後に仕上げとして通して演奏し、動画に収録し、公開予定である)

サリクス・カンマーコア(ソプラノ:鏑木綾、テノール:渡辺研一郎、バス:松井永太郎、ディレクション:櫻井元希、オルガン:新妻由加)

講師

研究代表者、本学大学院キリスト教学研究科特任教授、カトリック山手教会・目黒教会オルガニスト、日本オルガニスト協会会員、日本オルガン研究会会員
米沢 陽子

東京藝術大学大学院音楽研究科博士後期課程(古楽研究領域バロックオルガン専攻)修了、博士号(音楽)を取得。主たる研究領域は16-18世紀ドイツの鍵盤音楽および教会音楽で、特にザムエル・シャイトの鍵盤作品と声楽作品を重点的に研究している。オルガンを木田みな子氏、石田一子氏、酒井多賀志氏、宮本とも子氏、鈴木雅明氏、廣野嗣雄氏の各氏に、音楽学を大角欣矢氏に師事。文化庁新進芸術家海外留学制度研修員として渡独、シュターデオルガンアカデミーにてマルティン・ベッカー氏に師事。国内外で演奏活動を行なっている。東京藝術大学音楽学部古楽科教育研究助手、東京純心大学看護学部教授を経て、現在、本学大学院キリスト教学研究科特任教授。

動画参加

研究分担者、東京芸術大学楽理科教授
大角 欣矢 氏

東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了、同博士課程満期退学。音楽学を服部幸三、角倉一朗に師事。在学中、ドイツ、テュービンゲン大学文化学部音楽学専攻に留学。東京藝術大学音楽学部助手、鳴門教育大学学校教育学部助教授を経て、現在、東京藝術大学音楽学部教授。専門は西洋音楽史。特に16〜18世紀ドイツの宗教音楽について重点的に研究を行う。著書に『憶えよ、汝死すべきを──死をめぐるドイツ・プロテスタンティズムと音楽の歴史』(共著、日本基督教団出版局、2009年)。第24回「辻壮一・三浦アンナ記念学術奨励金」受賞(2012年)。

歌唱指導

サリクス・カンマーコア

(主宰:櫻井 元希 氏)
東京藝術大学バッハカンタータクラブの卒業生メンバーを中心に、2015年に結成。中世、ルネサンス、バロック期までの宗教声楽作品、特にJ.S.バッハの作品を演奏することを目的としている。シャイトと同時代のシュッツの作品も得意とし、豊かな表現力、安定した歌唱力には定評がある。考えうる限りシャイトの声楽作品演奏に最も相応しい演奏団体である。過去2回の科研プロジェクト(15K02195、18K00242)の成果発表の際にも演奏を担当、好評を博した。

※本ワークショップにおいては、指揮者1名、声楽メンバー3名と、専属通奏低音奏者であるオルガニスト1名が歌唱指導を担当する。

詳細情報

名称

公開ワークショップ ザムエル・シャイト『宗教的コンチェルト』第1巻

内容

13:00~ レクチャー①:大角欣矢氏(動画による)
13:30~ 歌唱指導:櫻井元希氏、及びサリクス・カンマーコアメンバー
16:30~ レクチャー②:米沢陽子

対象者

本学学生、教職員、校友、一般

申し込み

  • 事前申し込み 必要
  • 参加費 無料

【定員】
30名

メールにて、(yoko_yonezawa@rikkyo.ac.jp)宛に、「氏名・声種・メールアドレス・住所」を明記して送信してください。

申込者には楽譜ファイルのダウンロード方法をお伝えいたします。

主催

キリスト教学研究科

共催

教会音楽研究所

備考

※サリクス・カンマーコアによる演奏動画を参考に、必ず事前に十分な譜読みをしてご参加ください。
【参考動画】

お問い合わせ

キリスト教学研究科米沢研究室

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