公開シンポジウム「テクノロジーは私たちを幸福にするか?——アーレントと『スマートな悪』」

INFORMATION

  • 2023年3月11日(土)14:00〜17:50
  • 池袋キャンパス 11号館3階 A304教室

今世紀は、ICT(情報通信技術)、ビッグデータ、AI(人工知能)、IoT、バイオテクノロジーといった情報通信技術や科学技術の急速な発展・普及によって、政治・社会のあり方が大規模に変容していく時代になると予想されています。科研費基盤研究(c)「テクノロジー時代の人間の条件——アーレント思想の応用可能性」(研究代表者:立正大学・木村史人)では、ハンナ・アーレントの思想が「テクノロジー時代の人間の条件」についての哲学的・倫理学的考察にどのような意義をもつのかという観点から共同研究を進めてきました。

本シンポジウムでは、肯定的に語られることの多い技術の「スマートさ」について、アーレントの思想に依拠しつつ、哲学的な立場から警鐘を鳴らす、科研費共同研究者の戸谷洋志の近著『スマートな悪 技術と暴力について』(講談社、2022年)を足がかりに、現代において進歩し続けるテクノロジーが人間にとってどのように有益であるか、そしてそれが我々の存在のあり様をいかに変化させるのか等の問いをめぐって多角的に考察することを目指します。

まずは、戸谷氏から自著で展開した議論を踏まえた提題をおこない、異なる分野において科学技術について考察する3名からコメントを頂戴します。村田純一氏は、日本における技術哲学研究の第一人者で、現象学・哲学の立場から、『データ管理は私たちを幸福にするか 自己追跡の倫理学』(2022年)の著者である堀内進之介氏は政治社会学の立場から、また河合恭平氏は科研費共同研究員でアーレント研究および社会学の立場からコメントしていただく予定です。司会は、科研費共同研究員で、フランス現代哲学・社会思想史の観点から産業災害やドローンやAI等の先端技術に関しても関心を寄せる立教大学文学部の渡名喜庸哲が務めます。

本シンポジウムは、新型コロナウイルス感染拡大防止という観点、および、専門研究者以外の市民にも門戸を開くという観点から、対面とオンラインのハイブリッド開催を予定しています。

登壇者

本学文学部文学科文芸・思想専修准教授
渡名喜 庸哲
関西外国語大学准教授
戸谷 洋志 氏

主著に、『原子力の哲学』(集英社新書、2020年)、『漂泊のアーレント戦場のヨナス ふたりの二〇世紀ふたつの旅路』(百木漠と共著、慶應義塾大学出版会, 2020年)、『ハンス・ヨナス未来への責任 やがて来たる子どもたちのための倫理学』(慶應義塾大学出版会、2021年)、ほか

東京都立大学客員研究員、Screenless Media Lab所長
堀内 進之介 氏

主著に、『知と情意の政治学』(教育評論社、2016年)、『人工知能時代を〈善く生きる〉技術』(集英社新書、2018年)、『善意という暴力』(幻冬舎新書、2019年)、『データ管理は私たちを幸福にするか? 自己追跡の倫理学』(光文社新書、2022年)ほか

大正大学専任講師
河合 恭平 氏

主著に、『アーレント読本』(共著、法政大学出版局、2020年)、『モビリティーズのまなざし: ジョン・アーリの思想と実践』(共著、丸善出版、2020年)、論文に「ソーシャル・メディアとアーレントの公・私・社会」(『Arendt Platz』5号、2020年)ほか。

東京大学名誉教授
村田 純一 氏

主著に、『知覚と生活世界 知の現象学的理論』(東京大学出版会、1995年)、『色彩の哲学』(岩波書店、2002年)、『技術の倫理学』(丸善、2006年)、『技術の哲学』(岩波書店、2009年)ほか

詳細情報

名称

公開シンポジウム「テクノロジーは私たちを幸福にするか?——アーレントと『スマートな悪』」

内容

14:00 趣旨説明(司会・渡名喜庸哲)
14:10~ 提題:戸谷洋志
14:40~ コメント1:堀内進之介
(休憩 15:10~15:20)
15:20~ コメント2:河合恭平
15:50~ コメント3:村田純一
(休憩 16:20~16:30)
16:30~17:00 登壇者間での討論
17:00~ フロアとの質疑応答
(終了予定時刻17:50)

対象者

本学学生、教職員、校友、一般

申し込み

  • 事前申し込み 必要
  • 参加費 無料

【申込締切】
3月4日(土)

以下のwebサイトよりお申し込みください。

主催

科研費基盤研究(c)「テクノロジー時代の人間の条件——アーレント思想の応用可能性」(21K00042)(研究代表者:立正大学・木村史人)

共催

文学部

お問い合わせ

文学部准教授
渡名喜 庸哲

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