公開シンポジウム「近世哲学とキリスト教 : 正統と異端のはざまで」

INFORMATION

  • 2019年10月26日(土)10:00~18:30
  • 池袋キャンパス 11号館2階 A203教室

西欧近世哲学の研究において、広義の「神」や「キリスト教」といった概念は、しばしば考察の対象となる。しかしながら、近世の哲学者たちの論考が当時の権力主体としてのキリスト教会との関係において論じられることは少ない。権力主体としてのキリスト教会とは、具体的にいうと正統、あるいは異端的な思想を選別し、称揚あるいは排除する枠組みを指す。これは単に思想の問題だけではなく、公職の存続や公共空間での言説の流布を統御する政治的なものでもあった。近世の哲学者たちは、まさにこうした枠組みのなかで、それとの調和、あるいはその無効化をもとめた思索活動を行なっており、そこに光を当てることで近世哲学の従来の理解は刷新されるだろう。こうした見通しのもと、本シンポジウムでは、デカルト、ホッブズ、スピノザ、ライプニッツの国内外の専門家7名が講演を行い、近世における哲学とキリスト教の関係について考察を深める。

講師

ロッテルダム大学哲学部教授
ハン・ファン・ルーラー(Han van Ruler) 氏

フローニンゲン大学哲学部で博士号取得。専門は近世哲学、とくにデカルトやデカルト主義者たちの哲学・宗教思想、またエラスムス以降の倫理学の歴史。
著書に The Crisis of Causality: Voetius and Descartes on God, Nature and Change (Brill, 1995)、Arnold Geulincx: Ethics (Brill, 2006)、Utopia 1516-2016: More’s Eccentric Essay and its Activist Aftermath (Amsterdam University Press, 2017)など多数。Brill's Studies in Intellectual History の主任編集者でもある。

大阪大学名誉教授
上野 修 氏

大阪大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。専門は近世哲学、哲学史。
著書に『哲学者たちのワンダーランド—様相の十七世紀』(講談社、2013年)、『スピノザ—「無神論者」は宗教を肯定できるか』(日本放送出版協会、2006年)、『精神の眼は論証そのもの—デカルト、ホッブズ、スピノザ』(学樹書院、1999年)など多数。共編著に『主体の論理・概念の倫理—二〇世紀フランスのエピステモロジーとスピノザ主義』(以文社、2017年)などがある。

慶應大学商学部准教授
川添 美央子 氏

慶應義塾大学大学院法学研究科で博士号取得。専門は、主にホッブズやスピノザの政治哲学。
著作に、『ホッブズ 人為と自然—自由意志論争から政治思想へ』(創文社,2010年)、「スピノザの寛容論における神学と哲学」『慶應義塾大学日吉紀要 社会科学』第28号(2017年)、「意志と理性の結託と緊張—ホッブズ政治思想三部作の比較考察」『政治思想研究』第16号(2016年)などがある。

筑波大学人文社会系准教授
津崎 良典 氏

大阪大学大学院文学研究科修士課程修了。パリ第一大学パンテオン=ソルボンヌ校哲学科で博士号取得。専門はデカルト哲学。
著作に『デカルトの憂鬱—マイナスの感情を確実に乗り越える方法』(扶桑社、2018年)、「デカルトによる精神の修練と高邁の徳について」『理想』第699号(2017年)など多数。共訳書に『デカルト全書簡集』第四巻(知泉書館、2016年)、オリヴィエ・ブロック『唯物論』(白水社、2015年)などがある。

日本大学文理学部准教授
長綱 啓典 氏

学習院大学人文科学研究科哲学専攻博士後期課程修了。専門は近世哲学史、とりわけライプニッツの哲学。
著作に、『ライプニッツにおける弁神論的思惟の根本動機』(晃洋書房、2011年)、『ライプニッツ読本』(共著、法政大学出版局、2012年)、「ライプニッツにおける観察システムのアイディア—その保健・衛生行政構想を手引きに」『フランス哲学・思想研究』第23号(2018年)などがある。

日本ライプニッツ協会
町田 一 氏

慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程修了。学習院大学で博士号。元関東学園大学非常勤講師。専門はライプニッツ哲学。
著作に『初期ライプニッツにおける信仰と理性—『カトリック論証』注解』(知泉書館、2015年)、「ライプニッツにおける身体の復活—教父的伝統と哲学的革新」『中世思想研究』第57号(2015年)、「単純実体としてのモナド—分有的視点から」『理想』第691号(2013年)などがある。

本学文学部キリスト教学科准教授
加藤 喜之

米国プリンストン神学大学院で博士号取得。専門は宗教哲学や近世哲学史、主にスピノザの哲学。
著作に、「スピノザと悪の問題—神学・政治的な解決策」『宗教研究』第93号(2019年)、「デカルト哲学をめぐる対立—ヨハネス・クラウベルクとバルーフ・スピノザ」『スピノザーナ』第16号(2018年)、『記憶と忘却のドイツ宗教改革—語りなおす歴史 1517-2017年』(共著、ミネルヴァ書房、2017年)などがある。

詳細情報

名称

公開シンポジウム「近世哲学とキリスト教 : 正統と異端のはざまで」

対象者

本学学生、教職員、校友、一般

主催

文学部キリスト教学科

共催

日本ライプニッツ協会、キリスト教学研究科

備考

お問い合わせ

学部事務1課文学部キリスト教学科担当