公開講演会「アイン・ランドとアメリカ自由市場資本主義の底流」

INFORMATION

  • 2016年1月20日(水)18:30~20:30
  • 池袋キャンパス 8号館3階8303教室

アイン・ランドの小説『肩をすくめるアトラス』は、1991年にアメリカ議会図書館他が行なった「人生で最も影響を受けた本」の調査で、聖書に次ぐ第2位となった。ランドの思想は、レーガン政権から今日に至るまで、自由市場資本主義に大きな影響を与えてきた。アメリカでは著名過ぎ、日本では無名過ぎるアイン・ランドに焦点を当て、アメリカ的な政治文化・経済政策思想の底流をさぐる。

講師

アイン・ランド研究所所長
ヤロン・ブルック 氏

イスラエル生まれ。1987年に渡米、テキサスA&M大学でMBAと金融分野の博士号を取得。サンタクララ大学で教鞭をとったのち、金融のコンサルティング会社を設立。2000年にアイン・ランド研究所所長に就任。2003年にアメリカに帰化。最近の著作にFree Market Revolution: How Ayn Rand‘s Ideas Can End Big Government がある。T.ピケティ『21世紀の資本』への反論として、春にEqual is unfairを刊行予定。財政保守派の論客としてフォーブス、ウォールストリート・ジャーナルなどに寄稿するほか、人気の高い自由市場擁護者として講演活動を行なう。

アイン・ランド翻訳家
脇坂 あゆみ 氏

ジョージタウン大学外交学院修士課程修了。ウォールストリート・ジャーナル紙ワシントン支局、GEインターナショナル社、仏系ファッション企業などを経て、現在はシリコンバレーのIT企業に勤務。訳書に『肩をすくめるアトラス』『われら生きるもの』。

詳細情報

名称

公開講演会「アイン・ランドとアメリカ自由市場資本主義の底流」

内容

《講演1》
脇坂あゆみ氏 「『肩をすくめるアトラス』の思想と米国の政治文化」
『肩をすくめるアトラス』(1957年刊)は、半世紀にわたってアメリカで読み継がれてきた。同書に代表されるランドの作品と思想は、ニクソン政権での徴兵制の廃止、レーガン政権での規制緩和の原動力となり、ランド思想の影響は、FRB議長だったA.グリーンスパンや最近のTea Party(茶会党)運動、さらには大統領選に出馬した保守派の政治家ロン・ポールと次男のランド・ポールなどに及ぶ。現在共和党の予備選でドナルド・トランプにつぐ高支持率を獲得しつつあるテッド・クルーズもランドの愛読者である。アイン・ランドとは何者か。その魅力はどこにあるのか。彼女の思想と作品がアメリカの政治文化・経済政策にどのような影響を与えてきたのか。同書の日本語訳者である脇坂氏に概説していただく。

《講演2》(使用言語:英語・通訳無し)
ヤロン・ブルック氏
「自由市場資本主義の道義的基礎—茶会党(Tea Party)・FRBと金本位・格差と公平をめぐる経済政策思想 」 
自由市場資本主義の効率性はハイエク、フリードマンも論じたが、彼らが十分に擁護しなかったその道義的な側面とは何か。茶会党などとも共通する小さな政府をめざす財政保守主義の思想と運動の根拠は何か。FRBと量的緩和政策や金本位制をめぐる議論、格差と公平をめぐるT.ピケティ批判の政策論についても語っていただく。
アイン・ランドもブルック氏も、アナーキストを含む広義の自由至上主義者(リバタリアン)とは一線を画し、安全保障・治安と法の整備について政府には重要な役割があるとする見解だが、経済政策面ではリバタリアン思想に近く、ワシントンDCのケイトー研究所に代表されるリバタリアンのシンクタンクなどへの影響力も強い。アイン・ランドを間に置くことで、分極化するアメリカの一つの極を分析する目が養われるだろう。経済成長に必要なのは格差の是正ではなく、さらなる自由ではないかと問う、きわめてアメリカ的な経済思想の根拠はいかなるものなのか。その議論は、日本からは見逃してしまいがちなアメリカ社会像を取り結ぶのに役立つことになるだろう。

対象者

本学学生、教職員、校友、一般
※申込不要、入場無料

主催

経済研究所

お問い合わせ

経済研究所

TEL:03-3985-4121  E-mail:r-inst-e@rikkyo.ac.jp

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