福島原発事故対応から学ぶ〜緊急時対応のありかたと復興に向けた社会デザイン~※要事前申込
INFORMATION
リスク学の中心的課題は、起きうるリスクの科学的な予測と適切な対応の選択肢提示および執行の組み合わせと言える。1999年JCO事故を受け原子力災害特別措置法ができ、内閣総理大臣の緊急事態宣言、情報の一元管理や避難勧告などが定められた。しかし “過酷事故は起きず多重防護は万全”との安全神話のため、福島原発事故では想定外事象が重なり対応に深刻な不備を生じ、期限や行先不明の住民避難は混乱を極め要介護者や病者の置き去り、情報秘匿による過剰被ばくも起きた。
事故後4年経過して、なお10万人を超える避難者が生活と将来の不安を抱えており、間一髪で東日本全滅の危機を脱しえた理由も未解明で事故現場の正確な状況も把握できない中、廃炉は30年以上後とされ確実な技術的保証がないままに、私たちは次に大地震が来たら何が起きるか分からない状況下にある。
リスク対応についてはコストとのトレードオフ説が強いが、原発事故は現在のわが国最大の技術リスクと言え、取り返しのつかない事態がありうる。原子力災害対策指針の改定が進められているが、緊急事態対応の新区分提案が中心で住民避難の具体的な指針はない。
原発事故の処理と福島の復興・住民の安全と安心は切り離せない関係にあり、前者の解決策の明確な計画提示と住民を主人公とする福島の生活とコミュニティー再建の具体化の見通しを重ね合わせて考える機会としたい。
講師
福島大学名誉教授
鈴木 浩 氏
1944年生まれ。東北大学大学院工学研究科建築学専攻博士課程修了(工学博士)、特定非営利活動法人・超学際的研究機構代表理事、(公財)地球環境戦略研究機関シニアフェロー。専門は都市・地域計画。東北大学工学部助手、国立小山高専助教授、福島大学行政社会学部教授、同大学共生システム理工学類教授などを経て現職。
東京工業大学大学院総合理工学研究科環境理工学創造専攻教授
村山 武彦 氏
1960年生まれ。東京工業大学大学院理工学研究科社会工学専攻修了(工学博士)、専門は社会工学、環境政策・計画。東京工業大学工学部助手、福島大学行政社会学部助教授、早稲田大学理工学部教授などを経て現職。
NPO法人食品保健科学情報交流協議会理事長
関澤 純 氏
1944年生まれ。東京大学大学院農学系研究科博士課程修了(農学博士)。専門は食品・環境化学物質のリスク評価・コミュニケーション。東京都公害研究所、ニューヨーク州立大学、国立医薬品食品衛生研究所、徳島大学総合科学部教授を経て現職。
詳細情報
名称
内容
鈴木 浩 氏(福島大学名誉教授)
村山 武彦 氏(東京工業大学大学院総合理工学研究科環境理工学創造専攻教授)
関澤 純 氏 (NPO法人食品保健科学情報交流協議会理事長)
◆第2部 パネルディスカッション
鈴木 浩 氏(福島大学名誉教授)
村山 武彦 氏 (東京工業大学大学院総合理工学研究科環境理工学創造専攻教授)
関澤 純 氏(NPO法人食品保健科学情報交流協議会理事長)
《コーディネーター》
長坂 俊成(21世紀社会デザイン研究科・社会学部教授)
対象者
※要事前申込、入場無料
申し込み
氏名・所属をご明記の上、下記メールアドレス宛てにお申込ください。
申込み専用アドレス21ckouenkai@rikkyo.ac.jp
主催
共催
お問い合わせ
21世紀社会デザイン研究科委員長室
(月~金 11:00~18:00)
※8/1(土)~9/20(日)までの夏季休業期間は開室曜日・時間共に不定期
※8/8(土)~8/19(水)は完全閉室