多様性の中で学ぶGLPで身についた立教型リーダーシップ

社会学部社会学科3年次 有原 花香さん

2023/05/17

立教を選ぶ理由

OVERVIEW

GLPにSA(スチューデント・アシスタント)やメンターとして授業運営に参加した有原 花香さん(社会学部社会学科3年次)にお話しを伺いました。

みんなをまとめることだけがリーダーの役割ではない

「あたりまえを疑う」社会学に惹かれて

高校時代、学校のプログラムでフィリピンとミャンマーのスタディツアーに参加しました。フィリピンでは、スラム街で出会った11歳の女の子の「先生になりたいけれど学校に行けないから夢は諦めなくちゃいけないんだ」と話してくれた時の表情が脳裏にこびりついて離れず、途上国における女子教育に関心を持ちました。もっと様々な国の現状を自分の目で見てみたいと訪れたミャンマーでは、ロヒンギャ難民をはじめとする無国籍状態の民族に対する教育支援の現状について学び、社会におけるマイノリティや弱者についても関心を持ちました。

その後、国際NPOの中高生ユースメンバーとして活動し、フィリピン・ミンダナオ島の学校修復クラウドファンディングを行いました。取り組みは成功したものの、活動する中で同時に支援を「する側」「される側」という隔たりを作ってしまったのではないか、という後悔の気持ちも生まれたんです。その経験から「そもそもマイノリティや弱者はどのように生まれるのか」という構造的な問題に目を向けるようになりました。

これらを学ぶことができるのが立教大学社会学部でした。学部の「社会のあたりまえを疑う」というキャッチコピーにも惹かれました。3つある学科のうち社会学科を選んだのは、教育社会学、ジェンダー論、NPO・NGO論など、私の関心が高い事象についてダイレクトに学ぶことのできる学科だったからです。

入学して3年目になりますが、周りの学生や環境から常に刺激を受けています。少子高齢化、フェイクニュース、ルッキズム、LGBTQなど現在進行形のあらゆる事象が学びとなるのが社会学なので、社会学部生はみんな関心領域も様々です。これまで自分がとらわれていた「あたりまえ」が崩されていく感覚に、入学して本当に良かったとあらためて感じています。

面白かったのは「相互行為論」という授業。フィールドワークによって、まさに「社会のあたりまえ」を疑います。初回の課題は、電車内で人の行為を分析するというもの。パッと見ると多くの人々はスマホを見ているだけのようですが、よく観察してみると「中ほどまで詰めてください」というアナウンスに反するように、ドア付近に乗客が固まる様子など行動のサンプルは多様で、新たな発見がありました。

また今後の研究を進める上で役立つと感じたのは、1年次の基礎科目で学んだ「社会調査法」です。この時に思い出したのが、立教大学の自由選抜入試(自考力入試)を受験する際に取り組んだ自由研究。ミャンマーのスタディツアーで行った調査を基にしたのですが、アンケートやインタビューでの質問項目の立て方や回答数など、サンプルに偏りがあったと思い知りました。3年次から所属する国際社会学のゼミでは、正しい社会調査に基づく研究を行い、自分のテーマをさらに深めていけることにとてもわくわくしています。

GLPへの参加を通じ、自らの強みを発見

私は、高校時代のフィリピンとミャンマーへのスタディツアーの経験から、将来は国際的な支援を行うNGOやNPOで働くことも視野に入れていました。大学では、国際社会の中で日本と海外の間に立ち対等に物事を見ていく中で必要となる、発信力やコミュニケーション力を養いたいと考え、多様な仲間とともに学ぶことのできる立教GLPの受講を決めました。

立教GLPは、学科や学年、性別、国籍などバックグラウンドが異なる学生が一緒に学び、1人ひとりがそれぞれの特性を生かしたリーダーシップの発揮の仕方や関連するスキルを学ぶ授業です。

「GL101」という入門科目では、企業から与えられた課題にチームで取り組み、提案するアイデアを他チームと競い合います。このときに、アイデア以上に重視されるのは、チームメンバーがお互いのリーダーシップを理解し、開発し合うこと。

「みんなをまとめることだけがリーダーの役割ではない」というのが、立教型のリーダーシップです。タイムマネジメントをする人、記録を取る人など、各自がそれぞれの特性を生かした役割を担います。チーム内での活動を通して、自分の行動を振り返り、他者からのフィードバックをもとに、自分の強みや弱みを発見していきます。

例えば、私はアイデアを考えるときに一人で先走りがちでしたが、「一度みんなと自分の考えを共有するといいよ」とアドバイスを受け、自分なりのリーダーシップの発揮の仕方を見つけることができました。

1年春学期の「GL101」では、残念ながら本選(60を超えるグループから数グループのみが選ばれ、大講堂にて企業の幹部にプレゼンを行う機会)に出場できませんでしたが、その悔しさをバネに1年秋学期に続けて受講した応用科目「GL201」では本選に進み、教員賞を受賞することができました。また、経営学科のコア科目であるBLP(ビジネス・リーダーシップ・プログラム)を受講した学生をはじめ、高い意識を持った学生と一緒に学ぶ機会もあり、よりビジネスにフォーカスしたアイデアの出し方や予算の計算など実践的な学びも得られました。

2年生では、授業を運営していく立場のSA(スチューデント・アシスタント)やメンターとしてGLPに参加しました。

GLPは、教員とともに、GLP/BLPの受講経験がある学生がSAとして授業を運営します。学生目線で受講生の学びをサポートし、授業のファシリテーション(円滑に進めること)をするのが役目です。
私が受講生だったとき、課題の取り組み方やメンバーとの関わり方で壁にぶつかった経験があり、当時の自分のクラスのSAの先輩から多くのことを学びました。SAの先輩がファシリテーションする姿に憧れ、自分も挑戦してみたいという気持ちが強くなりました。GLPは、同学年の受講生もいれば、付属校の高校生も参加する授業です。自分がSAの立場になり、どのように受講生と関係構築し、クラス作りしていくか試行錯誤の繰り返しでしたが、受講生とともに私も数えきれないほど成長することができました。

今でも自分のクラスの受講生とは交流が続いています。GLPで出会えたたくさんの仲間達には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

「人を支える学び」も、視点を変えれば選択肢は多彩

高校時代の私は、大学卒業後の進路について、青年海外協力隊として現地での教育開発支援の経験を積み、その後はNPO・NGO職員として、難民や国難避難民の教育支援に直接プレーヤーとして携わりたいと考えていました。しかし、立教大学に入学したことで視野が広がり、今はジェンダー問題にも関心が広がりました。将来はNPO・NGO職員として「直接的な支援」に携わるだけでなく、途上国の問題やSDGsなどの課題に積極的に取り組む国内の企業で働き、「間接的な支援」に携わることも選択肢の一つだと感じています。

大学にはいろいろな選択肢があります。私のように「途上国支援をしたい=人のために尽くしたい」という出発点でも、視点を変えると色々な学部が選択できます。

実は、私も高1の時はなんとなく歯科医になりたかったんです。とにかく私の軸は「人のために尽くしたい」。元々子どもが好きだったので、教職を取ることも素敵だなと思いましたが、先生になりたいわけではない。教育そのものを学ぶ教育学が合っているのかなとも考え、一時期日本の教育問題について調べていた時期もありました。そんな時にスタディツアーに参加し、自分の方向性を突き詰めた先に社会学がありました。立教大学には異文化コミュニケーション学部もあったので最後まで学部に迷いましたが、私が学びたかったのは「弱者・マイノリティを生む社会構造の分析」だったので、社会学部が一番合っていました。
志望する大学を考えるときには、ぜひ偏差値やネームバリューだけでなく、自分の学びたいことや「これをやってみたい」という探究⼼を大切に、憧れの⼤学を見つけてみてください。
今は留学⽣もキャンパスに増え、多様な方々と繋がることができるのも⽴教⼤学の魅⼒です。
卒業⽣は愛校⼼の強い⽅が多く、在校⽣との繋がりも⼤事にしています。私は学⽣⽣活の中でたくさんの出会いがありました。
皆さんも⽴教⼤学のグローバルな環境の中で一緒に学びませんか?

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