文学部を選んだ理由

学部別在学生インタビュー(大学案内2023)

2022/05/18

立教を選ぶ理由

OVERVIEW

文学部に所属する在学生にそれぞれの学科を選んだ理由などを聞きました。

文学部キリスト教学科4年次 石井 真紀奈さん(埼玉県 不動岡高等学校)

■学科を選んだ理由
入学前から興味があった芸術や文化を学びたいと思い、進学先を検討していたところ、本学科に出合いました。背景にある教義や思想はもちろん、考古学の時代から現代社会に至るまで、キリスト教にまつわるさまざまな分野の知識を一流の研究者から学べることにとても魅力を感じました。また、以前はキリスト教を遠い存在に感じていましたが、世界の人口の約3分の1が信仰しているこの宗教について学ぶことで、国際理解・他者理解を深められるという期待もありました。

■学科での学びをとおして得たもの
以前の私は現代社会の問題について考える時、「大変だ」「かわいそう」などと一見共感しているようでありながら、一時的な感想を述べているだけの場合が多くありました。しかし、本学科でさまざまな問題について掘り下げたり、ディスカッションを繰り返したりしたことで、問題の根本となる原因や悪化させている要因について深く考え、自分なりの考えを導き出せるようになりました。こうした批判的思考力を身につけられたことが一番の収穫です。

■卒業後の進路
卒業後は、民間のまちづくり会社に入社し、地域でイベントや講座の企画、公共施設の指定管理業務に携わります。これまでに身につけた批判的思考力、他者に共感する力を生かし、地域の人々に寄り添いながら課題解決に取り組みたいと考えています。また、自身の研究をとおしてアートがもつ大きな可能性を実感したことから、まちづくりとアートを連携させて人々の心を豊かにする試みにも挑戦していきたいです。

文学部文学科英米文学専修4年次 藤井 乃衣さん(東京都 小山台高等学校)

■学科での学びをとおして得たもの
本専修での学びをとおして、今まで知らなかった国の文化や価値観に触れることができました。それにより、海外の文学作品や映画を鑑賞する際に、作品の裏にある作者の意図や文化的背景、内包されている社会問題といった細部まで読み解くことができるようになりました。1つの作品に対して、さまざまな視点から理解を深めることの楽しさに気づけたことは私にとって大きな財産となっています。

■おすすめの科目
夏休みを利用してイギリスのオックスフォード大学に3週間留学する「海外フィールドスタディ」はとても刺激的でした。初めての海外経験でしたが、他国の文化を肌で感じ、現地の人たちのさまざまな考え方に触れることで視野が広がり、自身の成長を実感しました。また、その際に初めて英語でレポートを書いたことで、語学力を大きく向上させることができました。

■研究テーマ
ゼミナールで取り組んだのは、20世紀から21世紀のアメリカンコミックに関する研究です。作品を原文で精読し、歴史的背景や人種差別などの背景を踏まえながら作品に描かれている作者の意図を考察しました。自分が興味のある分野について掘り下げ、自身の考えをレポートにまとめる過程をとおして、作品を理解する力だけでなく、主体的に考え、行動する姿勢も身につけることができました。

文学部文学科ドイツ文学専修3年次 伊藤 勇哉さん(埼玉県 獨協埼玉高等学校)

■学科での学びをとおして得たもの
ドイツ語の翻訳は正解が1つというわけではなく、人によってニュアンスの違う訳し方をすることがあります。自分とは異なるアプローチで翻訳をしている学生の意見を聞くことで、そういった考え方もあるのかと気づかされることが多くありました。また、演習においても新しい視点で発表する学生も多く、自分の視野の狭さを痛感しました。こうした学びをとおして、複数の視点から考える力が身につきました。

■おすすめの科目
「演習C3」と「演習C4」では、興味のあるテーマについて調べ、レポートを作成して発表します。レポートを作成するには、多くの文献を参照し、情報の取捨選択を行い、わかりやすくまとめる作業が必要になります。それを繰り返すことで、知識の量が増えただけでなく、文章力も向上しました。また、発表する際には相手に意図をしっかり伝えることを意識して話すことができるようになった上、質疑応答で他の学生から指摘を受けることで考えを深めることができました。

■将来の目標
将来は公務員になって地域に住む人々がより豊かな暮らしを送れるように尽力したいと考えています。ドイツ文学の知識を直接生かせる場面は少ないかもしれませんが、学びをとおして身につけた複数の視点で考える力は、さまざまな立場の人々の暮らしを考慮する上できっと役立つと思っています。また、研究をとおしてジェンダー問題を掘り下げた経験を生かし、多様性のある社会の実現に貢献することも目標の1つです。

文学部文学科フランス文学専修4年次 榊 純可さん(埼玉県 淑徳与野高等学校)

■学科での学びをとおして得たもの
私にとってフランスは知っているようで知らない国でした。そのため、固定観念にとらわれず新しい知識を積極的に学びとろうという姿勢で授業に臨みました。たとえば、フランス革命で処刑されたマリー・アントワネットは、高慢で冷酷なイメージで語られることが多いですが、処刑される前に母親として家族を思いやる手紙を残しているなど、人間味あふれる一面もあります。このように固定観念を覆す知識を数多く得られたことで、さまざまな角度から物事を捉える力が身につきました。

■研究テーマ
現在は、中世ヨーロッパでまん延したペストに関する論文を執筆しています。当時、ペストによって死が身近になったことで、美術や音楽において死をモチーフにした表現が多く見られるようになりました。「死の舞踏」と呼ばれるこれらの表現をとおして、その時代の死生観を読み解くことが研究の目的です。新型コロナウイルスによるパンデミックが起こった今だからこそ、文学や歴史に学び、生命について深く考えることが大切だと思っています。

■将来の目標
フランス文学を学んでいますが、まだフランスを訪れたことがないため、近い将来、必ず渡仏を実現し、生のフランス語に触れたいと思っています。また、大学を卒業して学びを終わりにするのではなく、4年間で身につけた語学力をさらに伸ばすべく学習を継続していきたいと考えています。そして、フランス文学を学ぶきっかけとなった作品である「レ・ミゼラブル」を原文で読み、世界観を堪能できるようになることが現在の目標です。

文学部文学科日本文学専修4年次 登坂 純之助さん(埼玉県 所沢高等学校)

■おすすめの科目
「演習E23」で田山花袋の『一兵卒』という作品を分析したことで、小説の奥深さを改めて知りました。田山花袋は、作者の主観を加えずひたすら客観的に小説を描く平面描写という手法をこの作品に取り入れています。作品が書かれた明治時代は、まだ近代小説ができたばかりで、現代とは方法論が大きく異なります。作品を細かく読み解くことで、小説の歴史に触れるのは新鮮な体験でした。

■研究テーマ
橫光利一の『日輪』という作品について研究をしています。今から約100年も前に発表された作品にもかかわらず、初めて読んだ時には新しさを感じました。その理由を探るため、物語がどのように語られているのかという点に着目して研究に取り組んでいます。同じ内容について語っても、その語り方次第で受け取る側の印象は大きく異なります。さまざまな語り方がある中で、作家はなぜ1つの語り方を選んだのか。それを分析することで作品の新しさや面白さに迫ることを目指しています。

■卒業後の進路
卒業後は特許庁に就職し、商標の審査をする業務に携わる予定です。公正な審査を行うには、商品に対して込められた生産者の思いをくむ一方で、あらゆる消費者が商標を判別できるように配慮する必要があります。双方の立場に立って業務を遂行するにあたり、本学科で身につけた人の思いや意図を読み取る力、自分の考えを他者にわかりやすく伝える力を生かすことができると考えています。

文学部文学科文芸・思想専修4年次 宮内 華香さん(愛媛県 今治明徳高等学校矢田分校)

■学科での学びをとおして得たもの
さまざまな国の文学や歴史を学んだことで、世界の中の日本を俯瞰して見る視点が身につきました。また、海外文学の翻訳作品について掘り下げたことで、日本語の表現の豊かさを再確認することもできました。それにより、普段から馴れ親しんでいる日本文学だけでなく、漫画やアニメーションといった現代の文化についても深く考察して、そこに込められた意味を読み取ることができるようになりました。

■研究テーマ
夏目漱石の作品に登場する女性の表象や音に関する描写について研究を行っています。以前から母性や母子関係といった文学的なテーマに関心があったこと、漱石の作品にしばしば楽器が登場していると気づいたことが研究に取り組むきっかけになりました。漱石が活躍した明治期は、日本が開国して間もない激動の時代ですが、彼の遺した作品は現代にも通じる普遍的なテーマが書かれていることも興味深いです。

■将来の目標
将来は教育分野に貢献することを目標の1つにしています。現在、地域や所得による教育格差が問題になっていますが、オンライン授業のようにITを駆使して地域や環境を選ばず教育を受けられるようにすることで、その格差を埋められると考えています。文学とテクノロジーは縁遠いもののように思われるかもしれませんが、SF小説などは未来を鋭く予言していますし、テクノロジーと実社会をうまく結びつけるには文学的な思考も必要になると思います。

文学部史学科4年次 吉田 大晟さん(栃木県 栃木高等学校)

■学科の魅力
本学科には、世界史学専修、日本史学専修、超域文化学専修の3つの専修があり、自分が興味のある分野を吟味した上で選択できることが魅力でした。実際、私は入学当初は知らなかった超域文化学という分野に出合えたことで、充実した学生生活を送ることができました。また、他の専修の授業も履修できるため、幅広い知識が得られますし、存分に知的好奇心を満たすことができます。

■学科での学びをとおして得たもの
超域文化学専修では、世界各地のさまざまな人々の暮らしについて学びます。現代人の多くはPCやスマートフォンなどの電子機器を使い、数多くの情報に囲まれた生活を送っています。しかし、世界にはそれらをもたず自給自足をしている民族も存在します。彼らのことを貧しくてかわいそうだと思う人もいるでしょうが、彼らからすると生活に必要不可欠な家畜をもっていない現代人こそかわいそうに映るかもしれません。このように、世の中には1つの価値観ではくくれない多様性があると知ったことで、視野が大きく広がりました。

■卒業後の進路
卒業後は経営コンサルティング会社に勤務する予定です。史学とは直接結びつかない職業ではありますが、ディスカッションやプレゼンテーションで身につけた説明力や傾聴力、世界の文化を学んだことで得た広い視野は、人と関わる仕事である以上、さまざまな場面で必ず生きてくると考えています。まずは安心して仕事を任せてもらえるような信頼されるビジネスマンになることを目標に頑張りたいと思います。

文学部教育学科4年次 吉田 侑加さん(東京都 跡見学園高等学校)

■学科での学びをとおして得たもの
1~2年次の授業での学びを3〜4年次の実習や研究に生かせたことで、座学と実践、両方の重要性を認識しました。教育実習では授業で得た知識を総動員して足りない経験やスキルを補うことができました。また、卒業論文を執筆する際には、授業の課題で文献を読み解き、考えを文章にまとめた経験がおおいに役立ちました。座学と実践があってこそ、学びで得た知識を本当に自分のものにできるのだと実感しています。

■おすすめの科目
本学科はディスカッションを中心とした授業が多いことが魅力ですが、中でも「教育哲学」は強く印象に残りました。「なぜ学ぶのか」、あるいは「幸せとは何か」といった正解のない問いに対して、経験したことがないほど深く考えを巡らせ、学生同士で徹底した議論を交わしました。その過程で普段接しているだけではわからなかった他の学生の価値観を知ることができ、視野が大きく広がりました。

■研究テーマ
学校教育に限定せず、社会を作る学びを考える社会教育について研究するゼミナールに所属しました。私が研究テーマに選んだのはファストファッションの問題です。私たちが気軽にファッションを楽しめる裏側には、途上国の下請け工場に安価で過酷な労働を強いているという実情があります。企業はリサイクル活動などをPRすることでそうした負の側面を隠そうとしています。企業の二面性を明らかにしていく作業をとおして、物事の本質を見抜くことの大切さを学びました。

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