2024/09/02 (MON)

「2024年度陸前高田交流ツアー」を開催しました。

2024年8月27日(火)~30日(金)の4日間、「2024年度陸前高田交流ツアー」を開催しました。

今回は来年度の岩手大学との合同授業実施を見据えて、立教大学から11名、岩手大学から9名の合計20名の学生が参加して実施しました。
これまでと異なり、今回の交流ツアーは陸前高田市社会福祉協議会が実施する小友地区へのニーズ調査に両大学の学生が協力し住民への
ヒアリングなどを行い、当該地区の生活問題を把握し解決策を考えることを目的としました。

1日目は、一ノ関駅に両大学生とも集合し、一台のバスに乗車して顔合わせをしながら陸前高田に向かいました。
東日本大震災津波伝承館および高田松原津波復興祈念公園を見学後、陸前高田市社会福祉協議会に移動し、元陸前高田市理事で今泉地区
コミュニティ推進協議会会長の菊池満夫さんより、陸前高田における東日本大震災被害と復興についてお話を伺いました。
その日は3.11仮設住宅体験館に宿泊し、当日の生活の追体験を通じて、一人一人が震災当時を肌で感じる一晩となりました。
また、大学も学年も異なる中で、生活を共にすることで徐々に打ち解けていくことができました。

2日目の午前は、陸前高田市社会福祉協議会より今回の調査目的と方法について、また小友地区担当のコーディネーターさんよりお話を
伺いました。小友地区へのニーズ調査による住民へのヒアリングを行うにあたり、参考となるお話を伺うことができました。

午後は語り部の米沢祐一さんに、地震と津波発生後の体験談を震災当時のまま残されているビルにて伺いました。実際に津波に追われて
屋上に出て煙突にのぼり、足元ぎりぎりまで迫った津波から九死に一生を得て、そのまま一晩そのビルで過ごした体験を、ビルの中で聴き、
実際に煙突の上に上ることが出来ました。この追体験と米沢さんのお話から、災害への備えの必要性、日常の有り難さなどを実感していました。

その後、今回の調査地区になる小友(おとも)町自治会館に移動し、調査地区から来て下さった10数名の方々から、4つのグループに分かれて
それぞれお話を伺いました。震災時の被災の状況や、その後の復旧・復興活動を住民同士で助け合いながら行ってきた歴史や、日常生活や
地区での生活の特徴など様々な内容でお話し下さいました。

3日目は、グループに分かれ調査を担当する地区を実際に歩き、地元の方のお宅に上げていただいたり、たまたま知り合った方に案内して頂いたり、
たくさんの出会いの中で生活の状況を詳しく伺い、地元の料理などもごちそうになったりしました。
その後は調査の内容をグループ毎にまとめ、同行している教員の前でプレゼンテーションを行い、アドバイスを頂きました。なかなか厳しい指摘に、
その後民宿に戻り最終発表に向けて各グループ深夜まで、あるグループは朝方3時、4時まで発表内容の修正を重ねていました。

4日目最終日には社会福祉協議会や地域の方々に集まっていただき調査内容の発表会を行いました。各グループとも体験したこと、見聞きしたことを
丁寧に、ユーモアも交えて発表することができました。
最終日の昼食は、碁石海岸近くで魚屋「鮮魚シタボ」を営む村上さん夫妻を訪問し、地元の海鮮をいただきながら震災当時のお話を伺いました。
バーベキューをしたりしながら、今回のプログラムに参加した全員で交流の時間をもつことができました。

3泊4日という限られた時間でしたが、地元の方々との交流を通して学生たちは大学の中だけでは得られない多くの体験をし、これからの日々を
どう過ごしていくべきか、考えるきっかけを得ることができました。
また、今回のプログラムは岩手大学と合同で実施し、立教大学と岩手大学の学生たちが一緒に活動することでお互いに学びや発見があり、
今後に繋がるような濃密な時間を過ごすことができました。

参加学生の声(事後アンケートより抜粋)

・メディアの報道だけを見ていた時は陸前高田は東日本大震災とイメージが強く結びついていた。しかしながら、今回のツアーで見た陸前高田の姿は未来を向いていて、その力強さと絆の深さに驚いた。3泊4日という短い期間ではあったが、陸前高田というひとつの地域について、「震災と向き合う」という大きなテーマだけではなく、この先も地域で暮らしていく人々の思いや地域課題についても考え、自分なりに理解を深めていくことができた。(観光学部 2年)

・地域の将来に課題感を持ち、地域のことを第一に考えている陸前高田の人々と交流することで、自分は「行動する勇気」を貰った。日々をただ受動的に過ごすのではなく、主体的に4年生として残りの大学生活や将来について問い続けたいと思うようになった。また、人と人との暖かい繋がりがある陸前高田で、短い時間ではあるが生活出来たことはとても楽しかった。今後どのような形となるかは分からないが、是非もう一度訪れたい。(社会学部 4年)

・他大学との合同実施は非常に良かった。特に岩手大学の方々は、私達立教生よりも岩手県や方言についても詳しく、頼りになる場面が多かった。また、これまで受講してきた大学の授業は立教生のみであったが、違う地域に住む同じ大学生と交流をすることが出来たことで、新しい価値観や繋がりを得ることができた。またどこかで再会できたら嬉しい。(経済学部 4年)

お知らせについてのその他の記事

お使いのブラウザ「Internet Explorer」は閲覧推奨環境ではありません。
ウェブサイトが正しく表示されない、動作しない等の現象が起こる場合がありますのであらかじめご了承ください。
ChromeまたはEdgeブラウザのご利用をおすすめいたします。