立教大学社会福祉ニュース
第22号(WEB創刊号), 2002

2001年7月28日 第7回 対人援助技術セミナー

カウンセリングマインドの体験レッスンPartⅢ
―ロールプレイングの演習―

本研究所副所長・コミュニティ福祉学部教授
福山清蔵氏 講義

報告者: 研究員 加藤尚子

 昨年2001年7月28日の土曜日,第7回対人援助セミナーが開催されました。社会福祉研究所研究員でもある,立教大学コミュニティ福祉学部教授,福山清蔵先生によって,「カウンセリングのマインドの体験レッスンPartⅢ-ロールプレイングの演習-」というテーマで行なわれました。ここでは,簡単な当日の様子と,そこから私自身が感じたことを述べることで,このセミナーの紹介とさせていただきたいと思います。
 参加者は,教育機関から社会福祉現場まで幅広い領域に渡り,既に現場で活躍している専門職者と,学生の参加も多く見られました。こうした様々なバックボーンを持つ約20人が,夏の暑い盛りの日に,緑あふれるセントポールズ会館の2階で,一日の演習に参加しました。午前中は,ウォーミングアップも含んで,グループ作りを兼ねた簡単なグループワークを行ないました。そして,午後は4?5人のスモールグループで,童話を使ったロールプレイや創作課題によるロールプレイを行ないました。
 午前中のグループワークでは,あらら,あらら,と楽しみながら気持ちがほぐれていく感覚を味わいました。身体を動かす,ちょっとした動きをグループワークの中に入れることで,身体の固さと共に心も自由になっていくようでした。こうした人をほぐすということやムード作りは,いつもながら,さすがの福山先生!です。参加者の表情にも,笑顔があちこちで開きはじめているようでした。
 ロールプレイを行なう,ということは,自分のことを発見させられるということなのだと感じています。それは,役割を演じる中にも,そして共に学ぼうとする人との関係の中にも現れる,二重構造になっていると感じます。価値観,自分の対人関係上の態度や特徴,状況認知の特徴などなど・・・。今回のロールプレイでは,講師の意図で,あらかじめ,いわゆる「自己紹介」なるものをせずに,ロールプレイに取り組みました。こうすることで,肩書きや社会的立場や役割が取り外され,いつもよりも素の自分で取り組める状況が用意されたように感じます。
 私自身は,今回のロールプレイを体験することによって,再び自分の特徴を強く自覚することとなりました。それは,どちらかというと,あまり自分では好きでない部分でもあります。自分の特徴がよく現れ,少しがっかりしたのですが,しかしそれを「がっかり体験」だけではなく,ふんわりと自分で受けとめなおせるような最後のフィードバックが用意されていました。
 「あまり好きでない部分」も,自分の一部であり,それは生きていく中で支えとして役立てている部分でもある。まあ,しょうがないよ,とあきらめにも似た気持ち・・・。私は,講師のまとめからそんなことを連想しました。何かの強い一つのメッセージを伝えるというより,ゆるやかなまとめであり,参加者それぞれに,連想したこと,考えたことは異なるだろうと思います。人との付き合いと同時に,自分との付き合い方も味わうことができる,やはり二重構造のワークショップでした。
 毎回のテーマもよい意味で専門的内容に絞り込み過ぎていないところが,このセミナーのよい点であると感じています。学生から専門職者まで,様々な専門を持った,多様な人が参加することができるセミナーであり,そうした中では,一層それぞれの人の様子が際立つように思います。自分が何を専門にしているのか,日常どんな立場にいるのか,など・・・。このセミナーのテーマ自体が,参加者を写し出す鏡であり,こうした「曖昧な」テーマのセミナーの価値を,様々な領域を越えて行き来することがますます必要とされる今であるからこそ,強く感じています。
 

ページを閉じる