立教大学社会福祉ニュース
第22号(WEB創刊号), 2002

「家族福祉相談室」の活動と今後の展望

所員・カウンセラー 安達映子

 社会福祉研究所のさまざまな研究・実践活動の1つに,広く外部からの相談を扱う相談室活動があることをご存知でしょうか。
 初代の所長であった岩井祐彦先生の時代に,研究所内に「家族福祉相談室」が設置されました。その後所長をつとめられた早坂泰次郎先生,佐藤悦子先生は当研究所の理念でもある「人間福祉」の視点にたった臨床実践に常に力を注がれ,現所長である木下康仁先生も,社会福祉援助の現場について精通し「臨床的視点」との接点をもった研究実績を多く積まれていることは周知の通りです。このような代々の所長に支えられて20余年,相談室設置については研究所規約にも明記され,活動状況に波はありましたが,「家族福祉相談室」は個人と家族への相談に応える体制を継続して今日に至っています。
 阪神・淡路大震災の被災者支援活動に際して,また文部科学省によるスクールカウンセラーの配置などを契機に,心理的サポートや相談支援に対する関心は近年とみに高まってきました。同時に,こどもの虐待,教育と思春期をめぐるさまざまな問題,経済不況を背景に深刻化する中高年の危機,高齢者介護のありかたなど,個人と家族を取り巻く状況には,課題が山積しています。
 このような現状を見渡す中で,「家族福祉相談室」も,潜在する相談ニーズを見極め,それに対応できる体制をあらたに整備することが必要な時期にきているようです。おりしも社会福祉研究所は,2002年4月より社会学部から独立し,立教大学の「総合研究センター」の一部門として活動を行うことが決まっています。それに伴い相談室もすでにミッチェル館の3階へ移転し,相談環境も大きく改善されました。こうした内外の環境変化に応じて,「家族福祉相談室」も活動の進め方をあらためて整理し,運営方針を明確にした上でその体制をより強固なものにしていくことが求められています。
 具体的には次の2点が今後の相談室の活動指針として確認されています。
① 研究所所員・研究員の多様な専門性を活かし,狭義のカウンセリングだけでなく,コンサルテーションやソーシャルワーク的な支援を含め,広い視点に開かれた相談活動をすすめていく。
② 相談室内の活動だけでなく,ここを中心としつつも,研究所所員・研究員がかかわりをもつ専門相談・援助機関や施設,また地域の中の各種相談サービス拠点等との連携をすすめ,ネットワーク形成を通しての支援体制作りを目指す。
 さらに,大学内の研究所の一活動であることをふまえ,研究員や大学院生の臨床教育・訓練の場としても,相談室活動を活用していくことなどが今後の課題としては検討されています。
 これからの社会福祉研究所は,総合研究センターに属する部門としてより一層研究実績の蓄積と発信を求められていくはずです。発信は様々なかたちをとりうるものですが,研究所のこれまでの歩みは,つねに研究成果の還元を実践的営為によってなすことに意味を見出してきたことを示しています。この流れを絶やさず大切にしていけるような相談活動を,具体化していきたいと考えています。

相談のお問合せ・お申込みは立教大学社会福祉研究所まで
電話03-3985-2663
E-mail : r-fukushi@grp.rikkyo.ne.jp
ニュース目次
to TopPage

立教大学社会福祉研究所 〒171-8501
東京都豊島区西池袋3-34-1  地図
E-mail : r-fukushi@grp.rikkyo.ne.jp

立教大学