英語教育研究所St.Paul's Institute of English Language Education

英語教育研究所は、言語文化の視点を通して、日本の高等教育機関における英語教育のあり方を研究するため、1998年4月に設立されました。英語教育システムの研究開発、教材研究開発、教育機器に関する研究開発、英語教育に関する国際交流など、常に新しい英語教育の内容と方法を開発することを目的とし、またその成果の還元を図ることを目的としています。

概要

所長・所員(2017年度)
所長
鳥飼慎一郎 異文化コミュニケーション学部教授

所員
ロン・マーティン 異文化コミュニケーション学部准教授
森聡美 異文化コミュニケーション学部教授
師岡淳也 異文化コミュニケーション学部准教授
大森愛 異文化コミュニケーション学部特任准教授
髙橋里美 異文化コミュニケーション学部教授
高山一郎 異文化コミュニケーション学部教授
山本有香 異文化コミュニケーション学部准教授

イベント・講演会

2017.09.30 Brigitte Halford教授公開講演会 第1講、第2講
日時
2017年9月30日(土) 13:30~16:30

場所
池袋キャンパス14号館D301教室

講師
Prof. Dr. Brigitte Halford (Department of English – Linguistics, University of Freiburg)

演題および内容
テーマ:言語接触
第1講:多様な言語との接触に彩られた英語の歴史:言語発達を中心とした
ゲルマン民族がブリテン諸島に到達以降、英語は数多くの言語から社会文化的、政治的な影響を受けて発達してきた。英語はその語彙、正書法、文法、音韻体系などにおいて、ラテン語、北欧祖語、フランス語、さらには移民たちがもたらした多数の言語から多大な影響を受け、その痕跡は現在の英語においても見出しうる。本講では、英語という言語が音素を基にした正書法やゲルマン語系の語彙から成りたっていた言語から、複雑な正書法と豊かな語彙を有する言語へと変化してきた歴史を概観し、その変化の過程において多くの言語との接触があったことを見てゆく。

第2講:言語接触の場における言語とアイデンティティ:話し手を中心とした
我々のアイデンティティは常に一定ではなく、変化に富み他者とのコミュニケーションの中で活性化され、強調され、形成されていくダイナミックなものである。年齢、国籍、性別といった属人的な要素ですら他とのコミュニケーションの中で形作られてゆくものである。その中でも特に言語は、話し手のアイデンティティを形成する上で最も重要な要因であり、複数の言語あるいは言語変種を話す者は、アイデンティティを形成する要因がその分多様であることを意味する。本講では、多言語使用者のアイデンティティがどのように形成されるのかを、個人的な関係、地域社会との関係、そして国家レベルでの関係の中で、具体的な例を取り上げて考えてゆく。その上で、多言語の中でアイデンティティが変化してゆくダイナミズムをどうとらえてゆくべきか、その枠組みを提示してゆくつもりである。

主催
立教大学英語教育研究所

共催
立教大学異文化コミュニケーション学部

対象
学生、大学院生、教員、及び一般

使用言語
英語(通訳なし)

問合せ
鳥飼慎一郎 Ph.D.(立教大学異文化コミュニケーション学部教授、同研究科教授、英語教育研究所所長、全学共通カリキュラム英語研究室主任 E-mail: tori@rikkyo.ac.jp)

※申込不要、入場無料
2017.10.07 Brigitte Halford教授公開講演会 第3講、第4講
日時
2017年10月7日(土) 13:30~16:30

場所
池袋キャンパス14号館D301教室

講師
Prof. Dr. Brigitte Halford (Department of English – Linguistics, University of Freiburg)

演題および内容
テーマ:多言語主義
第3講:多言語主義が個人に及ぼす効果:認知および態度から見た
2言語以上が使用される環境の中で子供が成長することは例外的ではなく、むしろ一般的なことである。そのような子供たちが多数派であるにもかかわらず、これまで研究者はそれを例外的であると考えてきた。そのため、2つの言語を使用しながら子供が成長すると子供はどのような影響を受けるのかが研究の中心であった。バイリンガルな子供はどのようなリスクを持っているのか、認知的に見てどのようなメリットがあるのか、知的か否か、多言語を運用する能力は認知能力の発達や態度にどのような効果を及ぼすのか、これらの点は多方面から研究され、その結果は、様々な悪影響を及ぼすという警告から、すばらしい効果をもたらすという幻想に近いものまで数多く報告された。今日では、神経科学、心理学、言語学の分野の研究のめざましい発展により、研究者の関心は、多言語使用の知能に対する影響、その善し悪し、どの程度影響するのか、といった単純なものから、バイリンガルがいかに認知パターンや心理学的な態度に与える影響への研究など多岐に渡るものに変化してきているのである。

第4講:ヨーロッパにおける社会的多言語主義の諸形態:状況や政策から見た
ドイツ、スイス、ベルギー、ルクセンブルクを例に取り、ドイツ語や英語の地位や使用に焦点を当て、ヨーロッパにおける社会的多言語主義の諸形態について論じてゆく。ドイツは伝統的に単一言語による国民国家的なイデオロギーの国であり、少数言語はある特定の地域のみにしか使用されてこなかった。そのようなドイツと、スイス、ルクセンブルク、ベルギーとを多言語主義の観点から比較してゆく。講義では、これらの3国における社会的多言語主義の歴史的なルーツ、言語立法や教育政策、多言語がもたらす問題や衝突への対応を概観し、その上で学術、ビジネス、政治の面でリンガフランカとして一層重要度を増している英語の影響について、比較対照してゆく。

主催
立教大学英語教育研究所

共催
立教大学異文化コミュニケーション学部

対象
学生、大学院生、教員、及び一般

使用言語
英語(通訳なし)

問合せ
鳥飼慎一郎 Ph.D.(立教大学異文化コミュニケーション学部教授、同研究科教授、英語教育研究所所長、全学共通カリキュラム英語研究室主任 E-mail: tori@rikkyo.ac.jp)

※申込不要、入場無料

刊行物

2015年度 立教大学英語教育研究所研究成果報告書 第8号(2016年3月発刊)
・「ドイツに見るEUの外国語教育」鳥飼慎一郎
・「フィンランドの言語政策—必修スウェーデン語授業をめぐる論争」高山一郎
2014年度 立教大学英語教育研究所研究成果報告書 第7号(2015年3月発刊)
・「第1講 「欧州言語共通参照枠」(CEFR)とは何か」Dr. David Newby
・「第2講 「語学教育実習生のためのヨーロッパ・ポート」Dr. David Newby
・「第3講 新しい文法の数え方—認知文法+コミュニカティブ・アプローチ」Dr. David Newby
・「第4講 新しい文法の教え方—実践的ワークショップ」Dr. David Newby
・「第5講 社会の変化を反映した現代英語の特徴」Dr. David Newby
・「大学の英語教育は国際化にあってどのように変わるべきか—近年の英語教育の3つの二元論を中心に」森住 衛
2013年度 立教大学英語教育研究所研究成果報告書 第6号(2014年3月発刊)
・「第1講 バンク・オブ・イングリッシュとコウビルド・プロジェクト」スーザン・ハンストン
・「第2講 正しく話すために:英語のフレイジオロジー」スーザン・ハンストン
・「第3講 動詞から見たパターン文法」スーザン・ハンストン
・「第4講 正しく教えるために:コーパス言語学と英語教育」スーザン・ハンストン
・「全カリの遺産——立教大学における言語教育改革とその彼岸——」実松克義
・「第1講 レキシカル・プライミング」マイケル・ホイ
・「第2講 語の意味、語彙間の意味的関係、コーパス言語学」マイケル・ホイ
・「第3講 パラフラフ、文章構造、語彙選択」マイケル・ホイ
・「第4講 文法的結束性、意味的結束性、メンタルレキシコン」マイケル・ホイ
・「コーパスと語彙研究と辞書編纂」赤野一郎
2012年度 立教大学英語教育研究所研究成果報告書 第5号(2013年3月発刊)
・「民間言語学」デニス・R・プレストン
・「認知言語学のパラダイム—21世紀の言語学の新展開—」山梨正明
・「第1講 近年の英文法研究における成果」ジェフリー・リーチ
・「第2講 British National Corpusの成功と課題」ジェフリー・リーチ
・「第3講 近年における英語の動詞句の変化」ジェフリー・リーチ
・「第4講 英語という言語の過去、現在、未来」ジェフリー・リーチ
2011年度 立教大学英語教育研究所研究成果報告書 第4号(2012年3月発刊)
・「内なる異文化コミュニケーションを考える—「東京人」再考—」久米昭元
・「沖縄人(ウチナンチュー)の時間認識についての一考察」伊佐雅子
・「東北にまつわるイメージの形成および青森の人々の自己認知について」山本志都
・「バイリンガリズムとバイリンガル教育:その幻想と現実」藤田保
・「英語イマージョン教育を受けている児童生徒の実態」山田HAY美由紀
・「千里国際学園(一条校とインター併設校)でのバイリンガル教育からの示唆」田浦秀幸
・「日本人と英語—黒船と漂流民の物語に見る異文化との遭遇—」鳥飼慎一郎
・「外国語学習の科学—第二言語習得研究の現在と今後の展開—」白井恭弘
2010年度 立教大学英語教育研究所研究成果報告書 第3号(2011年3月発刊)
・「FDセミナー Myths about L2 Reading and Reading Instruction」Dr. Fredericka Stoller and Dr. William Grabe
・「第1講 Reading Research Development」Dr. William Grabe
・「第2講 Promoting Purposeful Language Learning with Project Work」Dr. Fredericka Stoller
・「第3講 Reading Comprehension Instruction」Dr. William Grabe
・「第4講 Tried and True Vocabulary Teaching Techniques」Dr. Fredericka Stoller
・「第6講 Reading and Writing in ESP」Dr. Fredericka Stoller
・「第7講 GOs for reading and writing」Dr. William Grabe
・「第8講 Integrated Skills and Content-Based 」Dr. Fredericka Stoller
2008・2009年度 立教大学英語教育研究所研究成果報告書 第2号(2010年3月発刊)
・「これからの英語教育の方向性-小学校英語必修化を受けて-」藤田保
・「大学英語教育における語彙」望月正道
・「国際環境における高等教育を中心とした日本の英語教育の問題点と将来像」小池生夫
・「コーパス言語学とその英語教育への応用」Douglas Biber
・「どうなるのか、これからの大学英語教育」押上洋人
2005・2006・2007年度 立教大学英語教育研究所研究成果報告書 第1号(2008年3月発刊)
・「立教大学英語教育研究所研究成果報告書の刊行にあたって」鳥飼慎一郎
・「スウェーデンの英語教育」高山一郎
・「立教大学の英語教育:その軌跡と未来」ジョセフ・ショールズ
・「言語教育・研究のための統計:基礎の基礎の基礎」石川慎一郎
・「文学の英語—知的運用能力の開発に向けて」豊田昌倫
・「学問の方法と国民性 イギリスと日本を比較して」吉野利弘

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