英語教育研究所St.Paul's Institute of English Language Education

英語教育研究所は、言語文化の視点を通して、日本の高等教育機関における英語教育のあり方を研究するため、1998年4月に設立されました。英語教育システムの研究開発、教材研究開発、教育機器に関する研究開発、英語教育に関する国際交流など、常に新しい英語教育の内容と方法を開発することを目的とし、またその成果の還元を図ることを目的としています。

概要

所長・所員(2017年度)
所長
鳥飼慎一郎 異文化コミュニケーション学部教授

所員
ロン・マーティン 異文化コミュニケーション学部准教授
森聡美 異文化コミュニケーション学部教授
師岡淳也 異文化コミュニケーション学部准教授
大森愛 異文化コミュニケーション学部特任准教授
髙橋里美 異文化コミュニケーション学部教授
高山一郎 異文化コミュニケーション学部教授
山本有香 異文化コミュニケーション学部准教授

イベント・講演会

2017.05.13 公開講演会「フィンランドの英語教育」
日時
2017年5月13日(土)13:30~16:30

場所
立教大学池袋キャンパス 11号館3階 A301教室

講師
伊東 治己 氏(関西外国語大学外国語学部教授)

内容
国際学習到達度調査(PISA)での好成績を受け、国内外でフィンランドの学校教育に熱い視線が送られているが、実はPISAの対象となっていない英語教育の分野においても多大な成果を挙げている。しかし小学校から高校までの授業時数は日本の三分の二程度であり、この少ない授業時数でどうしてフィンランドの英語学習者は国際的にもトップレベルの英語力を修得できるのかの理由を分析するとともに、今後の日本の英語教育の在り方について考察を加える。

※申込不要、入場無料
2017.05.27 公開講演会「英語教育の情報化:我々は今どこまで来たのか」
日時
2017年5月27日(土)13:30~16:30

場所
立教大学池袋キャンパス 8号館5階 8506教室

講師
原田 康也 氏(早稲田大学法学学術院教授・情報教育研究所所長)

内容
◆第1部(13:30-15:00):「教育の情報化は英語学習をどう変えたか」
ICTの活用によって教室の中に海外も含めた実社会を持ち込むことが可能となってきました。QQEnglish などSkypeを用いて海外の母語話者・訓練された英語教師などと会話を行いながら英語を学ぶサービスが多数提供されています。大学の授業の中でこのようなサービスを活用する工夫も報告されています。EnglishCentralのように音声認識の技術を活用して学習者の発音の癖を矯正する学習支援システムも開発されています。Pearsonが提供するVersant English Testは受験者がコンピュータシステムと電話またはインターネット経由で17分間ほど「質問と応答」をした結果を非母語話者音声向けに開発された音声認識エンジンなどを用いて採点し、受験者のリスニング・スピーキング能力を測定します。Versant Writing TestはLatent Semantic Analysisなど自然言語処理技術も応用して受験者のキーボードからの回答を採点します。4技能試験の大学入学試験への導入が話題となっていますが、実際に日本人大学生にこのような試験を実施し、合わせて読解課題に置いて英語の語彙・連語・文法などの言語知識を測る Oxford Quick Placement Testを受験してもらうと、大部分の学生について言語知識と運用能力に大きな乖離があり、リスニング・リーディングが弱いということがスコアの点から確認できます。
◆第2部(15:00-16:30):「英語教育と情報教育はいかに統合されるべきか」
TOEFL iBTを受験しようとしてもコンピュータやキーボードが使えないと限られた時間に求められている回答をすることもできません。理工系の分野では、学部・修士課程で国際的な研究集会で研究発表を行うことが期待されていますが、そのためにはプレゼンテーション・ソフトウェアを使用して発表スライドを用意し、アブストラクトや原稿をオンラインで投稿することが求められます。大学における英語教育では、専門科目や一般教育科目の内容について対話や意見交換ができる英語力の養成が求められていますが、その際にコンピュータ・ネットワークを使用できることが当然の前提となっています。一般的な大学生の英語運用能力では、相手の質問を直ちに理解して自分の考えをまとめて英語で答え、相手の発話の内容に即して的確な質問を直ちに英語で構成することは難しいようです。単純な文であっても主語を疑問詞とする疑問文を文法的に誤りなく構成する英語運用能力がない大学生が多いことがわかってきました。疑問文の構築に関するこのような弱点を紹介した上で、そうした弱点を補うことも目的の一つとして早稲田大学法学部のコンピュータ教室で実践している授業内容について紹介します。

※申込不要、入場無料
2017.06.17 公開講演会「アメリカ合衆国の大学教育国際化政策とオハイオ州立大学の外国語教育」パート1/パート2
日時
2017年6月17日 (土) 13:30~16:30

場所
立教大学池袋キャンパス 14号館5階D501教室

講師
湯浅 悦代 氏(オハイオ州立大学東アジア言語文学学科准教授)

内容
パート1:大学教育における国際化、地域研究、外国語教育:アメリカ事情
国境を越えて国際交流を促進するためには、パートナー校、パートナー国のローカルコンテクストを知ることが大切である。そこで、本講演の最初では、アメリカの大学教育の国際化、地域研究、外国語教育に大きな役割を担っているアメリカ合衆国教育省のタイトルVIグラント(スーパーグローバル大学創成支援に匹敵)にサポートされているNational Resource Centerの紹介を行う。

パート2:オハイオ州立大学における国際化、地域研究、外国語教育の試み
パート2では、パート1で見たようなコンテクストの中、オハイオ州立大学で実際どのように大学教育の国際化、地域研究、外国語教育に取り組んでいるかについて報告する。オハイオ州立大学の外国語教育では、学習者が国際社会で実際使えるコミュニケーション力を習得できるようにコミュニケーションの宣言的知識(declarative knowledge)と手続き的知識(procedural knowledge)の構築を目指している。また、外国語学習者の多様化するニーズに対応するためにindividualized instruction、differentiated instructionのコースも開設している。カリキュラムの国際化を進めるためには、地域研究(日本研究)の担う役割が大きい。地域研究の業績を大学外部へ還元するために行っている中学、高校教員のためのセミナー、ビジネスコミュニティー向けセミナーなどについても報告する。

※申込不要、入場無料
2017.06.24 公開講演会「アメリカ合衆国の大学教育国際化政策とオハイオ州立大学の外国語教育」パート3/パート4
日時
2017年6月24日 (土) 13:30~16:30

場所
立教大学池袋キャンパス 14号館5階D501教室

講師
湯浅 悦代 氏(オハイオ州立大学東アジア言語文学学科准教授)

内容
パート3:Performed-culture approachの理論的背景と概要
Performed-culture approach(Christensen 2007; Christensen and Noda 2002; Walker 2000, 2010; Walker and Noda 2000)は、言語を習得するということは「文化を学ぶこと」、そして「その文化の中での様々な記憶と経験を構築することである」と考えるオハイオ州立大学の日本語プログラム全体で採用している外国語教授法の一つである。このアプローチでは、外国語でコニュニケーションを行うというということは、その文化の中で「パフォームすること」であると捉え、”Language in Culture”の宣言的知識(declarative knowledge)と手続き的知識(procedural knowledge)の構築を目指す。本講演では、このアプローチの理論的背景と概要の説明を行う。

パート4:Performed-culture approach(ワークショップ形式)
本ワークショップでは、パート3で見たPerformed-culture approachがどのようにカリキュラムとして成り立っているかについて述べる。さらに、どのように学習者に外国の文化の中で「パフォームする」ことを習得させることができるか(手続き的知識を構築させることができるか)についての実践的テクニックを紹介する。

※申込不要、入場無料

刊行物

2015年度 立教大学英語教育研究所研究成果報告書 第8号(2016年3月発刊)
・「ドイツに見るEUの外国語教育」鳥飼慎一郎
・「フィンランドの言語政策—必修スウェーデン語授業をめぐる論争」高山一郎
2014年度 立教大学英語教育研究所研究成果報告書 第7号(2015年3月発刊)
・「第1講 「欧州言語共通参照枠」(CEFR)とは何か」Dr. David Newby
・「第2講 「語学教育実習生のためのヨーロッパ・ポート」Dr. David Newby
・「第3講 新しい文法の数え方—認知文法+コミュニカティブ・アプローチ」Dr. David Newby
・「第4講 新しい文法の教え方—実践的ワークショップ」Dr. David Newby
・「第5講 社会の変化を反映した現代英語の特徴」Dr. David Newby
・「大学の英語教育は国際化にあってどのように変わるべきか—近年の英語教育の3つの二元論を中心に」森住 衛
2013年度 立教大学英語教育研究所研究成果報告書 第6号(2014年3月発刊)
・「第1講 バンク・オブ・イングリッシュとコウビルド・プロジェクト」スーザン・ハンストン
・「第2講 正しく話すために:英語のフレイジオロジー」スーザン・ハンストン
・「第3講 動詞から見たパターン文法」スーザン・ハンストン
・「第4講 正しく教えるために:コーパス言語学と英語教育」スーザン・ハンストン
・「全カリの遺産——立教大学における言語教育改革とその彼岸——」実松克義
・「第1講 レキシカル・プライミング」マイケル・ホイ
・「第2講 語の意味、語彙間の意味的関係、コーパス言語学」マイケル・ホイ
・「第3講 パラフラフ、文章構造、語彙選択」マイケル・ホイ
・「第4講 文法的結束性、意味的結束性、メンタルレキシコン」マイケル・ホイ
・「コーパスと語彙研究と辞書編纂」赤野一郎
2012年度 立教大学英語教育研究所研究成果報告書 第5号(2013年3月発刊)
・「民間言語学」デニス・R・プレストン
・「認知言語学のパラダイム—21世紀の言語学の新展開—」山梨正明
・「第1講 近年の英文法研究における成果」ジェフリー・リーチ
・「第2講 British National Corpusの成功と課題」ジェフリー・リーチ
・「第3講 近年における英語の動詞句の変化」ジェフリー・リーチ
・「第4講 英語という言語の過去、現在、未来」ジェフリー・リーチ
2011年度 立教大学英語教育研究所研究成果報告書 第4号(2012年3月発刊)
・「内なる異文化コミュニケーションを考える—「東京人」再考—」久米昭元
・「沖縄人(ウチナンチュー)の時間認識についての一考察」伊佐雅子
・「東北にまつわるイメージの形成および青森の人々の自己認知について」山本志都
・「バイリンガリズムとバイリンガル教育:その幻想と現実」藤田保
・「英語イマージョン教育を受けている児童生徒の実態」山田HAY美由紀
・「千里国際学園(一条校とインター併設校)でのバイリンガル教育からの示唆」田浦秀幸
・「日本人と英語—黒船と漂流民の物語に見る異文化との遭遇—」鳥飼慎一郎
・「外国語学習の科学—第二言語習得研究の現在と今後の展開—」白井恭弘
2010年度 立教大学英語教育研究所研究成果報告書 第3号(2011年3月発刊)
・「FDセミナー Myths about L2 Reading and Reading Instruction」Dr. Fredericka Stoller and Dr. William Grabe
・「第1講 Reading Research Development」Dr. William Grabe
・「第2講 Promoting Purposeful Language Learning with Project Work」Dr. Fredericka Stoller
・「第3講 Reading Comprehension Instruction」Dr. William Grabe
・「第4講 Tried and True Vocabulary Teaching Techniques」Dr. Fredericka Stoller
・「第6講 Reading and Writing in ESP」Dr. Fredericka Stoller
・「第7講 GOs for reading and writing」Dr. William Grabe
・「第8講 Integrated Skills and Content-Based 」Dr. Fredericka Stoller
2008・2009年度 立教大学英語教育研究所研究成果報告書 第2号(2010年3月発刊)
・「これからの英語教育の方向性-小学校英語必修化を受けて-」藤田保
・「大学英語教育における語彙」望月正道
・「国際環境における高等教育を中心とした日本の英語教育の問題点と将来像」小池生夫
・「コーパス言語学とその英語教育への応用」Douglas Biber
・「どうなるのか、これからの大学英語教育」押上洋人
2005・2006・2007年度 立教大学英語教育研究所研究成果報告書 第1号(2008年3月発刊)
・「立教大学英語教育研究所研究成果報告書の刊行にあたって」鳥飼慎一郎
・「スウェーデンの英語教育」高山一郎
・「立教大学の英語教育:その軌跡と未来」ジョセフ・ショールズ
・「言語教育・研究のための統計:基礎の基礎の基礎」石川慎一郎
・「文学の英語—知的運用能力の開発に向けて」豊田昌倫
・「学問の方法と国民性 イギリスと日本を比較して」吉野利弘

お問い合わせ

英語教育研究所

池袋キャンパス12号館2階
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