概要全学共通科目

40年の歴史をもつ一般教育部の成果と知的エネルギーを発展的に継承し、強力な全学的運営責任体制を樹立して、「全カリ」を創出し、1997年度から全面的に展開しました。2016年度から開始の学士課程統合カリキュラムに連動して、全カリ運営センターが提供する「全学共通科目」として全カリ3rdステージが幕を開けています。

全カリについて

概要

リベラル・アーツの新しい“かたち”

専門性に立つ教養人の育成をめざして

立教大学は、1874年の創立以来、リベラル・アーツを教育の理念に掲げてきました。
リベラル・アーツ教育は、知性、感性、そして身体のバランスを配慮した全人格的な教育であり、一人一人のさまざまな可能性を育もうとするものです。

立教大学のすべての学生が、それぞれの学部の専門科目と並行して学ぶ「全学共通科目」は、専門分野の枠を超えた幅広い知識と教養、総合的な判断力と優れた人間性を養うことを目的とした、全学部の学生を対象に、全学部によって運営される共通のカリキュラムであり、まさに「リベラル・アーツの立教」を具現化する、大学教育のあたらしい「かたち」と言えるでしょう。

全学共通科目では、このようなリベラル・アーツ教育を、「教養ある専門人の育成」ではなく、「専門性に立つ教養人の育成」をめざすものとして位置付けています。

このような位置付けによって、教養教育(全学共通科目)と専門教育が相互に有機的に関連をもつことができると同時に、それによって専門領域の教育研究も刺激を受けて、真の創造的な学問研究の発展に寄与することができると考えているからです。
歴史
立教大学は、キリスト教の宣教師により、米国のリベラル・アーツカレッジを規範として設立されました。そのため、立教大学は従来から教養教育に対し強い関心をもち、その充実に努めてきました。本学での教養教育の重視は、わが国の私立大学の中では例外的に早い1955年に、一般教育(教養)課程を担う一般教育部が設置され、翌年には、独立した教授会をもつ部局となったことからもうかがうことができます。しかし、一般教育課程の問題点として、いわゆる3分野の教育が学士課程教育の中に有機的に融合していない、外国語教育とりわけ英語教育が学生のニーズや社会の要請にこたえていない、組織の硬直によりカリキュラムが固定化している、といった点が全学的な課題としてあげられていました。

1991年、大学設置基準が大綱化され、大学の個性に即した学士課程教育の再編成が迫られたのを好機として、立教大学は、専門学部の新たな意味づけと教養教育充実のための大幅な改革に取り組み、教養教育の再生・強化をはかる決断をしました。その際、学士課程教育の目標を、従来の「教養ある専門人の育成」から「専門性ある教養人の育成」へと転換しました。ここに言う「専門性ある教養人」とは、グローバルな課題と社会的要請に対応し、広い視野に立って課題を発見・解決できる能力をもつ人間です。

そして、40年の歴史をもつ一般教育部の成果と知的エネルギーを発展的に継承し、強力な全学的運営責任体制を樹立して、「全カリ」を創出し、1997年度から全面的に展開しました。

スタートしてすでに20年余りが経過し、この間、小規模のものも含め、カリキュラム変更が複数回行われました。近年では言語教育科目が2010 年度に、総合教育科目も2012年度に大幅なカリキュラムの改訂を行い、2016年度には、学士課程統合カリキュラム(Rikkyo Learning Style)に連動した大規模なカリキュラム改編を実施しました。カリキュラムとしての全カリは、「全学共通科目」として装いを新たに、全カリ3rdステージを迎えています。

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刊行物

全学共通科目(全カリ)の特色

「全カリ」は、40年の歴史をもつ「一般教育部」を廃止し、「全学で支える」という理念のもとに構築された「全カリ運営センター」が運営する、新しい教養教育です。すなわち、「全カリ」は、「カリキュラム」であると同時に、「運営組織」であり、また「教育革新の運動」であるということができます。
カリキュラムとしての「全カリ(全学共通科目)」
前述の理念を受け、「全カリ」は、新たな教養教育の目的を、「広い視野と判断力に基づく総合的な知性を養うとともに、外国語によるコミュニケーション能力と異文化対応能力を育てること」とし、総合系科目と言語系科目の2つの科目群から構成されたカリキュラムに具現化しました。

すべての科目が半期制で開講されており、卒業要件単位数は、すべての学部・学科において、言語系科目10単位、総合系科目18単位となっています。

全学部・全学年の学生に共通に展開し履修機会を保障していると同時に、他に類例を見ない豊富な科目展開をしていることは「全カリ(全学共通科目)」の大きな特徴といえるでしょう。
組織運営としての「全カリ」

全カリ運営センターの組織

全学共通カリキュラム運営センター(以下、「全カリ運営センター」)は、全学共通カリキュラム(以下、「全学共通科目」)の立案・運営に全面的な責任を負う組織です。
また、「全学で支える」という理念のもと、全学部の教員の参画を基本としています。

役職と職務

部長(全カリ部長)
全カリ運営センターを代表し、その運営を統括します。専任教員から、総長が任命し、全カリ委員会の委員長を兼務します。さらに大学の最高意思決定機関である部長会に出席し、大学全体の校務に参与します。

副部長(全カリ副部長)
全カリ部長を補佐し、全カリ部長に事故のあるときはその職務を代行します。専任教員から、全カリ部長と協議の上、総長が任命し、教務、自己点検・評価、FD、その他全カリ部長が指示する事項を担当します。教務委員長、グローバル教養副専攻構想・運営サブチームリーダーを兼務します。

チームリーダー
言語系科目構想・運営チーム、または総合系科目構想・運営チームを代表し、当該チームの運営を統括します。言語チームリーダーは、異文化コミュニケーション学部所属の専任教員から、全カリ部長と協議の上、総長が任命します。総合チームリーダーは、専任教員から、全カリ部長と協議の上、総長が任命します。

チームメンバー
言語チームメンバーは、各言語教育研究室主任が兼務します。主任は、所属する言語研究室の室員の互選により選出し、全カリ委員会の議を経て総長が任命します。総合チームメンバーは、専任教員から、全カリ部長と協議の上、総長が任命します。

会議体と各チームの所管業務

全カリ委員会(全カリ運営センター委員会)
全カリ部長、全カリ副部長、全カリ委員(言語チームリーダー、総合チームリーダー、各学部長、教務部長)で構成し、全カリ運営センターの所管事項、全カリ委員会の発議による事項を決定します。

コア会議
全カリ部長、全カリ副部長、言語チームリーダー、総合チームリーダーによって構成され、全カリ運営センターの審議事項を決定し、必要に応じて全カリ委員会への上程を了承します。

教務委員会
全カリ部長、全カリ副部長、言語チームリーダー、総合チームリーダーによって構成され、全カリ運営センターにおける教務事項を決定します。

チームミーティング
言語系科目構想・運営チームミーティング、または総合系科目構想・運営チームミーティングは、チームリーダー、チームメンバー、陪席の全カリ部長、全カリ副部長によって構成され、言語系科目、または総合系科目のカリキュラム編成、科目担当者人事、予算執行などを所管します。

グローバル教養副専攻構想・運営サブチームミーティング
全カリ部長、全カリ副部長、言語チームリーダー、総合チームリーダーによって構成され、必要に応じて関連部門を交えたミーティングとして開催します。

言語教育研究室
英語教育研究室、ドイツ語教育研究室、フランス語教育研究室、スペイン語教育研究室、中国語教育研究室、諸言語教育研究室で構成し、それぞれ主任および室員が配置されています。また、各言語教育研究室は、言語チームの指示により、教員配置や教務事項、授業方法・授業形態の立案、予算の立案ならびに執行、担当者連絡会・FD セミナー等の企画と実施を担当します。

サポートグループ
全カリサポーター(学部選出、総長任命)で構成され、主に総合チームの指示により、教育方法の研究開発、教員配置、教務事項に関する事項等について総合チームメンバーに必要情報を提供し支援します。人文学系サポートグループ、自然科学系サポートグループ、社会科学系サポートグループ、スポーツ人間科学系サポートグループのいずれかに属します。必要に応じて、グローバル教養副専攻に関する業務の一部として、言語チームの活動を支援する場合があります。

全学で支える全学共通カリキュラム運営センター

専任教員の科目担当ルールと一定の専任教員担当率の確保(専任担当ルール)
全ての専任教員は、全学の合意に基づいて定められた担当ルールに従い、全学共通科目を担当します。そのため、所属学部の教員であると同時に、全学共通カリキュラム運営センターの教員として、全ての学生に対して教育責任を負っています。

多様な学びの形態を用意
総合系科目では、外国語で日本について学ぶ科目(F科目)や演習形式の科目(「立教ゼミナール」等)など、多様な学びの形態を用意しています。また、言語系科目での日本手話、総合系科目でのスポーツ実習の科目など、科目の特性によりチームティーチング(1科目あたり2名の教員が常時参加)できる仕組みを整備するなど、フレキシブルな担当形態を用意しています。

科目の企画提案の仕組みを整備
総合系科目「コラボレーション科目」、「立教ゼミナール発展編」の科目では、学部・総合チーム・研究所等のほか、教学、また学生支援に関わる事務部門から科目を企画提案できる仕組みを用意しています。

専属の事務体制を配置
全ての学部・学年を対象とした膨大な規模で展開する言語系科目、総合系科目の編成と運営を保障するため、一般の教務事務とは別に専属の事務部門を用意しています。全学共通科目のカリキュラムマネジメント、全カリ運営センターの組織マネジメント、などを担う専属スタッフ(専任職員5人)を擁する、教務部に所属する独立した事務局(全学共通カリキュラム事務室)を置いています。
教育改革運動としての「全カリ」
全カリは、一般教育課程の改革にあたり、不断の教育改革運動体として構想されました。そのカリキュラムは、形骸化を避け、社会的な要請と学生のニーズに応えるべく、毎年、また大きくは4年間のサイクルで、カリキュラムの点検と改定が定期的に行なわれる仕組みになっています。

教育研究室やチームは、全カリの授業運営を実際に担う組織であることから、教材や教育方法等の研究開発は任務となっており、担当者連絡会、セミナー、ワークショップなどを定期的に開催し、テーマ研究や授業方法の改善についての取組が組織的・制度的になされてきています。また、運営センターが年に一度主催するシンポジウムは、教職員研修の一環とも位置づけられています。

学生による授業評価は、言語系科目では全カリ開設当初より導入されており、教育研究室主体で実施され、その学生の反応がカリキュラムや授業方法の改善に生かされてきています。一方、総合系科目でも、2003年度より全学共通の「学生による授業評価アンケート」が実施されるようになりました。

全カリの運営に全学部が関与する体制となっていることにより、常に全カリと各学部との間でカリキュラムの点検・改訂をめぐってダイナミックな還流システムが形成されており、全カリの教育改革運動は、全学的な教育改革の活力になっているといえるでしょう。

FD活動

FD活動
全カリのカリキュラムは形骸化を避け、また社会的な要請と学生のニーズに応えるべく、毎年、さらに大きくは4年間のサイクルでカリキュラムの点検と改訂を行う仕組みになっています。

教育研究室ならびにチームは、全カリの授業運営を実際に担う組織であることから、教材や教育方法等の研究開発が任務となっており、担当者連絡会、セミナー、ワークショップ等を定期的に開催し、テーマ研究や授業方法改善の取り組みが、組織的・制度的に行われてきています。

また、全カリ運営センターが主催するシンポジウムは、教職員研修の一環と位置づけられています。

学生による授業評価は、言語系科目では全カリ発足当初から導入されており、現在では全言語で「授業評価アンケート」(英語ではこの他にも「カリキュラムアンケート」)を実施し、その学生の反応をカリキュラムや授業方法改善に活用しています。また、総合系科目でも、2003年度より全学のアンケート実施委員会による「学生による授業評価アンケート」が実施され、活用されています。
外部評価
立教大学の「全カリ」は、2004年度の相互評価・認証評価で、大学基準協会より、立教大学の特色ある教育として評価されました。また、全カリ運営センターでも独自に「外部評価」を実施し、自ら検証を行いました。

全学共通科目と全学共通カリキュラム運営センター

立教大学は大学全体での教育目標として「専門性に立つ教養人の育成」を掲げています。全学共通カリキュラム運営センターは、この目標を実現するために活動しているカリキュラムの編成と運営を担う組織です。
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「専門性」は学部・学科・専修の学問が代表します。これに対して「教養」とは何でしょう。専門が狭い分野を深く掘り下げること、だとすれば、教養とは広い分野を浅くさらうことになるのでしょうか。いいえ、そうではありません。それは私たちが人間であることとつながっているのです。人間は「専門的」な生き物ではありません。生きるためには多様な知識や能力が必要です。しかしその一方で、人間らしく社会で生きようとすれば、それぞれの得意分野を活かして役に立つ必要があり、それを突き詰めれば専門になります。そして実際にうまく社会に適応しようとすれば、自分の得意分野の有用性を多くの人々に認めてもらう必要があります。つまり、専門の違う人ともコミュニケーションができなければなりません。ここで必要になるのが「教養」です。

専門同士を結びつける媒体、それが教養です。しかし、教養は専門とは全く別のものであったり、すべての人々にとって一様で同じものであったりすることはありません。自分の得意分野や個性に応じて人の生活様式は多様です。ですから他の専門とのつながり方もその専門性によってさまざまです。ただし、どの専門を持つ人にとっても、教養が自分とは別の専門の一部であったり、場合によっては複数の専門性の融合したもの(学際的分野)であったりすることは共通です。また、教養にコミュニケーションの道具、あるいは表現媒体としての言語が含まれることは言うまでもありません。この意味での「教養ある」人であるためには言語能力にも長けている必要があります。これらがあるからこそ、教養のある人は他の専門を持つ人々と相互に役立ち合う社会を創ることができるのです。

現代社会は複雑化しています。それゆえにひとつの専門性だけでは役に立つことが難しく、多くの専門人とのコミュニケーションと助け合いが必要とされています。言い換えれば、現代は「専門性に立つ教養人」が強く必要とされているのです。

立教大学は建学以来一貫して教養教育を重視し、その伝統を大切にしてきました。時代の移り変わりの中で、そのつど教養のあり方を全学で考え、教職員が力を合わせて学生と向き合ってきました。2016年4月から、教育理念のさらなる具体的実現を目指して“RIKKYO LearningStyle”(立教大学学士課程統合カリキュラム)を導入します。これは所属する学部のカリキュラムの中に、「専門教育科目」と「全学共通科目」の両者が一体となって組み込まれていることに表れています。学部の履修要項で卒業要件単位区分を見れば、「全学共通科目」が組み込まれていることが分かります。RIKKYO Learning Styleは、専門教育科目を履修しながら自分自身の興味関心とも強く関連づけて、自分の専門を意識しながら他の専門分野や学際的分野の学修を進めるように促します。このような専門と全学共通が一体となった学びこそが学部教育の成果になる、と立教大学は考えています。

また、立教大学は文部科学省からスーパーグローバル大学の指定を受けていることから分かるとおり、「グローバル教養人」の育成を目標としています。2017年度からは、「グローバル教養副専攻」が始動します。これは学部カリキュラムの履修と並行して、特定のテーマを持った学びを積み重ねるカリキュラムです。グローバル教養副専攻に基づいた学修により、言語学習を効果的に織り込みながら、全学共通科目や他学部の専門教育科目を特定のテーマに沿って連携履修できるようになります。学生自身が教養形成の方向性を自覚できるように、また、立教大学での学修成果がより自分らしくなるように、グローバル教養副専攻を強く推奨してゆきます。

このような「全学共通科目」ならびに「グローバル教養副専攻」は、全カリ運営センターが所管します。2016年度から装いを新たにした全カリ運営センターは、いわゆる“全カリ3rdステージ” として、立教大学の全ての教員の英知と教育力を結集して運営してまいります。
変遷の系譜
1955.4
一般教育部 設置

1994.12
全学共通カリキュラム運営センター 発足

1997.4
全学共通カリキュラム 開始

2010.4
言語カリキュラム 改編

2016.4
RIKKYO Learning Style 開始(同時に、総合カリキュラム改編)