観光学部の教員・卒業生・大学生による座談会その2

観光学部

2014/01/02

立教を選ぶ理由

OVERVIEW

観光学部の卒業生、在学生、教員がその魅力について語りました。

大学生活について

観光学部での学びについて教えてください。

(先生)
観光はいまや、世界中の人を相手にする、いわば世界最大の産業です。本学はその観光を学問としていち早く研究し取り入れました。
本学における観光教育は、1946年に開設された「ホテル講座」に始まり、1967年に社会学部観光学科、そして1998年に日本の大学としては初の観光学部として設置されました。観光に関してもっとも歴史が古く、またもっとも幅広くテーマをカバーしています。ホテルやテーマパーク、航空産業といったホスピタリティ業界についての研究から、国内外の観光地の魅力やその歴史についての研究、そもそも旅とはどういうもので人はなぜ旅をするのかというテーマまで、多角的に幅広く学べる点が本学部の魅力の一つですね。
具体的には、「ビジネスとしての観光」 「地域社会と観光」「文化現象としての観光」という3つのプログラム群をもとに、経営学、経済学、地理学、社会学、人類学など人文・社会科学を基盤とした総合的な教育を行っています。
「観光学科」と「交流文化学科」の2学科体制で、観光学科では主に「ビジネスとしての観光」 「地域社会と観光」という産業サイドから観光を学び、交流文化学科では国際親善や文化交流など、「文化現象としての観光」という側面で観光を学んでいきます。

皆さんが観光学部観光学科を選んだ理由は何ですか?

(大学生)
私が通っていた高校は、自分も含めて帰国生が多く、いろいろなバックグラウンドを持った人が多くいました。そのため、国際交流というテーマに関心があり、その一つの形が「観光」ではないかなと考えました。また、地域づくりなどの社会学的なテーマにも関心がありました。そこで社会学部系の学部を調べたところ、立教の観光学部もその一つにあり、「地域社会と観光」という学びのテーマに強く関心を持ったからです。
学科選択では、観光をビジネス的に学びたいと思ったので「観光学科」を選びました。

(卒業生)
「観光学部」という響きがユニークだなということと、観光に関してどのようなことが学べるのかなと、興味を持ったのがきっかけでした。「観光学科」を選んだのは、僕も観光をビジネス的と言いますか、経営学的な角度で学びたいと思ったからです。

入学した印象はいかかでしたか?

(大学生)
勉強面では予想していた通りの内容でしたので、特に難しさなどを感じることはありませんでした。クラスメイトに関しては、夏休みが近づいた頃、多くの人がバックパッカー(低予算旅行)のプランを立てているのを知って、やはり旅行好きの人が多い学部だなって実感しました(笑)。
私自身は1年次からラクロス部に入部しましたので、旅行はほとんどせず、部活中心のキャンパスライフになりました。

(卒業生)
たしかに、旅行好きが集まっているなという印象はありましたね(笑)。 本格的に勉強が始まってみると、観光というのは思っていた以上に奥の深い世界なのだなと感じました。

(先生)
それはどのあたりが?

(卒業生)
例えば、観光がもたらす経済効果が、どういう人たちに役立っているのかとか、地域活性なども含めた社会的影響などですかね。

(先生)
たしかにそのあたりのことは高校時代、みんな想像もしていないだろうからね。

(大学生)
そうですね。高校生にとって観光というと、「楽しむためのもの」というアミューズメント産業みたいな印象ですからね。

観光学部の特徴的な授業や講座などは何かありますか?

(先生)
1年次には、海外の観光地を短期間で海外フィールドワーク体験をする「早期体験プログラム」が用意されています。日本では情報が乏しいようなアジアの観光地にも、専門教員の引率により現地体験をすることができます。
また本学には、「観光研究所」という主に観光学部の教員が構成員になっている組織があり、現在は私が所長を務めています。この研究所は、幅広く学内外者に対する教育と様々な研修活動、ならびに研究活動を推進しています。観光に関する様々な研究データや資料があるだけでなく、「旅行業講座」や宿泊・外食などホスピタリティ産業の理論的・実践的な内容から、マーケティング、経営戦略などを扱う「ホスピタリティ・マネジメント講座」なども開講しています。特に「旅行業講座」は、旅行代理店への就職などを志望する人で「国内旅行業務取扱管理者試験」や「総合旅行業務取扱管理者試験(旧・一般旅行業務取扱主任者試験)」などの資格取得を目指す人には最適な内容です。

印象に残っている授業などはありますか?

(大学生)
私は英語能力を高めたかったので、2年次から自由科目として選択できる全学共通カリキュラムの言語教育科目を履修しました。
観光学部の授業では「宿泊産業論」という授業が印象に残っています。その中で、外部より観光関連産業の実務者を講師に招いた授業があり、それがとても実学的で学ぶことが多かったです。就職活動生向けのアドバイスをいただけたこともありがたかったですね。

(卒業生)
授業名は正確に覚えていませんが、アフリカのマサイ族のような少数民族が、観光資源の恩恵によって生活できているといったことを学んだ授業が印象に残っていますね。

庄司先生のゼミの内容を教えてください。

(先生)
観光学部では2年次からゼミが履修できます。私のゼミでは、経営学の理論を中心に、観光をビジネスシステムとして研究します。中でも、地域振興・地域再生という国内の多くの地方が抱える課題に対して、観光ビジネスがどう貢献できるのかをテーマとしています。
その具体例として、先ほど研究内容でもお話ししましたが、志賀高原で知られる長野県山ノ内町と2010年から提携し、ゼミ生と一緒に「観光+地域活性化」のプロジェクトを実施しています。

お二人が庄司先生の研究室を選ばれた理由は何ですか?

(卒業生)
庄司先生の授業が面白かったことと、ちょうど僕が2年次にゼミ選択をする際に、先生が今言われた志賀高原でのプロジェクトが動き始める時期で、ぜひそれに参加したいと思ったのが理由です。

(大学生)
庄司先生は「英語をしっかり勉強した方がよい」という考え方ですので、そこにまず共感しました。そして私も先輩たちが行っていた志賀高原でのプロジェクトに参加したいと思い、先生のゼミを選びました。

今お話に出た志賀高原で行われているプロジェクトについて教えてください。

(先生)
志賀高原の観光に従事している本学の卒業生とのつながりから、志賀高原の夏場を盛り上げようというこのプロジェクトが始まりました。
スキー場として有名な志賀高原に夏季にも観光客を呼ぶため、「新しい観光スタイル」の提案を現地の人々と一緒に考えています。

(卒業生)
僕が参加した2010年のプロジェクトでは、当時「山ガール」というキーワードが流行していましたので、山ガールをメインターゲットにしたコンセプトづくりをしようと話し合いました。そして、「五感で楽しむ山ガールの隠れ家」というテーマでカフェバーを運営してはどうかと提案しました。

(先生)
この時は、歴史記念館として残っている「旧志賀高原ホテル」の敷地の一部を活用してオープンさせました。志賀高原ビールやワインなど、現地の名産品も同時にアピールしようという企画でしたね。
期間限定の運営ですが、観光学部の学生も18名ほどが運営に携わり、人的支援も行いました。この時に要求される仕事内容は、きちんとした研修を受けてから参加する必要があるものでした。ではなぜ、ができたのかというと、観光学部のOBが都内のシティホテルなどに勤務していますので、そちらで学生へのホスピタリティ研修を行ってもらったからです。旅行関連業界にネットワークがあることは、本学のとても大きな強みですね。
その後、2012年にはカフェ運営を提案し「Cafe*Pasha(カフェ・パシャ)」を期間限定でオープンさせました。そして2013年8月にはカフェ「Gardenやまのうち」をオープンさせました。

(大学生)
私は「Gardenやまのうち」に携わりました。学生目線でメニューを考案したり、お店の宣伝アピールをする広報活動を行ったりと、新しい経験がいろいろとできるプロジェクトで、とても楽しかったですね。

「立教観光クラブ」という組織があるそうですね。

(先生)
はい。これは先ほどお話しした、学生研修をしてくれたホテルに勤務する本学OBをはじめ、これまで本学観光学部を卒業したOB・OGの中で、主に観光産業に関わっている卒業生で構成されている組織団体です。観光事業の発展に寄与することを目的として作られました。現在2,700名ほどが所属しています。日本全国のいろいろな企業・業界に本学の卒業生が輩出されていますので、観光関連分野の内容であれば、そのネットワークを使って、協力体制ができるわけです。

就職活動、仕事について

近藤さんがテレビ番組制作会社に就職した理由は何ですか?

(卒業生)
僕は、映像制作にすごく興味があり、そうした仕事に関われる就職先を志望していました。今の会社は様々な映像を作るチャンスがあるという理由から入社しました。

同期入社の方はどういう出身学部の方が多いですか?

(卒業生)
番組制作会社の場合、特に決まった学部というものはなく、文系を中心に多方面の学部から人材が集まっています。ただ、現在所属しているスポーツ部には、スポーツ経験者は多いと思います。

現在担当されている業務内容を教えてください。

(卒業生)
職種としてはアシスタント・ディレクター(AD)業務です。現在はスポーツ部に所属していますので、様々なスポーツ中継に携わっています。 AD業務は、番組を制作するための最初の準備作業から、オンエアーまでの様々な手配を行い、番組を予定通りに視聴者のもとへ届けるのが任務です。

担当業務の大変なところや、やりがいなどを教えてください。

(卒業生)
番組制作においては、とても細かい作業がたくさんあります。そして中継現場では、いかにゲストやそこで働く方々に快適な環境を与えられるかも重要になってきます。そうしたすべてのことをそつなくこなしていくことが大変ですね。また、時には就労時間も長くなりますので、そのあたりも大変なところです。
その一方で、制作に携わった番組は、テレビを通して多くの視聴者のもとへ届くことになります。テレビを通して、多くの人に情報や楽しい時間を提供ができているということが、達成感ややりがいにつながっています。

同期の方々はどういう企業に就職されましたか?

(卒業生)
やはり観光に携わる業界に就職する人が多かったです。旅行代理店、ホテル、や鉄道会社など。鉄道各社は観光事業も含めた地域開発を行っていますから。もちろん銀行など、他の業界に就職した方も多くいます。

森山さんはどういう方面に就職されるのですか?

(大学生)
全国にリゾートホテルチェーンを展開している会社から内定をもらっています。ただ、海外勤務にも興味があるため、まだ就職活動を続行させている状況ですね。

同期の方々はどのような企業に就職されますか?

(大学生)
やはり採用人数が多いからなのか、銀行や生保などの金融業界へ進む人は多いですね。また、旅行代理店、鉄道のほかにも、まちづくりなどを行っている不動産会社に進む人もいます。

(先生)
例年、ホテル・レジャー・運輸・旅行などの観光系業界へ就職する学生は全体の30%くらいで、大半は一般企業に進みます。観光業界に強いだけでなく、様々な業界に進めることが本学部の強みでもあると思います。
また、観光政策を担う政府や自治体を目指す学生や、大学教員を目指す学生が多いのも本学部の特徴だと思います。
「Z会 TEIDAN ~学問と職業のカンケイから、大学進学を考える~」より
※記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご注意ください。

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