『敗戦70年を迎えて』
      

 

 敗戦70年を迎えた本年、各地・各界の多くの人々の反対ないし慎重な議論の継続を求める声が高まる状況に反して、2015年7月16日に衆議院で「平和安全法制整備法案」が採決、賛成多数という結果となりました。この法案については、内容的にも手続的にも決して認めることができないものと考えています。 また、「争いのあるところには、平和は存しない」という考えをもとに、立教大学チャプレン団とキリスト教教育研究所は、以下のメッセージを発します。 学びと、体験と、そしてそれを基にした思索をとおして、平和な社会を実現するために、共に行動してまいりましょう。                        
 
                                    『敗戦70年を迎えて』(pdfにてダウンロード可能です)


2015.07.17

立教大学

 学生・教職員の皆さま


 わたしたちの立教大学は、太平洋戦争の最中の1942年9月、軍国主義体制の波に呑み込まれ、大学の存在意義そのものであった「基督教主義ニヨル教育ヲ行フ」を、「皇国ノ道ニヨル教育ヲ行フ」に変更し、創立以来のキリスト教主義大学としての教育理念を手放し、結果、多くの学生を戦地に送り出した、という過去を持っています。

 立教大学は、昨年創立140周年を迎えましたが、立教大学の歴史のちょうど中間に、この「負」の出来事はあります。その反省に立って、敗戦以後、70年にわたる、立教の教育的営為は、つねに平和の構築に寄与する学問の探究の歩みであったと云えます。

 キリストの伝える平和は、神が人びとを愛されたように、この地上のすべての人が互いに尊重し合い、共に生きる平和です。それは権力や武力によって維持される平和ではなく、神の愛に深く根ざした恒久的な平和です。日本は先の敗戦から、戦うことの愚かさと、信頼に生きる平和の必要を学んだはずなのです。しかし、現在国会で審議されている「国際平和支援法」と10本の戦争関連法を改悪する「平和安全法制整備法案」は、そうした歴史にまったく逆行しています。政府・与党は、衆院平和安全法制特別委員会で、この法案を強行採決し、続いて衆院本会議で可決、次は参院本会議での可決を得る構えですが、もし採決・成立されれば、日本は「戦争しない国」から「戦争する国」へと重大な舵をきることになります。わたしたちは、立教大学のキリスト教に携わる者として、この日本という国の重大な歴史的局面に沈黙を選んではならないと考えます。

 この立教大学で学び、働く皆さん。どうか今、日本で起きていることを自分のこととして、見つめてください。再び、日本が戦争に荷担し、人を傷つける蛮行へと向かわないように、しっかりと見張っていてください。そのために、わたしたちは以下のような提案を皆さんに呼びかけます。

  ① 70年前の戦争の際、日本という国が近隣諸国に対し、何をしたのか、その歴史を正しく学んでください。
  ② 自分の廻りにいる、戦争体験者たちの哀しみと痛みの声に聴いてください。
  ③ この夏訪れる旅先で、戦争の傷跡があるならば、ぜひ訪れてみてください。
  ④ 今も、この世界の様々な地で続いている争いの終結のために平和を祈ってください。
  ⑤ 毎日の生活の中で、次の祈りを献げてください。

 真理と平和の源である全能の神よ、アジア・太平洋戦争終結から70年を迎えたわたしたちは、すべての犠牲者の魂をあなたの憐れみの御手にゆだねて祈ります。また今もなお痛みや苦しみの内にある人びとを覚え、主にある平安が与えられますようお祈りいたします。そして、わたしたちが過去の歴史から目をそむけず、地上の平和を脅かし、あなたの似姿に創造された一人ひとりの命と尊厳を奪い去るあらゆる戦争と暴力に対して、目を開き、声を上げ、あなたの平和の器となることができますように、知恵と勇気をお与えください。父と聖霊とともに一体であって世々に生き支配しておられる主イエス・キリストによってお願いいたします アーメン  (2015年日本聖公会主教会作成)

 敗戦70年目の夏、皆さんが、これらの問題について、深く考え、祈りを共にしてくださることを切に願います。

                                                                                2015年7月17日

                                                                             立教大学チャプレン団

                                                                  立教大学キリスト教教育研究所(JICE)



                                           トップページへもどる

                                              トップ アイコン   
                              
直線上に配置