旧江戸川乱歩邸
(大衆文化研究センター)The Edogawa Rampo Residence (The Edogawa Rampo Memorial Center for Popular Culture Studies)

推理小説家江戸川乱歩が1934年から移り住んだ邸宅と、書庫として使われていた土蔵が、2002年立教大学に譲渡されました。土蔵は、2003年に豊島区指定有形文化財に指定されています。毎週水・金曜は一般公開しています。

センターからのお知らせ

イベント情報
刊行物のご案内
・「大衆文化」第16号 2017年3月25日刊行 税込500円
(立教大学セントポールプラザ、丸善ジュンク堂書店、紀伊国屋書店の一部店舗で販売)

・「センター通信」第11号 2017年3月25日発行 無料

一般公開のご案内

曜日:水・金曜(祝祭日を除く)
時間:10:30~16:00

「ホームカミングデー:旧江戸川乱歩邸特別公開」
旧江戸川乱歩邸特別公開
2017年10月15日(日)10:00~16:00
立教大学 江戸川乱歩記念大衆文化研究センター
主催: 立教大学

*公開日の見学は予約不要です

*資料閲覧
まことに申し訳ありませんが、都合により2017年度春学期中は閲覧業務を休止させていただきます。再開につきましては改めてHP等でお知らせいたします。

江戸川乱歩・乱歩邸について

江戸川乱歩について

江戸川乱歩(1894-1965)

本名、平井太郎。明治27年10月21日三重県に生まれ、名古屋で育つ。

早稲田大学で経済を学びながらポーやドイルを読む。様々な職業を経験した後、大正12年に雑誌「新青年」に「二銭銅貨」でデビュー。
昭和2年までに「D坂の殺人事件」「人間椅子」「パノラマ島奇譚」などを執筆する。休筆を挟んで「陰獣」「芋虫」「孤島の鬼」「押絵と旅する男」等を発表。
昭和4年の「蜘蛛男」より娯楽雑誌に長篇を連載、「魔術師」「黄金仮面」「黒蜥蜴」など。
昭和11年から「怪人二十面相」を「少年倶楽部」に連載、少年探偵のシリーズは晩年まで続く。
同時期から評論も多く手がけ、「鬼の言葉」(昭和11年)「幻影城」(昭和26年)などにまとめられる。
昭和22年、探偵作家クラブ結成、初代会長に就任。昭和29年、乱歩賞を制定。
昭和32年から雑誌「宝石」の編集に携わる。
昭和38年、日本推理作家協会が認可され理事長に就任。
昭和40年、7月28日脳出血のため自宅で死去。享年70。
乱歩邸について

乱歩と立教大学

「東京市ニ於ケル住居転々ノ図」(「貼雑年譜」)によれば、転居を繰り返した東京での乱歩の住まいは26ヶ所に及ぶ。そしてその26番目の住まいが、昭和7年に郡から区に昇格したばかりの豊島区池袋3丁目1626番地の家賃90円の土蔵付きの借家だったのである。

昭和9年7月に乱歩はここに居を定めた。すぐ近くには立教大学や系列の聖公会神学院があり、これが乱歩と立教大学との不思議な縁の始まりとなった。以後乱歩は、途中転居を考えたこともあったが、結局は昭和40年の没年までこの地で後半生を過ごした。そしてさらにそれから40年近くの歳月が流れ、2002年に旧乱歩邸と蔵書・資料が立教大学に帰属することとなったのである。

乱歩がなぜ池袋を選び、なぜ二度と転居しなかったかはいろいろ考えられるが、その前に居た芝区車町の喧騒な環境と比較して、転居当時の乱歩邸は「梅林」「ツツジ」「畑」「芝」「築山」などに囲まれ、今とはおよそかけ離れたのどかさであったと想像される。そんな自然の豊かさが、中心部のごみごみとした雰囲気に愛想をつかした乱歩を惹きつけたのかもしれない。

さらに戦時下には近隣の人々との信頼関係も生まれ、戦後は戦後で、今度は復興した池袋の繁華街が乱歩にとってホームグラウンドのような場所となる。またそのいっぽうで、立教大学とは家族を通してプライベートな絆が結ばれてもいった。今回乱歩邸が立教大学や地域のシンボルとして生まれ変わることになったのも、こうしたさまざまな経緯を振り返れば必然の結果であったように思えてくる。

乱歩文学

これまで乱歩ミステリーといえば、「D坂の殺人事件」などの初期の本格ミステリーと晩年の少年探偵団ものが取り上げられることが多かったが、大衆文化という観点から見ると、その二つにはさまれ、従来は軽く扱われてきた「蜘蛛男」や「吸血鬼」などのいわゆる通俗長編もののほうこそが注目に値する。昭和モダン期の大衆の圧倒的な支持を集めたこれらの作品にはそれ以前のさまざまな成果やノウハウが生かされ、また、これらを通過したからこそ後の少年探偵団ものが誕生した、との見方も可能であり、その意味では通俗長編を乱歩ミステリーのかなめと位置づけることもできるのである。

関東大震災後、東京は大きく生まれ変わる。抜本的な道路整備が行われ、そこを急増した円タクが我が物顔に走り回ることになる。住宅地の郊外への発展も盛んで、各私鉄沿線を中心としてハイカラな新興住宅地が開発され、白い壁に赤い屋根の、いわゆる文化住宅が庶民の憧れの的となった。富裕層では暮らしも洋風化し、ソファーやスチーム暖房、デスクや卓上電話を備えた洋風の応接間のモダンさは目を見張らせるものがあった。モボモガと称される洋装の男女が街を闊歩したのもこの時代で、裾の広がったズボンや丈の極端に長いスカートが流行した。そんな時代にふさわしく、モダンにイメージチェンジした明智が、お洒落な事務所に陣取り、大東京を舞台に悪漢たちと本邦初のカーチェイスを繰り広げたりするのが、この時期の通俗長編の売り物だった。そこには自動車や電話はもちろんのこと、飛行船、気球、エレベーター、飛行機、モーターボートと、20世紀科学文明の粋が次から次と登場して、大衆読者の「あこがれ」をかきたてた。

それ以前の乱歩作品が「通」向けの、どちらかといえば閉ざされたものであったのに対して、大衆読者を意識して時代や社会を存分に取り込んだ通俗長編は乱歩ミステリーの可能性を最大限に拡張し、それがのちの少年ものへと引き継がれていった。通俗長編を経たからこそ、少年ものはミステリー性と通俗性とを兼備した人気作品となりえたのである。

土蔵と蔵書

2003年3月に乱歩邸の土蔵は豊島区指定有形文化財に指定された。乱歩邸は最初大阪市東区の坂輔男家の別宅として建てられ、その後借家となり、昭和9年からは乱歩が住み、昭和27年に乱歩の所有となった。さらにそれが立教大学の所有となったのは2002年3月であり、その後立教大学では豊島区より補助を受け2003年度より土蔵の復原工事に着手し、2004年春に完成させた。2004年8月の「江戸川乱歩と大衆の20世紀展」以来、機会を設けて土蔵は公開しているが、内部や蔵書類の状態を良好に保つために、入り口付近までの公開としている。

蔵書の保存というだけなら他にいくらでも例があるが(たとえば東北大学の漱石文庫など)、書庫ごと保存されるのはきわめて稀である。しかもその書庫が一種独特な雰囲気を持った土蔵であり、かつ、その主が蔵書をめったに処分しないタイプの蔵書家であるなど(この反対が、執筆が終わるとかなりの量を処分したとされる松本清張などの場合だ)、乱歩蔵書のありようはきわめて特異なケースといえる。ひとくちに「蔵書」あるいは「蔵書の保存」といっても、その内実は千差万別なのである。

ところで乱歩蔵書は主に①土蔵内部②土蔵の外側の軒下部分を書庫に改造したもの③母屋・洋館部分、の三つに分けて保存されてきたが、土蔵の復原工事にともない軒下部分の書庫は撤去され、現在は主に土蔵内部、母屋内の書庫、立教大学図書館の保存書庫に分散保管されている。それらの所蔵内容は立教大学図書館のホームページ上で確認でき、その冊数は和書(翻訳書を含む)約13000冊、洋書2600冊、雑誌5500冊ほどである。また一般には未公開だが、950点、3500冊ほどの和本も別にある。作家蔵書といえば収書傾向や書き込み調査が定番だが、乱歩の場合、書庫ごと保存されるがゆえにわかる配置(没後の変更や追加を慎重に見きわめた上で)や使用頻度、利用上の特徴など、一種の書庫考古学/蔵書解体学が今後必要になってくるだろう。

パンフレットPDFはこちら

動画で見る旧江戸川乱歩邸
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乱歩邸について動画でご紹介します(約10分)。

写真で見る旧江戸川乱歩邸~応接間~
江戸川乱歩邸応接間を写真で紹介します。

玄関

玄関より庭を眺める

廊下、応接間の入り口

天井が高く、柔らかい陽が入る応接間

応接間内部

応接間内部

重厚なソファ

乱歩が愛用していたデスク

乱歩邸の蔵書
江戸川乱歩は推理小説家としてあまりにも有名な人物ですが、近世資料の収集家という側面も持っていました。以下はその一部です。詳細は立教大学蔵書検索(OPAC)にて検索していただくことができます。

  • 好色一代男
  • 好色五人女
  • 男色大鑑
  • 西鶴諸国はなし
  • 西鶴置土産
  • 若衆物語
  • 衆道物語
  • 犬つれづれ
  • 傾城手管三味線
  • 出来斎京土産
  • 手妻はや合点(ほか)
  • 安政雑志
  • 地球全図
  • 古今和歌集

ご支援のお願い

当センター(旧江戸川乱歩邸)の活動に使途を指定して、立教学院へご寄付いただくことができます。頂いたご寄付は、旧江戸川乱歩邸の維持および管理などに使用させていただきます。

関連情報

過去のイベント情報
「新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館」
旧江戸川乱歩邸 特別公開
2017年5月19日(金)~5月31日(水)
※期間中(火)・(木)は休館
公開時間 10:30~16:00 (ただし、5月20日は10:00~16:30公開)

「江戸川乱歩記念講演」
タイトル:乱歩・読書・「おたく」 ~われらはみな幻影の城主~
講師:浅羽通明氏
2017年3月11日(土)14:00~16:00(13:30開場)
立教大学 池袋キャンパス 5号館 1階 5124教室
主催: 立教大学

「ホームカミングデー:旧江戸川乱歩邸特別公開」
旧江戸川乱歩邸特別公開
2016年10月16日(日)10:00~16:00 立教大学 江戸川乱歩記念大衆文化研究センター
主催: 立教大学

「新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館」
旧江戸川乱歩邸 特別公開
2016年5月20日(金)~6月1日(水)
※期間中(火)・(木)は休館
公開時間 10:30~16:00
※21日(土)、28日(土)は13:00~13:30にギャラリートーク(無料)

「江戸川乱歩記念講演」
タイトル:乱歩と「怪奇小説」の定着
講師:荒俣宏氏
2016年3月29日(火)18:30~19:30(18:00開場)
立教大学 池袋キャンパス 5号館 2階 5221教室
主催: 立教大学

「ホームカミングデー:旧江戸川乱歩邸特別公開」
旧江戸川乱歩邸特別公開
2015年10月18日(日)10:00~16:00 立教大学 江戸川乱歩記念大衆文化研究センター
主催: 立教大学

「池袋=自由文化都市プロジェクト:旧江戸川乱歩邸特別公開」
旧江戸川乱歩邸特別公開
2015年9月14日(月)~22日(火)

「新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館」
旧江戸川乱歩邸 特別公開
2015年5月15日(金)~27日(水)
※期間中(火)・(木)は休館
公開時間 10:30~16:00
※16日(土)、23日(土)13:00~13:30 ギャラリートーク(無料)

「新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館」
旧江戸川乱歩邸 特別公開
2014年5月15日(木)~28日(水)
※期間中(火)・(木)は休館
公開時間 10:30~17:00
※17日(土)、24日(土)13:00~13:30 ギャラリートーク(無料)

「新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館」
旧江戸川乱歩邸 特別公開
2013年5月17日(金)~29日(水)
※期間中(火)・(木)は休館
公開時間 10:30~17:00
※18日(土)、19日(日)13:00~13:30 ギャラリートーク(無料)

「ホームカミングデー:旧江戸川乱歩邸特別公開」
2012年10月21日(日)10:00~16:00 立教大学 江戸川乱歩記念大衆文化研究センター
主催: 立教大学

「新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館」
旧江戸川乱歩邸 特別公開
2012年7月27日(金)・28日(土)・29日(日)・30日(月)
8月1日(水)・3日(金)・5日(日)・6日(月)・8日(水)
公開時間は10:30~16:00
※7月28日(土)は江戸川乱歩の命日により追加公開。ギャラリートークあり(申込不要 13:00~)。

「ホームカミングデー:旧江戸川乱歩邸特別公開」
旧江戸川乱歩邸 特別公開
2011年10月23日(日)10:00~16:00 立教大学旧江戸川乱歩邸
主催: 立教大学

「新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館」
旧江戸川乱歩邸 特別公開
2011年7月29日(金)・31日(日)
8月1日(月)・3日(水)・5日(金)・7日(日)・8日(月)・10日(水)
公開時間は10:30~16:00

「新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館」
旧江戸川乱歩邸 特別公開
2010年7月23日(金)・25日(日)・26日(月)・28日(水)・30日(金)
8月1日(日)・2日(月)・4日(水)
公開時間は10:30~16:00

「甦る乱歩の世界展」
2010年7月22日(木)~8月4日(水)東武百貨店池袋店6F1番地 美術画廊
10:00~20:00 7月28日、8月4日は16:30閉場

「乱歩・白昼夢」
2009年8月19日(水)~23日(日) 東京芸術劇場小ホール2 *本公演は終了しました。
主催:結城座

「大乱歩展」
2009年10月3日(土)~11月15日(日)  神奈川近代文学館展示室第2・3
主催: 神奈川近代文学館 立教大学 江戸川乱歩記念大衆文化研究センター

「乱歩歌舞伎:京乱噂鉤爪」
2009年10月4日(日)~10月27日(火)  国立劇場
主催: 国立劇場

「江戸川乱歩フォーラム:ミステリー小説講座」
2009年10月10日(土) 14:00~15:30(13:30開場)  立教大学タッカーホール
※乱歩邸特別公開は12:00~14:00、15:30~16:30です。
主催: 読売新聞社

「ホームカミングデー:乱歩邸特別公開」
2009年10月25日(日)  立教大学旧江戸川乱歩邸
主催: 立教大学
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