2018/12/14 (FRI)

日本学術振興会 特別研究員の新居洋子さんが「サントリー学芸賞 思想・歴史部門」および「渋沢・クローデル賞 本賞」を受賞

キーワード:研究活動

OBJECTIVE.

日本学術振興会 特別研究員の新居洋子さん(受入機関:立教大学/受入研究者:本学文学部 林 文孝 教授)の著書『イエズス会士と普遍の帝国——在華宣教師による文明の翻訳』(名古屋大学出版会、2017)が、第40回「サントリー学芸賞 思想・歴史部門」および第35回「渋沢・クローデル賞 本賞」を受賞しました。

新居洋子さんの受賞作『イエズス会士と普遍の帝国——在華宣教師による文明の翻訳』(名古屋大学出版会、2017)は、以下の2つの賞を受賞しました。
  • 公益財団法人サントリー文化財団「第40回サントリー学芸賞 思想・歴史部門」2018年12月
  • 公益財団法人日仏会館「第35回渋沢・クローデル賞 本賞」2018年7月

18世紀の清に滞在した宣教師アミオは、自らの見聞と古今中国の文献に基づき膨大な報告を西欧へ送り続けました。本書ではこれらの報告を読み解き、アミオが西欧へ伝えた中国文明とは、いかに当時の西欧と清それぞれの思潮との接続のなかで「翻訳」されたものだったのかを論じています。
サントリー学芸賞は公益財団法人サントリー文化財団により授与されるものです。「政治・経済」「芸術・文学」「社会・風俗」「思想・歴史」の4部門に分かれており、毎年、前年1月以降に出版された著作物を対象に選考し、広く社会と文化を考える、独創的で優れた研究、評論活動をされた方を顕彰しています。

渋沢・クローデル賞は日仏会館と読売新聞社が主催する学術賞です。日仏会館が創立 60 周年を迎えたのを機に、創立者 2 人を記念して、当会館と毎日新聞社との共催で、渋沢・クローデル賞が創設されました。これは日仏両国において、それぞれ相手国の文化に関してなされたすぐれた研究成果に対して贈られます。

コメント

COMMENT

日本学術振興会・特別研究員新居 洋子 さん

史料を読むしか能のない私ですが、アミオの報告がもつ妙な引力に導かれて一冊の本にするところまで漕ぎつけることができました。今年からお世話になっている立教大学では、日本キリスト教史研究の世界的大家である海老澤有道氏の蔵書が多数保存されていますが、その中には明代の在華宣教師が漢文で著したキリスト教の教理書なども多く含まれています。在華宣教師は明・清と西欧とのあいだに立ち、明・清から西欧へ、また西欧から明・清へという双方向の思想の伝播における翻訳者としての役割を担っていたのです。今後はこの双方向の翻訳へ視野を広げることによって、「あいだ」からみる思想史とでもいうべきものに取り組んでいきたいと思います。