2016/10/18 (TUE)

現代心理学部の山田哲子准教授が2016年度「質的心理学会論文賞(優秀着眼論文賞)」を受賞

キーワード:研究活動

OBJECTIVE.

現代心理学部心理学科の山田哲子准教授が、論文「知的障がいのある子どもを緊急に親元から離すプロセスとは ─在宅ケアを望んでいた親の施設利用に焦点を当てて」により、日本質的心理学会の2016年度「質的心理学会論文賞(優秀着眼論文賞)」を受賞しました。

同賞は、優秀な質的心理学研究や学会への貢献に対して授与される学会賞の一つで、前年度・前々年度に刊行された『質的心理学研究』掲載の論文より、毎年3編程度が選出されます。

山田准教授の論文は、知的障がいのある子どもを緊急に施設に預けざるを得なくなった体験を持つ母親にインタビュー調査を行い、複線径路・等至性モデルにより分析しています。また、知的障がい者の家族に対してどのような支援が求められるのか実践的な提案をしています。選考委員会からは「社会的要請が極めて高いテーマに着眼したものであり、その意義は大なるものがある」と高い評価を受けました。

授賞式は、9月24日・25日に開催された日本質的心理学会第13回大会にて執り行われました。

コメント

COMMENT

現代心理学部心理学科
山田哲子 准教授

このたび、日本質的心理学会2016年度「優秀着眼論文賞」をいただき、心より光栄に存じます。この論文は、「成人を迎えた知的障がい者の多くが家族と共に暮らしており、ケアテイカーの役割を担っている親の身に生じた緊急事態に伴って親子の生活場所の分離が生じやすい」という我が国の知的障がい者家族を取り巻く現状に着目したものです。「語り」というデータを、数量化せずに質的に分析を行うことで、当事者であるご家族が緊急事態で経験した心理や、どのように乗り越えていったのかという体験を丁寧に描き出したいと思いながら執筆していたことを覚えています。
今回の受賞は、つらい思い出も含めてご自身の貴重な体験を語ってくださった協力者の皆さまや、研究をより良いものにするためにたくさんのアドバイスをくださったお世話になった研究者の先生方のおかげです。今後も得られた知見を社会に還元し、少しでも多くの方のお役に立てるよう、研究と誠実に向き合いながらより一層精進してまいります。

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