2015/11/11 (WED)

理学部村田次郎教授らの論文が学術誌『Classical and Quantum Gravity』のハイライト論文に選出されました

キーワード:研究活動

OBJECTIVE.

理学部物理学科の村田次郎教授と理学研究科物理学専攻博士課程前期課程修了生の田中佐季さん(2014年3月修了)による共同論文「A review of short-range gravity experiments in the LHC era」が、学術誌『Classical and Quantum Gravity』(古典・量子重力)の2014~2015年ハイライト論文に選出されました。

『Classical and Quantum Gravity』は、古典・量子重力分野において世界で最も権威のある学術誌です。同誌に掲載された論文のうち、特に優れた論文が毎年編集委員会によりハイライト論文として選出されます。

論文概要

ヒッグス粒子を発見したLHC加速器(※)は、次の大きな目標として三次元を超える四次元以上の「余剰次元」の存在も探索しています。一方、小さな物体間に働く重力の大きさを精密に計測することで、余剰次元の証拠が、有名な万有引力の法則の破れとして発見される可能性もあります。

立教大学で進めてきた重力実験による余剰次元探索の結果も含めて、この論文では、さまざまなアプローチで進む余剰次元の探索を動機とした、万有引力の法則の検証実験を、統一された新たな評価方法で比較し、余剰次元の数に応じた最も有利な検証方法を明らかにしました。

とりわけ、原子スケールでの重力検証の方法は、この論文の中で初めて提案されたものですが、これは当時理学研究科の大学院学生だった田中佐季さんの修士論文の研究の一部として考案された内容です。

LHCから原子スケール、そして実験室スケールまでの非常な広範囲にわたる重力検証の状況を、統一的な視点で俯瞰した総合報告の論文です。

※LHC加速器(Large Hadron Collider):欧州原子核研究機構(CERN)に建設された世界最大級の大型ハドロン衝突型加速器。

なお、本研究は科学研究費補助金・挑戦的萌芽研究 「原子核スケールでの重力現象の探求」(村田次郎・2012-14年度 課題番号24654070)および立教大学学術推進特別重点資金・大学院生研究 (田中佐季・2013年度)の助成を受けたものです。

村田教授(左)と田中さん(右)原子核スケールでの重力の検証実験を行ったカナダのTRIUMF研究所にて