2013/05/01 (WED)プレスリリース

理学部望月祐志教授らの研究グループがナノ-バイオ境界を高精度に扱える設計ツールを新たに開発

キーワード:研究活動

OBJECTIVE.

本学理学部の望月祐志教授らの研究グループは、これまで主に理論創薬の分野で用いられてきたFMO法をナノ-バイオ複合系に適用する技術を新たに開発し、シリカ表面と微小タンパク質(ペプチド)の相互作用の大規模モデリングに応用することに成功しました。この手法を用いると、ナノ材料とタンパク質の親和性をアミノ酸の側鎖単位毎の高い空間解像度で定量的に評価することができます。これは、ナノ-バイオ界面の親和性評価のための解析ツールを世界で初めて電子状態レベルで実現したものです。

用いたペプチドは、人工的に設計された6つのアミノ酸残基からなるもので、シリカ表面を特異的に認識します。これをシリカ結晶のナノクラスターモデルに結合させ、水和条件を課した上で分散力を取り込める2次摂動レベルで計算しました。計算結果の解析から、3つの荷電残基がシリカ表面との相互作用において重要であることが示されました。こうした情報はペプチドの設計において有益な知見となります。

これらの成果は、ナノ-バイオの境界領域の問題に対して計算・シミュレーションの有用性を示すものです。生体親和性の高いインプラントの開発や医療分野での計測装置としてのバイオセンサーやナノイメージング、さらには生物に無機鉱物を作らせるバイオミネラリゼーションの研究開発に幅広く役立つと期待できます。

なお、本研究開発は本学の研究助成制度である立教SFR(立教大学学術推進特別重点資金)、「文部科学省次世代IT基盤構築のための研究開発“イノベーション基盤シミュレーションソフトウェアの研究開発”」(研究代表:加藤千幸教授)等の資金が活用されています。

4月30日(火)東京大学生産技術研究所にて、研究成果に関する記者発表が行われました。

【発表者】
立教大学理学部化学科 望月祐志教授
東京大学生産技術研究所 加藤千幸教授
みずほ情報総研株式会社サイエンスソリューション部 チーフコンサルタント 福澤薫氏