社会学専攻社会学研究科

OBJECTIVE.

「現場の知」である社会学を習得して社会のさまざまな現場に学び、提言する

社会学専攻は、2014年度から「プロジェクト科目」を導入し、体系的なカリキュラムを通して、人々が生きる現場、現代のアクチュアルな問題に対する高い感性を磨き、現場の視点に立って把握する能力、データを収集し実証的に調査・分析する能力、研究成果に基づいて実践的に提言する能力を備えた人材の育成をめざしています。

専攻のポイント

  • 社会学の広範な研究領域をカバーする

    立教大学社会学研究科は、各分野の第一人者というべき多くの研究者を擁しており、社会学専攻としては現在の日本で最大級の大学院です。社会学の研究領域はきわめて広範囲にわたりますが、理論的研究から実証的研究、基礎的研究から各分野の応用的研究に及ぶ多様なテーマをカバーできる、他にはない社会学系大学院ということができます。

  • 新しい教育プログラムへの取り組み

    博士課程前期課程では大学院生の希望により学外から兼任講師を招く「社会学特別講座」の開設、博士課程後期課程では研究科全体で実施する院生例会、公開の論文査読会の開催、より高い完成度をめざす新たな博士論文審査方式の実施など、教育プログラムの改革を進めています。特に、「現場の知」である社会学の研究能力を養成するために、2014年度から「プロジェクト科目」を開設し、プロジェクト型教育によるアクティブ・ラーニングを積極的に導入しています。

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首都圏23大学院との単位互換制度

本研究科は、首都圏にある社会学系大学院(国立3校、公立1校、私立18校)、聖路加国際大学大学院看護学研究科、および福島大学大学院地域政策科学研究科と単位互換協定を結んでいます。これらの大学院での関心ある授業を履修して、取得した単位を8単位まで修了要件単位とすることができます。また、この制度により他大学の多くの大学院生が本研究科の授業で学んでいます。こうした機会や、本学で頻繁に開催される研究会や学会などでの活動を通して、他大学の大学院生・教員との研究交流も活発に進められています。

専門社会調査士科目を開講

本研究科では、「専門社会調査士」資格に必要なH科目(調査企画・設計に関する演習[実習]科目)、I科目(多変量解析に関する演習[実習]科目)、J科目(質的調査法に関する演習[実習]科目)を毎年度開講しています。学部レベルの社会調査能力をもつことを前提として、これらの科目の単位をすべて取得し、社会調査結果を用いた研究論文(修士論文を含む)を執筆することにより、「専門社会調査士」の資格を取得することができます。

プロジェクト型教育の導入

本研究科では立教大学教育活動推進助成(立教GP)により、2010年度からプロジェクト型教育導入の試みを行ってきました。これは、大学院生と教員が特定課題の研究プロジェクトに取り組み、計画の策定、調査の実施、結果の分析、報告書の作成というプロセスを経験するなかで、社会学の研究能力を養成していく教育プログラムです。この実績を踏まえた2014年度改訂のカリキュラムでは、各教員の専門研究を学ぶ「セミナー科目」に加えて、「プロジェクト科目」を新設しました。現在は、
「国際的な人の移動と交流」「グローバル化時代の『越境移動』とメディアに関する研究」「『デジタル社会学』のリサーチデザイン」の3プロジェクトが開講されています。

社会学専攻専任教員/研究テーマ

  • 阿部 治 教授

    主要研究テーマ:環境教育・ESD(持続可能な開発のための教育)

    教員紹介

    持続可能な社会を主体的に担う人づくりをテーマに環境教育/ESDの政策研究や実践的研究に広範なステークホルダーと連携しながら広く取り組んでいる。特に近年は、文科省戦略的研究拠点形成支援事業などとリンクしながら「持続可能な開発・発展」指標とESD指標の統合研究や地域創生拠点形成に果たすESDの実証的研究を国内外のフィールド調査を通して展開している。またポスト国連ESDの10年やSDGsに果たすESDの役割、アジアにおける環境協力連携に関する調査・研究なども行っている。

  • 李 旼珍(イ ミンジン) 教授

    主要研究テーマ:労働社会学、比較労使関係論

    教員紹介

    研究関心は、労働者の主体性・自律・エンパワーメント、そして産業民主主義システムにある。具体的には、いかなる企業経営システム下で、またいかなる労働様式下で、労働者は主体として権限をもちながら自律的に働くことが出来るか、について研究関心をもっている。また、多様な雇用システム下で、企業と労働者とのパワー関係はどのように変わっているのか、仕事と家族の接点の問題、すなわちワークとライフのバランス問題はどんな様相を示しているのか、などのテーマについて、近年のグローバル化の進展と新自由主義の普及に着目し、アメリカ、日本、韓国の比較を視野に入れて、研究している。

  • 井川 充雄 教授

    主要研究テーマ:メディア社会学、メディア史

    教員紹介

    日本のマス・メディアの営為を実証的に明らかにすることにより、その社会的・政治的・文化的変容を歴史社会学的に解明することを研究テーマとしてきた。これまでは、とくに占領期におけるGHQのメディア政策を中心として、戦後のメディア・システムの構築のあり方に関する研究を行ってきた。近年は、メディア・イベント、世論調査、プロパガンダ、科学コミュニケーションといった観点から、戦後日本における世論や社会意識の形においてマス・メディアが果たしてきた役割について考察を行っている。また、1920年代から1945年までの日本の植民地を繋ぐ放送ネットワーク(とくに台湾のラジオ放送)や、1950~60年代の冷戦期における国際的なコミュニケーション、「広報外交」についての研究を進めている。

  • 生井 英考 教授(2018年度春学期研究休暇)

    主要研究テーマ:映像人類学、地域研究(北米)

    教員紹介

    専門は映像人類学と地域研究。前者においては、地誌・民族誌などの各種調査。写真や組織・団体等の保存映像、個人の家族アルバムにいたる歴史的なアーカイヴ映像の実地検証を中心に、「社会の境界」と「文化の境界」の一体化をめざす国民国家時代の想像力のなりたちに大きな関心を払ってきた。後者については、社会学・政治学・歴史学を主柱とする諸分野の協同と連携を重視した米国型の地域研究(area studies)の方法論と、その具体的な実践としてのアメリカ研究を機軸とする。異質性を前提とするアメリカ社会の「統合」と「多様性」をめぐる葛藤の事跡は、他の社会にとっても豊富な参照源たり得ると思われる。

  • 石井 香世子 准教授

    主要研究テーマ:国際社会学、エスニシティ論

    教員紹介

    専門はエスニシティ論とマイノリティ研究。現代社会をエスニック・マイノリティという背景を背負って生きる人々の、グローバルな社会空間での生存戦略とその意味に焦点を当てて研究している。とりわけ、国民国家のなかで周縁化・周辺化された人々が、グローバル社会でどのような活路を見出すことができるのか、もしくはさらなる周縁化・周辺化によって上書きされるのかという点に焦点を当てている。具体的な主題としては、東南アジア(タイ)を事例とした国際観光とエスニック・マイノリティ、東南アジアと東アジア(日本)をつなぐ社会空間を事例としたエスニック・マイノリティの越境移住という2つを実証的に分析している。これらを通じて、グローバル化の進展に伴う新たな階層化という主題を、エスニシティ論の側面から検証することを目標としている。

  • 井手口 彰典 准教授

    主要研究テーマ:音楽社会学、メディア文化論

    教員紹介

    現代における音楽文化の特徴について、社会学的な視点から考察している。これまでの研究では、たとえば情報通信テクノロジーの発達が我々の音楽聴取体験に及ぼす影響、あるいは近年急速な拡大を見せている「同人音楽」実践の可能性、といったテーマを中心に論じてきた。また最近では、戦後日本の「子どもの歌」(童謡やアニメソング等も含め)を、とりわけ当時の社会環境や文化的背景に注目しつつ再整理する課題に取り組んでいる。

  • 岩間 暁子 教授

    主要研究テーマ:家族社会学、格差論、マイノリティ論

    教員紹介

    専門は(1)家族社会学、(2)社会階層論、(3)「弱者」・マイノリティ論である。格差が拡大するなかで性別役割分業型の家族を成立させてきた社会経済的基盤は揺らぎ、家族の問題を社会階層論の観点から研究する必要性がますます高まっている。このような問題意識から(1)と(2)に関わっては、計量社会学的アプローチを用いて女性の階層分化、女性の就業が家族関係に与える影響などについて、ジェンダーの視点も導入しつつ、研究をしている。(3)については、「マイノリティ」概念やその保護政策のありようについて学際的・国際比較の観点から検討するとともに、「弱者」や「民族」といった関連する諸概念との関係を検討する作業を通じて、日本社会が「マイノリティ」と向き合うにあたっての課題は何なのか、を考えている。

  • 太田 麻希子 助教

    主要研究テーマ:都市、人文地理学、ジェンダー研究

    教員紹介

    グローバル資本主義とジェンダーの視点から都市空間を捉えることに関心を寄せている。これまでは、フィリピン・マニラ首都圏のスクオッター集落でフィールド調査を行ない、主に女性の労働と移動、住民組織活動について考察してきた。近年は、マニラにおける産業立地の変化と不均等発展、女性の労働・居住の変容について、フィールド・データとマクロ統計をはじめとする文献・資料に基づきながら調査・研究を行なっている。

  • 小倉 康嗣 准教授

    主要研究テーマ:ライフストーリー研究、生の社会学

    教員紹介

    ライフストーリー研究を中軸にすえ、持続可能な人生とそれを可能にする「生きる場」を再構築していくための文化社会学的研究、そして自らの実存やエピファニー経験から社会にアプローチしていく社会学を基本的なテーマとしている。これまでは、再帰的近代化論を踏まえつつ、現代社会における生(life)のありようやその意味感覚の変容について、エイジングやマイノリティをめぐるフィールドで調査研究してきた。現在は「非被爆者にとっての〈原爆という経験〉——その人間的・社会的意味」を中心的なテーマとして調査研究を進めている。また、そこで生成される知を社会的実践・社会的連帯につなげていくための方法論として、ライフストーリーを〈対話と熟議の社会学〉へと展開させていく術を模索している。

  • 木下 康仁 教授(2018年3月退職予定)

    主要研究テーマ:社会老年学、成熟社会論

    教員紹介

    研究分野ではエイジングとケアの社会学、社会老年学、成熟社会論、医療社会学、それにグラウンデッド・セオリー・アプローチを中心とした質的研究法である。大都市郊外地域をフィールドに高齢化諸問題と地域社会との関係を多角的に研究している。また、スウェーデン、オーストラリア、ニュージーランドを対象に福祉国家における一連の改革に関する国際比較も行っている。 現代社会の特性を、老いの諸相の研究、老いの比較文化的研究などを通して明らかにしようと試みている。高齢化の影響や老いの問題は高齢者だけでのことではなく、歴史性を背景にもち社会全体の在り方や全年齢層に関わる問題であることを理解してもらえるように工夫している。

  • 木村 忠正 教授

    主要研究テーマ:メディア・コミュニケーション論、ネットワーク社会論

    教員紹介

    インターネットを中心としたデジタルネットワークの社会的普及に伴う社会文化の変容を複合的に探究している。ミクロの観点からは、デジタルネイティブ世代を対象としたソーシャルメディア利用等のメディア・コミュニケーション研究、マクロの観点からは、グローバルな富・リスクの産出・分配システムの変化と日本社会の方向性を中心としたネットワーク社会論が中核であり、両者の観点を組み合わせたネット世論研究も主たるテーマである。研究対象地域は、日本、北米、北欧、オランダ、韓国、中国を主としている。文化人類学、社会学を基盤としながら、比較制度分析、文化次元論、道徳基盤理論、ネットワーク科学など多様な領域との対話、並びに、理論と実証、質的研究と量的研究との対話を介して領域横断的知の生成を志向する。

  • 木村 自 准教授

    主要研究テーマ:文化人類学、ディアスポラ研究、地域研究(中華圏)

    教員紹介

    専門は文化人類学、ディアスポラ研究、中華圏地域研究。東アジア(台湾、中国)、東南アジア(ミャンマー)を対象地域として、(1)中国系ディアスポラ研究および(2)マイノリティとの共生について、文化人類学的フィールドワークに基づき研究している。(1)については、複数地域(multi-sited)での調査を基盤として、国境を越えてつながる華僑華人のディアスポラ空間の文化的諸相を研究し、移民論、ディアスポラ論の理論構築を進めている。(2)については、中国のエスニック・マイノリティ(とくにイスラーム系少数民族)と台湾の視覚障害者を対象として調査し、中華圏地域におけるマイノリティとマジョリティとの共生に関する文化的基盤を研究している。

  • 小池 靖 准教授

    主要研究テーマ:宗教社会学、心理主義論

    教員紹介

    研究分野は宗教社会学、心理主義論、文化社会学。特に精神世界、ニューエイジ運動、スピリチュアル・ブーム、自己啓発、自助グループ、ポップ心理学などをフィールドに研究をしてきた。宗教と非宗教の境界線上に位置する文化を分析することにより、現代人の規範・人間像・世界観を探ることを目指している。近年は、テレビメディアにおける宗教情報や、公共圏・親密圏とスピリチュアリティとの関係などについても調査中である。講義では映像も用いながらわかりやすい解説を、演習ではフィールド調査などを通じて自己や他者についてのより良い認識を獲得することを目標としている。

  • 小泉 元宏 准教授

    主要研究テーマ:文化社会学、文化政策研究、現代芸術論

    教員紹介

    専門は、文化社会学、文化政策研究、現代芸術論。特に、近現代における美術・音楽・映像などの諸芸術・文化と、政治的・経済的・社会的諸主体との関係性や、その変容について、文化理論研究やフィールドワーク、社会調査、さらに実践的な活動などを通じて研究している。これまでの研究では、国家や地方自治体等によるソフトパワーや創造都市、創造産業への着目、あるいは(特に日本や韓国、台湾における)少子・高齢化の進展などの社会背景のなかで隆盛する、国際展(ビエンナーレ、トリエンナーレ)やアートプロジェクトを主な研究対象とし、それらの場におけるアーティストや市民による文化生産の政治性や意義について論じてきた。近年は、アーティスト・ラン・スペースなどのオルタナティヴ・スペースに関する調査研究も進めている。

  • 是永 論 教授

    主要研究テーマ:情報行動論、エスノメソドロジー

    教員紹介

    情報行動論を専門とし、日本社会における情報行動の動態を把握するとともに、メディアを用いて行われるコミュニケーションについて、エスノメソドロジーの視点から分析を行なっている。具体的な研究領域としては、前者については移動中や移動空間におけるメディア利用の研究を行なっている。後者については、家庭や職場などで行われる、道具やメディアを介在したコミュニケーションをエスノグラフィーやビデオ分析の手法で研究するほか、マスメディアにおける記事やトークなどの言説を量的あるいは質的なテキスト分析の手法により研究している。

  • 貞包 英之 准教授

    主要研究テーマ:消費社会論、歴史社会学、現代社会論

    教員紹介

    「消費社会化」は、1)人びとの暮らしや欲望のあり方を過去においていかに変え、2)また現在、いかに揺さぶっているのか。フォーディズム的大量生産を前提に形成された労働・消費のシステム化が変容をみせつつある現在、それらを測量することは、社会を具体的に知るために肝要になると考えられる。そのために、1)18、19世紀日本の家族関係のあり方や商業環境にかかわる私的な欲望の過去の変容を歴史的に分析するとともに、2)住宅や生命保険、地方都市の暮らし、マンガやアニメを中心とするサブ・カルチャーといった、しばしば消費社会化に逆らうと考えられている臨界的または境界的な大衆現象から、現在の消費社会の可能性と限界を探ることに努めている。

  • 砂川 浩慶 教授

    主要研究テーマ:メディア制度・産業論

    教員紹介

    放送を中心とする、メディア産業、メディア政策・法制度、ジャーナリズム論、コンテンツ流通などを研究テーマとする。変革期にあるメディアの動きをフォローしながら、メディアがもつジャーナリズム機能、技術革新、特にデジタル化が及ぼす市民社会への影響、メディアリテラシーなども含め、実践的な研究を行っている。

  • 関 礼子 教授

    主要研究テーマ:環境社会学

    教員紹介

    環境社会学、地域環境論。環境を通して社会にアプローチする研究手法。公害病問題や開発がもたらす地域社会へのインパクト、人と自然とのかかわりなどについて、フィールド調査をもとに研究を進めてきた。現在の調査テーマは、公害問題など個的かつ社会的出来事の経験・記憶の現在性と継承性、自然とのかかわりが育む文化と地域本位の観光形成、環境と災害研究。

  • 高木 恒一 教授

    主要研究テーマ:都市空間構造研究、ハウジング研究

    教員紹介

    専門は都市社会学であり、そのなかでも特に空間に焦点を当てた研究を行っている。これまで、GIS(地理情報システム)を用いた空間構造を分析するとともに、都心再開発地域や郊外における計画的に作られた住宅地の社会空間のフィールドワークを実施し、研究を積み重ねてきた。近年は空間構造を形成する要因としての都市政策に関心を持ち、特に都市住宅政策の検討を行っている。都市住宅政策の分析に当たっては近年開拓が進んでいるハウジング論の成果を積極的に導入している。

  • 西山 志保 教授(2018年度春学期海外研究)

    主要研究テーマ:地域社会学、コミュニティ・ガバナンス論

    教員紹介

    専門は都市社会学、地域社会学で、都市政策とコミュニティ・ガバナンスの国際比較を中心に研究を行っている。グローバル化の進展に伴う都市間競争の中で打ち出されている様々な都市政策が、コミュニティ形成に与えるインパクトを、国際比較の視点から研究している。とりわけ日本、ヨーロッパ、アメリカの現状をふまえ、福祉国家の転換や政治状況によって変化する都市政策を背景にして、ボランティアやNPO/NGO、社会的企業など市民社会組織が、行政と協働(パートナーシップ)関係を取り結びながら、どのように持続可能なコミュニティづくりに取り組んでいるのか、理論的—実証的に検討している。これらを通して、日本で"新しい公共性"の基盤づくりを促す都市政策とコミュニティづくりについての戦略とヴィジョンを示していくことを目指している。

  • 野呂 芳明 教授

    主要研究テーマ:社会政策論、福祉社会学

    教員紹介

    主な研究分野としては、都市社会学、地域社会学、福祉社会学と呼ばれるエリア。より具体的には、都市社会のさまざまな生活場面で生成するニーズと地域政策・福祉政策などとの相互関連性に関する調査研究を行っている。たとえば、地域に暮らす高齢者のニーズと福祉施策の関連、まちづくりの活動と地域政治・行政との関連など。ここで展開される利害関係者間の討議や合意形成のあり方、帰結などについて、関連データの収集・分析とフィールドワークに根ざしながら、実証的に検討を進めている。それを通して、差異化・階層化に向かう都市空間の今後や戦略について見通していければと考えている。

  • 橋本 晃 教授

    主要研究テーマ:ジャーナリズム研究、ジャーナリズム史

    教員紹介

    欧米ジャーナリズム思想史を研究している。英米を主舞台に、言論・プレスの自由、プレスの独立、客観報道、社会的責任といった諸理念、また逆三角形の記事スタイルなどの約束事が当該社会との相互影響関係のもとで形成され、世界各国でスタンダードとなっているが、そうした理念、文法の生成過程を史料に基づき実証的に分析している。ここ数年は、19世紀末、米国シカゴの新聞人らの手になる書簡類や社内文書等の分析を通じて、プレスの独立理念の生成過程を研究。事実や政治・経済・国際問題の分析を掲載する高級紙と娯楽やスキャンダルを提供する大衆紙の同根性を見出した。今後は欧州にも目を向け、プレスの自由理念のもう一つの発祥の地ながら、英米流のスタンダードとは異なる歴史を歩んできたフランスのジャーナリズムがどのようなジャーナリズム諸理念を生み出してきたのか、また米国流のジャーナリズム理念が彼の地にどのように受け入れられてきたかを探求してゆく。

  • 黄 盛彬(ファン ソンビン) 教授

    主要研究テーマ:ニュースと世論の社会学、国際コミュニケーション論

    教員紹介

    メディア研究・文化研究。グローバル化の下での「メディアと文化をめぐる政治」をテーマとしている。政治・外交に限らず、ポピュラーカルチャーやスポーツなど多岐にわたるメディア報道におけるナショナル・アイデンティティと他者認識の表象について関心があり、欧米における「東アジアおよび日本のイメージ」、また日本における「アジア認識」などについて調査研究を展開してきた。最近注目しているのは、「歴史ドラマ」と「メディア・スポーツ」であり、その物語が紡ぎだすアイデンティティと他者認識、また複数の他者認識の相互関連について、地政学的視点を加えて解明する研究に着手している。

  • 松本 康 教授

    主要研究テーマ:都市社会学

    教員紹介

    専門は都市社会学、とくに(1)都市住民の社会的ネットワークに関する研究(2)大都市における都市社会構造の変容に関する研究、(3)シカゴ学派都市社会学に関する学説史的研究を進めてきた。(1)については、都市下位文化理論の日本における適用可能性を実証的に検討するなかで、ネットワークの「構造化」という観点から都市化とコミュニティの変容を捉えようとしている。(2)については、日本の大都市圏における「再都市化」のメカニズムをグローバル情報経済と産業構造の変容といった社会経済的条件と、人口動態のような人口学的条件とを結びつけて研究している。(3)については、米国やシカゴの社会変化と結びつけてシカゴ社会学の展開を解釈してきた。

  • 水上 徹男 教授

    主要研究テーマ:グローバル社会論、マイグレーション論

    教員紹介

    トランスナショナリズムやエスニック・コミュニティの変容などが主な研究テーマである。エスニシティの多様化と関連した社会変動に対応する政策や外国人住民の支援にかかわるNGOの取り組みなども対象としてきた。これまでは、オーストラリアのエスニック・コミュニティを調査対象としたフィールドワークを実施してきたが、 近年は、バングラデシュにおいて日本からの帰還者を対象とした 聞き取りや東京のエスニック・コミュニティとそのトランスナショナルなネットワーク形成に関する調査および移住者と関連する社会的結束性の研究も行っている。

  • 村瀬 洋一 准教授

    主要研究テーマ:計量社会学、社会階層論

    教員紹介

    専門分野は計量政治社会学と社会階層研究である。最近の主なテーマは、民主主義社会における政治的影響力の不平等、人間関係の実証分析と各種の格差問題等。その他、社会構造の国際比較をしつつ、不平等に関する意識や社会の評価、参加行動、政治意識や権威主義、社会的地位の測定、環境意識と環境配慮行動などについて分析している。研究手法としては、統計的社会調査とデータ分析を重視している。ネットワークと社会意識に関して独自の社会調査を日本と韓国において行ったほか、中国や台湾、香港等における社会調査の実情を調べている。分析法に関しては、社会調査データに関する多変量解析の中でも、構造方程式モデル(SEM;共分散構造分析)やHLM(Hierarchical Linear Model)、ロジスティック回帰分析などを扱っている。

  • 吉澤 夏子 教授

    主要研究テーマ:現代社会理論、ジェンダー論

    教員紹介

    基礎理論的な領域では、現象学的社会学やルーマンの社会システム論に依拠し、「他なるもの」(=他者)との関係や時間と意味の生成における「自己指示性」という概念を手がかりに、社会システムの存立を可能にする微細なメカニズムを考察してきた。また現代社会論的な領域では、近代から現代への微妙な社会変容の実態に照準し、思想としてのフェミニズムの現代的困難、「趣味」としての現代家族の在り方、ジェンダーの社会的構成、ジェンダーの権力などを主題化し、主としてフェミニズム論・ジェンダー論の視点から現代社会の「現代性」の在り処を探ってきた。現在の研究課題は、「心の自由な空間」としての「個人的なものの領域」という概念を理論的に精緻化し、その重要性を具体的な社会現象の分析を通じて明らかにすることである。

  • 林 怡蕿 (リン イーシェン) 准教授

    主要研究テーマ:エスニック・メディア研究、オルターナティブ・メディア研究

    教員紹介

    社会運動、公共圏、多文化主義などの理論概念を用いて、現代におけるマスメディアの機能的・構造的欠陥を把握しつつ、エスニック・メディアやオルターナティブ・メディアの可能性について実証的、理論的に研究している。ケースとして台湾のエスニック・メディアと放送制度のあり方について研究してきた。東アジアにおける放送産業構造の変容とジャーナリズムのプロフェッションとの関連について国際比較研究にもたずさわってきた。近年は特にメディア言説における「他者」の表象問題に取り組んでいる。ケースとしては、華僑・華人などのディアスポラとメディアとの関わりに注目し、華僑・華人社会における文化や言語、アイデンティティの形成と変容を中心に研究している。

  • 和田 伸一郎 准教授

    主要研究テーマ:デジタル・メディア研究、情報社会論

    教員紹介

    専門分野は、デジタル・メディア論、情報社会論である。インターネット、モバイル端末、SNS等において実現されているクラウド・コンピューティング環境において、今後、私たちの《社会》はどのように変化しうるかを、「現代思想」の諸理論を基盤としながら、〈国家〉、〈グローバル市場経済〉、〈情報財の生産〉、〈創造行為〉という4つの論点から研究を行っている。最近の関心として、以上の研究の理論的基礎となりうる《デジタル人文学》の可能性を、〈ソフトウェア・スタディーズ〉等といった新領域に立脚しながら考えている。