社会学専攻社会学研究科/池袋キャンパス

OBJECTIVE.

社会の変化のさまざまな面をグローバルな視点からとらえる

社会学研究科は、2018年度から前期課程のカリキュラムを一新、グローバル化の進む世界で進行するさまざまな社会の変化をとらえ、国際的に通用性のある研究に取り組めるようにしました。必修科目として社会学基礎論、選択科目として調査法科目、プロジェクト科目、基礎科目、さらに自由科目として発展科目などの履修を通じて、現代社会のアクチュアルな問題に斬り込む能力、データを収集し実証的に調査・分析する能力、研究成果に基づいて実践的に提言する能力を備えた人材の育成をめざしています。

専攻のポイント

  • 社会学の広範な研究領域をカバーする

    立教大学社会学研究科は、各分野の第一人者というべき多くの研究者を擁しており、社会学専攻としては現在の日本で最大級の大学院です。社会学の研究領域はきわめて広範囲にわたりますが、理論的研究から実証的研究、基礎的研究から各分野の応用的研究、さらには文化人類学やカルチュラル・スタディーズなど周辺領域に及ぶ多様なテーマをカバーできる、他にはない社会学系大学院といえます。

  • メディア研究も充実

    本研究科がカバーする領域のひとつにメディア研究があります。この分野で実績のある約10人のメディア研究者が在籍し、メディア史、ジャーナリズムスタディーズ、デジタル・メディア、オルタナティブ・メディア、ウェブ・スタディースなど、多くは発展科目として、メディア・コミュニケーション・ジャーナリズム領域の諸科目を展開しています。

Pick
up

首都圏22大学院との単位互換制度

本研究科は、首都圏にある社会学系大学院(国立3校、公立1校、私立17校)、聖路加国際大学大学院看護学研究科と単位互換協定を結んでいます。これらの大学院での関心ある授業を履修して、取得した単位を8単位まで修了要件単位とすることができます。また、この制度により他大学の多くの大学院生が本研究科の授業で学んできました。こうした機会や、本学で頻繁に開催される研究会や学会などでの活動を通して、他大学の大学院生・教員との研究交流も活発に進められています。

専門社会調査士科目を開講

本研究科では、「専門社会調査士」資格に必要なH科目(調査企画・設計に関する演習[実習]科目)、I科目(多変量解析に関する演習[実習]科目)、J科目(質的調査法に関する演習[実習]科目)を毎年度開講しています。学部レベルの社会調査能力をもつことを前提として、これらの科目の単位をすべて取得し、社会調査結果を用いた研究論文(修士論文を含む)を執筆することにより、「専門社会調査士」の資格を取得することができます。

プロジェクト型教育

本研究科ではアクティブ・ラーニングに基いたプロジェクト型教育に力を入れており、そのための教育プログラムとして「プロジェクト科目」を開講しています。これは大学院生と教員が特定課題の研究プロジェクトに取り組み、計画の策定、調査の実施、結果の分析、報告書の作成というプロセスを経験する中で、社会学の研究能力を養成するものです。開講内容は年度ごとに異なりますが、2023年度には「国際的な人の移動と交流」「『デジタル社会学』のリサーチデザイン」「文化の社会学:消費社会における物質文化と身体技術」「東アジアのメディア・ジャーナリズム研究」の4プロジェクトがありました。

社会学専攻専任教員/研究テーマ

  • 橋本 晃 教授

    主要研究テーマ:メディア表象論、メディア社会文化史

    教員紹介

    人間・社会を取り巻くようにあまねく存在するメディアの表象・文化を通じて、近現代、近未来のわれわれの集合意識、認識・思考の枠組みのありようと変容を解読している。また、アメリカとフランスを中心とするヨーロッパ、そして日本を舞台に、ジャーナリストのプロフェッション(専門職)の成立過程を歴史的に分析。誰もが発信可能なネット時代にそのプロフェッションがどのように変容していくかを、語り・記事のスタイル(文体)の変容とともに分析している。

  • 本多 真隆 准教授

    主要研究テーマ:家族社会学、歴史社会学、家族研究学説史

    教員紹介

    家族社会学、歴史社会学を専門とし、近現代日本の「家族」に関する言説の変遷を研究している。特に「公」と「私」を切り口として、社会政策と家族観の関連、セクシュアリティと家族観の関連などを扱ってきた。また、家族機能の外部化に関する質的調査研究、「家族」概念に関する学説史研究や理論研究にも取組み、現代社会の「家族」を捉えるための枠組みの解像度をあげることを目指している。

  • 黄 盛彬(ファン ソンビン) 教授

    主要研究テーマ:ニュースの社会学、国際コミュニケーション論

    教員紹介

    ニュースと世論現象への質的言説分析。政治・外交に関するニュースに限らず、ポピュラーカルチャーやスポーツなど多岐にわたるメディア言説に注目してきた。そこでのナショナル・アイデンティティと他者認識の表象について主たる関心がある。文化・メディアのグローバル化に関する研究にも取り組んでいる。韓流ドラマやK-POP、そして日本発のポピュラーカルチャーのトランスナショナルな流行現象に注目しつつ、政治経済学、メディア産業論、オーディエンス論などを統合するアプローチを模索している。

  • 李 旼珍(イ ミンジン) 教授

    主要研究テーマ:労働社会学、比較労使関係論

    教員紹介

    研究関心は、労働者の主体性・自律・エンパワーメント、そして産業民主主義システムにある。具体的には、いかなる企業経営システム下で、またいかなる労働様式下で、労働者は主体として権限をもちながら自律的に働くことが出来るか、について研究関心をもっている。また、多様な雇用システム下で、企業と労働者とのパワー関係はどのように変わっているのか、仕事と家族の接点の問題、すなわちワークとライフのバランス問題はどんな様相を示しているのか、などのテーマについて、近年のグローバル化の進展と新自由主義の普及に着目し、アメリカ、日本、韓国の比較を視野に入れて、研究している。

  • 井手口 彰典 教授

    主要研究テーマ:音楽社会学

    教員紹介

    現代における音楽文化の特徴について、社会学的な視点から考察している。これまでの研究では、たとえば情報通信テクノロジーの発達が我々の音楽聴取体験に及ぼす影響、あるいは近年急速な拡大を見せている「同人音楽」実践の可能性、といったテーマを中心に論じてきた。また最近では、戦前・戦後の日本の「子どもの歌」(唱歌・童謡やアニメソング等も含め)を、とりわけ当時の社会環境や文化的背景に注目しつつ再整理する課題に取り組んでいる。

  • 井川 充雄 教授

    主要研究テーマ:メディア社会学、メディア史

    教員紹介

    日本のマス・メディアの営為を実証的に明らかにすることにより、その社会的・政治的・文化的変容を歴史社会学的に解明することを研究テーマとしてきた。これまでは、とくに占領期におけるGHQのメディア政策を中心として、戦後のメディア・システムの構築のあり方に関する研究を行ってきた。近年は、メディア・イベント、世論調査、プロパガンダ、科学コミュニケーションといった観点から、戦後日本における世論や社会意識の形成においてマス・メディアが果たしてきた役割について考察を行っている。また、1920年代から1945年までの日本の植民地を繋ぐ放送ネットワーク(とくに台湾のラジオ放送)や、1950~60年代の冷戦期における国際的なコミュニケーション、「広報外交」についての研究を進めている。

  • 石井 香世子 教授

    主要研究テーマ:国際社会学、エスニシティ論

    教員紹介

    専門はエスニシティ論とマイノリティ研究。現代社会をエスニック・マイノリティという背景を背負って生きる人々の、グローバルな社会空間での生存戦略とその意味に焦点を当てて研究している。とりわけ、国民国家のなかで周縁化・周辺化された人々が、グローバル社会でどのような活路を見出すことができるのか、もしくはさらなる周縁化・周辺化によって上書きされるのかという点に焦点を当てている。具体的な主題としては、東南アジア(タイ)を事例とした国際観光とエスニック・マイノリティ、東南アジアと東アジア(日本)をつなぐ社会空間を事例としたエスニック・マイノリティの越境移住という2つを実証的に分析している。これらを通じて、グローバル化の進展に伴う新たな階層化という主題を、エスニシティ論の側面から検証することを目標としている。

  • 石川 良子 教授

    主要研究テーマ:ライフストーリー研究

    教員紹介

    フィールドワークを基盤に、インタビューを通して語り手の〈ライフ〉を捉えること、また聞き手自身の〈ライフ〉および語り手と聞き手のせめぎ合いにも目を向け、両者がともに生きている社会を描き出すことが課題である。20年以上にわたって「ひきこもり」のフィールドワークを継続してきた。近年は関心の幅が広がっており、様々な領域・場所に足を運んでいるが、通底するのは人をいかなる基準であれ序列化し、下に位置づけた者の存在を無視するような社会のあり方に対する憤りである。自分とは異なる人生を歩み、異なる価値観を培ってきた他者といかに折り合いをつけることができるのか、他者と出来る限りフラットに関わっていくためにはどうすればよいのだろうか。このことを問うていきたい。

  • 片上 平二郎 准教授

    主要研究テーマ:理論社会学、アイデンティティ論/コミュニケーション論、現代文化批評

    教員紹介

    専門は理論社会学と現代文化論である。テオドール・アドルノに代表されるフランクフルト学派の批判的社会理論に依拠しながら、社会的暴力や権力に対する問題、アイデンティティとコミュニケーションの問題、現代文化や芸術の可能性などに対する考察を組み合わせながら研究を行ってきた。社会理論的視座を用いて、現代文化について考察する作業も行っている。

  • 川畑 泰子 准教授

    主要研究テーマ:Webスタディース、計量文献学

    教員紹介

    これまで可視化されにくかった社会現象におけるメカニズムを理解するWeb Scienceの分野の研究は急激に成長を遂げている。私たちの社会生活を構成しうる情報の交流の速度もますます加速する中で、歴史的背景からWeb上の情報の変遷とそれらを取り巻く社会の変化を多様なアプローチによって紐解いていくことを目標としている。

  • 木村 自 教授

    主要研究テーマ:文化人類学、ディアスポラ研究、地域研究(中華圏)

    教員紹介

    専門は文化人類学、ディアスポラ研究、中華圏地域研究。東アジア(台湾、中国)、東南アジア(ミャンマー)を対象地域として、(1)中国系ディアスポラ研究および(2)マイノリティとの共生について、文化人類学的フィールドワークに基づき研究している。(1)については、複数地域(multi-sited)での調査を基盤として、国境を越えてつながる華僑華人のディアスポラ空間の文化的諸相を研究し、移民論、ディアスポラ論の理論構築を進めている。(2)については、中国のエスニック・マイノリティ(とくにイスラーム系少数民族)と台湾の視覚障害者を対象として調査し、中華圏地域におけるマイノリティとマジョリティとの共生に関する文化的基盤を研究している。

  • 木村 忠正 教授

    主要研究テーマ:メディア・コミュニケーション論、ネットワーク社会論

    教員紹介

    インターネットを中心としたデジタルネットワークの社会的普及に伴う社会文化の変容を複合的に探究している。ミクロの観点からは、デジタルネイティブ世代を対象としたソーシャルメディア利用等のメディア・コミュニケーション研究、マクロの観点からは、グローバルな富・リスクの産出・分配システムの変化と日本社会の方向性を中心としたネットワーク社会論が中核であり、両者の観点を組み合わせたネット世論研究も主たるテーマである。研究対象地域は、日本、北米、北欧、オランダ、韓国、中国を主としている。文化人類学、社会学を基盤としながら、比較制度分析、文化次元論、道徳基盤理論、ネットワーク科学、文化進化・二重継承論など多様な領域との対話、並びに、理論と実証、質的研究と量的研究との対話を介して領域横断的知の生成を志向する。

  • 小池 靖 教授

    主要研究テーマ:宗教社会学

    教員紹介

    研究分野は宗教社会学、心理主義論、文化社会学。特に精神世界、ニューエイジ運動、スピリチュアル・ブーム、自己啓発、自助グループ、ポップ心理学などをフィールドに研究をしている。宗教と非宗教の境界線上に位置する文化を分析することにより、現代人の規範・人間像・世界観を探ることを目指している。講義では映像も用いながらわかりやすい解説を、演習ではフィールド調査などを通じて、自己や他者、社会についてのより良い認識を獲得することを目標としている。

  • 小泉 元宏 教授

    主要研究テーマ:芸術・文化の社会学、文化政策研究、現代芸術論

    教員紹介

    専門は、文化社会学、文化政策研究、現代芸術論。特に、近現代における美術・音楽・演劇・映像・サブカルチャーなどの諸芸術・文化と、政治的・経済的・社会的諸主体との関係性や、その変容について、文化理論研究やフィールドワーク、社会調査、さらに実践的な活動などを通じて研究している。これまでの研究では、国家や地方自治体等によるソフトパワーや創造都市、創造産業への着目、あるいは(特に日本や韓国、台湾における)少子・高齢化の進展などの社会背景のなかで隆盛する、芸術祭や、国際展(ビエンナーレ、トリエンナーレ)、アートプロジェクトを主な研究対象とし、それらの場におけるアーティストや市民による文化生産の政治性や意義について論じてきた。その他、アート・スペースや、オルタナティヴ・スペースなどに関する調査研究も進めている。

  • 是永 論 教授

    主要研究テーマ:情報行動論、エスノメソドロジー

    教員紹介

    情報行動論を専門とし、日本社会における情報行動の動態を把握するとともに、メディアを用いて行われるコミュニケーションについて、エスノメソドロジーの視点から分析を行なっている。具体的な研究領域としては、趣味的な文化活動における社会的な状況やメディア利用を量的なデータを用いて研究するほか、家庭や職場などで行われる、道具やメディアを介在したコミュニケーションをエスノグラフィーやビデオ分析の手法で研究するとともに、マスメディアにおける記事やトークなどの言説を量的あるいは質的な手法によって分析している。

  • 林 怡蕿(リン イーシェン) 教授

    主要研究テーマ:ジャーナリズム、オルターナティブ・メディア研究

    教員紹介

    社会運動、公共圏、多文化主義などの理論概念を用いて、現代におけるマスメディアの機能的・構造的欠陥を把握しつつ、エスニック・メディアやオルターナティブ・メディアの可能性について実証的、理論的に研究している。ケースとして台湾のエスニック・メディアと放送制度のあり方について研究してきた。東アジアにおける放送産業構造の変容とジャーナリズムのプロフェッションとの関連について国際比較研究にもたずさわってきた。近年は特にメディア言説における「他者」の表象問題に取り組んでいる。ケースとしては、華僑・華人などのディアスポラとメディアとの関わりに注目し、華僑・華人社会における文化や言語、アイデンティティの形成と変容を中心に研究している。

  • 前田 泰樹 教授(2024年度研究休暇)

    主要研究テーマ:エスノメソドロジー、医療社会学

    教員紹介

    エスノメソドロジーを中心とした質的研究の考え方のもとで、私たちの行為や経験を理解可能にしている「人々の方法論」を探求している。博士論文までは、他者理解の問題のように、哲学や理論において論じられてきた問題を、人々の実践の側に差し戻すことで、医療の実践に参加する人々自身の問題として捉え返していく調査研究を行ってきた。現在は、新しい専門的知識と折り合いをつけていく方法を明らかにする「遺伝学的知識と病い経験の語り研究」と、ワークプレイスにおいて複数の参加者たちが協働作業を行っていく方法を明らかにする「急性期病院におけるワークの研究」の二つを中心に、調査研究を行っている。

  • 三輪 哲 教授

    主要研究テーマ:計量社会学、階級・階層・移動

    教員紹介

    計量社会学を専門分野としている。質問紙による社会調査をはじめ、公的統計の二次利用、実験計画法(要因配置サーヴェイ実験を含む)などのデータ収集法や、カテゴリカルデータ分析、パネルデータ分析、潜在構造分析などのデータ分析技法にも関心を有している。理論的には、社会階級・階層・移動の社会学に基礎をおいている。とりわけ、広義の社会移動(親子間での世代間移動のほか、キャリアを通しての世代内移動、夫婦ないし夫婦の親世代での階層同類婚など)の趨勢および国際比較研究を焦点として、研究を行っている。

  • 水上 徹男 教授

    主要研究テーマ:移住の社会学、グローバル社会論

    教員紹介

    エスニック・コミュニティの変容などが主な研究テーマである。エスニシティの多様化と関連した社会変動に対応する政策や外国人住民の支援にかかわるNGOの取り組みなども対象としてきた。これまでは、オーストラリアのエスニック・コミュニティを調査対象としたフィールドワークを実施してきたが、近年は、バングラデシュにおいて日本からの帰還者を対象とした聞き取りや東京のエスニック・コミュニティとそのトランスナショナルなネットワーク形成に関する調査および移住者と関連する社会的結束性の研究も行っている。

  • 中澤 渉 教授

    主要研究テーマ:教育社会学、社会階層論、計量社会学

    教員紹介

    教育社会学、社会階層論が専門で、主として質問紙調査に基づくデータに統計的な分析を行うことで、日本社会の不平等、教育と労働市場の関係、教育をめぐる人々の意識などを解明することを目指してきた。近年は、日本の教育費(特に就学前教育と高等教育)の私費負担が非常に大きいことに着目し、そうした構造を生み出した歴史的経緯や原因について、人々の意識、教育と労働市場との関係などから探ることに重点を置いている。

  • 西山 志保 教授

    主要研究テーマ:地域社会学、都市社会学、官民連携によるまちづくり論

    教員紹介

    専門は都市社会学、地域社会学で、都市政策とコミュニティ・ガバナンスの国際比較を中心に研究を行っている。グローバル化の進展に伴う都市間競争の中で打ち出されている様々な都市政策が、コミュニティ形成に与えるインパクトを、国際比較の視点から研究している。とりわけ日本、ヨーロッパ、アメリカの現状をふまえ、福祉国家の転換や政治状況によって変化する都市政策を背景にして、行政と企業、市民が協働(パートナーシップ)関係を取り結びながら、どのように持続可能なコミュニティづくりに取り組んでいるのか、理論的—実証的に検討している。これらを通して、日本で"新しい公共性"の基盤づくりを促す都市政策とコミュニティづくりについての戦略とヴィジョンを示していくことを目指している。

  • 野呂 芳明 教授

    主要研究テーマ:社会政策論、福祉社会学

    教員紹介

    主な研究分野としては、都市社会学、地域社会学、福祉社会学と呼ばれるエリア。より具体的には、都市社会のさまざまな生活場面で生成するニーズと地域政策・福祉政策などとの相互関連性に関する調査研究を行っている。たとえば、地域に暮らす高齢者のニーズと福祉施策の関連、まちづくりの活動と地域政治・行政との関連など。ここで展開される利害関係者間の討議や合意形成のあり方、帰結などについて、関連データの収集・分析とフィールドワークに根ざしながら、実証的に検討を進めている。それを通して、差異化・階層化に向かう都市空間の今後や戦略について見通していければと考えている。

  • 大倉 季久 教授

    主要研究テーマ:サステイナビリティ研究、経済社会学

    教員紹介

    環境と経済との調和を追求する人びとの活動や環境政策の動向に関する社会学的な実証分析を通して、サステイナビリティの具体化をめぐる現代的課題について研究を行っている。これまでの研究では、とくに林業や農業をはじめとする第一次産業において生じた危機的状況や、新しい経済活動を組織しようと試みる動きを主題に、環境と経済が交差する局面で生起するネットワークや集合的な行為について経済社会学的な分析を進めてきた。また、そうした研究を通して得られた知見を足がかりとして、気候変動対策や再生可能エネルギーをはじめ、市場化・自由化による問題解決を構想する現代世界の環境政策についても考察を行っている。

  • 太田 麻希子 准教授

    主要研究テーマ:都市、人文地理学、ジェンダー研究

    教員紹介

    グローバル資本主義とジェンダーの視点から都市空間を捉えることに関心を寄せている。これまでは、フィリピン・マニラ首都圏のスクオッター集落でフィールド調査を行ない、主に女性の労働と移動、住民組織活動について考察してきた。近年は、マニラにおける産業立地の変化と不均等発展、女性の労働・居住の変容について、フィールド・データとマクロ統計をはじめとする文献・資料に基づきながら調査・研究を行なっている。

  • 貞包 英之 教授

    主要研究テーマ:消費社会論、歴史社会学、現代社会論

    教員紹介

    「消費社会化」は、1)人びとの暮らしや欲望のあり方を過去においていかに変え、2)また現在、いかに揺さぶっているのか。フォーディズム的大量生産を前提に形成された労働・消費のシステム化が変容をみせつつある現在、それらを測量することは、社会を具体的に知るために肝要になると考えられる。それをあきらかにするために、1)18、19世紀日本の家族関係のあり方や商業環境にかかわる私的な欲望の変容を歴史的に分析するとともに、2)住宅や生命保険、地方都市の暮らし、マンガやアニメを中心とするサブカルチャーといった臨界的または境界的な大衆現象から、現在の消費社会の可能性と限界を探ることに努めている。

  • 関 礼子 教授 (2024年度研究休暇)

    主要研究テーマ:環境社会学

    教員紹介

    環境社会学、地域環境論。環境を通して社会にアプローチする。公害病問題や開発がもたらす地域社会へのインパクト、人と自然とのかかわりなどについて、フィールド調査をもとに研究を進めてきた。現在の調査テーマは、公害問題など個的かつ社会的出来事の経験・記憶の現在性と継承性、自然とのかかわりが育む文化と地域本位の観光形成、環境と災害(福島原発事故)研究など。

  • 杉浦 郁子 教授

    主要研究テーマ:ジェンダー/セクシュアリティの社会学、クィア・スタディーズ

    教員紹介

    「日本における性的マイノリティの社会運動」という市民の営みを、ミニコミ誌などのコミュニティ資料や活動家へのインタビューから明らかにすることをめざしている。現在取り組んでいる調査研究は、①1970年代から1990年代中旬の首都圏におけるレズビアン解放運動の歴史記述、②東北地方における性的マイノリティの運動手法の分析、③地方自治体で同性パートナーシップ制度を求める人々の活動のエスノグラフィ研究である。

  • 砂川 浩慶 教授

    主要研究テーマ:メディア制度・産業論

    教員紹介

    放送を中心とする、メディア産業、メディア政策・法制度、ジャーナリズム論、コンテンツ流通などを研究テーマとする。変革期にあるメディアの動きをフォローしながら、メディアがもつジャーナリズム機能、技術革新、特にデジタル化が及ぼす市民社会への影響、メディアリテラシーなども含め、実践的な研究を行っている。

  • 高木 恒一 教授

    主要研究テーマ:都市空間構造研究、ハウジング研究

    教員紹介

    専門は都市社会学であり、そのなかでも特に空間に焦点を当てた研究を行っている。これまで、国勢調査などのデータに基づいた社会-空間構造を分析するとともに、都心再開発地域や郊外における計画的に作られた住宅地の研究を積み重ねてきた。近年は社会-空間構造を形成する要因としての都市政策に関心を持ち、特に都市住宅政策の検討を行っている。また、日本における市民活動について、社会史の視点から研究をすすめている。

  • 和田 伸一郎 教授

    主要研究テーマ:デジタル・メディア研究、情報社会論

    教員紹介

    専門分野は、デジタル・メディア論、情報社会論である。インターネット、モバイル端末、SNS等において実現されているクラウド・コンピューティング環境において、今後、私たちの《社会》はどのように変化しうるかを、「現代思想」の諸理論を基盤としながら、〈国家〉、〈グローバル市場経済〉、〈情報財の生産〉、〈創造行為〉という4つの論点から研究を行っている。最近の関心として、以上の研究の理論的基礎となりうる《デジタル社会学》の可能性を、〈ソフトウェア・スタディーズ〉、SNSデータ分析等といった新領域に立脚しながら考えている。

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