(掲載日2005.09.01)
レポーター : 文学部3年次 久保田 岬 / 文学部3年次 鈴木 久美子
発表風景
文学部3年次 久保田 岬
通訳者の仕事は、双方の言葉を訳して相手方に伝えることです。しかし、それは簡単なことではありません。単に英語を駆使する力だけでなく、文化や歴史的背景を理解し、さらには常に時事問題に対してアンテナを張っている必要があるからです。こ の授業では、『はじめてのシャドーイング』というテキストをベースにして語彙力を増やし、同時通訳や逐次通訳を実践します。また、ただ通訳をするだけでなく、文化の違いや歴史のバックグラウンドを学びながら内容を深めていきます。
授業の終盤では、キャロル・ベラミー国連児童基金事務局長のシンポジウムでのスピーチを扱いました。このスピーチは、日本の国連での役割と未来に関する内容です。今も世界には、貧困や病気、そして虐待などに苦しんでいる人が大勢します。そのような状況の中で、日本は今までどのような役割を果たしてきたのでしょうか。また、今度どのような貢献をしていくことができるのでしょうか。
最近は日本の常任理事国入りが話題になっています。新聞記事を通して賛否両論の意見を参考にした上で、私たちは日本の常任理事国入りに対する賛成派と反対派に分かれてディベートをしました。ディベートを終えてみると、複雑な世界情勢が絡んで いることが分かります。私は日本が行なっているユニセフへの貢献や安全保障基金の確立を根拠に賛成派として参加しましたが、反対派の意見を聞いてみると、まだ日本の常任理事国入りには不十分な点があるということに気づかされました。例えば、日本は歴史教科書問題をめぐって中国や北朝鮮との関係が悪化しています。常任理事国入りを急ぐ前に、まずは周辺の国々との国際関係を改善するべきではないでしょうか。
私は将来通訳者になることを目指しているためこの授業を受講しましたが、そうでない人にとってもお勧めできる授業です。英語の運用能力を高めることができるばかりではなく、世界で起こっている出来事をもっとリアルに感じ、それらをグローバルな観点に立って深めていくことができると思います。
解説をする鳥飼 玖美子教授
文学部3年次 鈴木 久美子
===憧れの授業===
みなさんは「同時通訳」という言葉を聞いて何を感じますか?憧れの職業・難しそう・挑戦してみたいなど、人それぞれ感じ方は違うと思います。私にとって「英語同時通訳法」は、入学前からこれだけは絶対に履修したいと思っていた憧れの授業でし
た。
===シャドーイングでウォーミングアップ!===
授業では、同時通訳の訓練法であるシャドーイング練習を頻繁に行うことで、英語を話す筋肉を鍛え、通訳やディベートのためのウォーミングアップを図ります。また、扱われるトッピックは人種問題、ジェンダー問題、日本の国連活動・常任理事国入りなど多岐にわたります。難しい問題に関しては鳥飼先生が丁寧に解説して下さいます。授業は週2回ですが、集中して行う英語のリスニングやスピーキング、和やかな雰囲気の中でのディスカッション活動をしているうちに、あっという間に時間が経ってしまいます。この授業を通して、通訳とは何かを考えるきっかけになるだけでなく、世界の動きに対する視野が広がります。そして、鳥飼先生のおっしゃるように “English is a window to the world”の意味が実感できるのではないでしょうか。
===立教英語の最高峰===
この授業を履修しようと考えている方は、全カリの英語科目「英語インテンシブ1 ・2」を先に履修しておくことをお勧めします。その上で「英語同時通訳法」を履修することで、より効果的に通訳や国際問題の理解が深まるだけでなく、自分の英語力を試していくきっかけになるのではないかと思います。
| 取材日 | 2005年7月13日(木)16:30~18:00 |
| 教室 | 池袋キャンパス 8号館8501教室 |
ねらい:会議通訳訓練を応用し,高度な英語運用能力を育成すると共に,英語の背景となる文化や国際的,時事的な事項および異文化コミュニケーションについて学ぶ。英語で言うconference interpretingとは,国際会議における通訳を指し,技術的には同時通訳および逐次通訳の2種類に分けられる。授業では同時通訳を目標に,各種通訳の実技訓練を通し,通訳者の役割と責任など,異文化コミュニケーションの観点から通訳について考察する。
授業方法:前期は基礎的な訓練を中心とし,後期は教材の難易度をあげ同時通訳も試みる。積極的な授業参加が求められる。30分以上の遅刻は出席とはみなさない。入室は認めるが,授業開始後の参加は,授業の性格上,かなり難しい。後期の履修は前期の単位修得者のみ対象。
授業内容:授業では,LL教室において日本語-英語による通訳を試みながら,通訳の実際を学ぶ。また,通訳に必要な時事英語,会議用語等を習得し語彙力増強をはかると共に,国際政治経済,日米関係,英語文化の背景知識等も学ぶ。テーマは以下を予定。1.通訳とは何か。2.翻訳と通訳の違い。3.通訳の種類―技術上:逐次通訳,同時通訳。4. 通訳の種類―職業上:会議通訳,メデイア通訳,コミュニティ通訳,観光ガイド(通訳案内業)。5.通訳実技訓練―1)シャドーイング 2)サマリー,パラフレーズ 3)リテンション,リプロダクション 4)用語集作成 5)スピーチ・プレゼンテーション 6)ノート・テイキング 7)逐次通訳 8)サイト・トランスレーション 9)メデイア通訳 10)ウイスパリング 11)同時通訳