第39回ミス日本グランプリに輝いた萩美香さん(立教大学大学院・法学研究科1年次)。
3度目の挑戦での戴冠となった。
1回目と2回目は、私の知らぬ間に母が応募していたんです。ミスコンに出ることは母自身の夢だったのですが、身長が151cmと、応募の規定に届かず断念したそうです。だから、幼少から小学校高学年になるまで、母は私の身長を少しでも伸ばそうと、夜ベッドに入ると私の足を引っ張っていました。母より10cm以上も高くなったのはそのおかげかもしれません。コンテストには、そんな母を喜ばそうと思って出ていたのですが、3回目は自分の意志で出場を決意しました。
大学院に進むため上京したものの、22年間暮らした三重と東京の環境のギャップがあまりにも大きくてとまどってばかりの日々。空気や水が違いますし、人の多さに圧倒されましたね。満員電車など、何もかもが初めてのことだらけで、緊張しっぱなしの毎日に、どんどん自信をなくしてしまって。もちろん相談できる友だちは誰もいないし、一人暮らしの部屋に帰っては泣いてばかりいました。このままではいけない、自分に自信を取り戻したいと思ったのが応募のきっかけだったんです。
外面の美しさだけではなく、日本女性らしさや、思いやり、察する心など、海外スタンダードでは評価しきれない内面を評価していこうというのが選考基準のミス日本。中部・北陸地区代表選出から本選までの5カ月間の苦労を聞いてみた。
「学業との両立は厳しかったのですが、日本の文化などを学ぶ勉強会や講習会にたくさん参加させていただいたことが大きな財産になっています。さらにその合間をぬって、エステにも通いました。ただ痩せるのではなく、ウェストだけを61cmから56cmに絞るといった、目的をはっきり意識しての身体づくりは、想像以上に大変でした。」
挫折からのスタートです(笑)。三重大学では人文学部に在籍して、法律や経済、政治を広く学んでいたのですが、立教の大学院では分野を法律に絞ったんです。一つの科目を深く専門的に勉強することに慣れておらず、法学の基礎もまったくありません。今までの自分の勉強の仕方が通用しないことに気づかされ、途方に暮れてしまいました。そんなとき手を差しのべてくれたのが、研究科の先輩たち。私は行政法を専攻していたのですが、それならこの講義は取ったほうがいいとか、こういう本を読んでおくと役に立つとか、門外漢の私にとてもやさしくしてくださいました。勉強方法を一から教えてくださった担当教授の高橋先生にも感謝しています。よき先輩、よき先生に恵まれて本当にラッキーです。
行政法を選んだきかっけは、三重大学で地方自治学のゼミに所属していたのですが、その大本となる行政法が、実は身近な法律だと知って興味を引かれたからなんです。例えば、病院を開設するには行政の許可がいるけれど、これがなかなか下りないのですね。保険負担を増やしたくない政府と、住民のニーズをどう調整していくか。日常生活にかかわる問題が多く、生きた法律を学んでいる感覚が楽しいですね。
大学時代は、時間に一番、余裕があるとき。思いきり遊び、思いきり勉強してください。海外での長期ステイもいいですし、国内の歴史深いところを訪ねてみるのもいいですね。この場所にはこの季節に行こうという贅沢ができるのは、学生の今しかありません。社会人の友人が、今はお金の自由度はあるけれど、逆に時間は不自由になったと嘆いているのを聞くにつけ、思います。
これから大学を目指す方には、大学選びは慎重に、と言いたいです。ネームバリューで選ぶのではなく、オープンキャンパスに足を運んで大学の雰囲気にじかにふれたり、可能なら学生や先生とふれ合って徹底的に情報を集めること。本当に自分に合ったところなのか、納得がいくまで検討してほしい。大学の選び方ひとつで、学び方や将来が変わってくると思います。
その点、立教は私にとってベストチョイスでした。人にも恵まれましたし、にぎやかな都会のなかにありながら、門をくぐれば静かでゆったりした時間が流れている。この立教マジックにすっかり魅せられています。
将来のことは未定です。ただ、自分を見失わずにいたいなと思います。ミス日本に選ばれてからいろいろな方に注目していただき、今までとは世界が違うので、もしかしたら自分自身をなくしてしまうようなこともあるかもしれません。どんなときも感謝の気持ちだけは忘れずにいたいです。まず、父と母の出会いに感謝です。そして、二十三年の間に出会い、私を支えてきてくれた方たちにも。誰一人欠けても、今の萩美香はないと思っています。もし変化するとしても、そんな皆さんにもよかったなと思ってもらえるような方向に変わっていきたいですね。仕事ということにこだわらず、中学生のころからかかわってきた福祉やボランティアには一生携わっていきたいと考えていますが、大きな将来の夢はまだ決まっていないので、ミス日本としての一年間の活動を通じて必ず見つけます。