21世紀社会デザイン研究科、社会デザイン研究所主催
公開シンポジウム「ボスニア・ヘルツェゴビナは今 ~ デイトン和平合意・スレブレニツァから20年」

INFORMATION

  • 2015年12月4日(金)18:30~21:00
  • 池袋キャンパス 11号館 AB01教室

終戦から70年を迎えた今年は、第二次世界大戦後、欧州最大の紛争とされるボスニア・ヘルツェゴビナの紛争終結と、ボスニア紛争末期にスレブレニツァで発生したジェノサイド(集団殺害)から20年の節目にあたる年でもある。
当初内戦として始まり、次第に国際的武力紛争に発展したボスニア紛争は、1992年の勃発以来3年半の間に、戦前の人口440万人の内、人口の5%を超える約25万人が死亡、180万人が難民・国内避難民となり、行方不明者数千名といわれる凄惨を極めた紛争である。また紛争末期、国連の安全地帯に指定され、国連PKOのオランダ部隊によって防御されていた人口4万あまりの小都市スレブレニツァでは、セルビア人勢力の攻撃により、7月11日の陥落以来約10日間に、ムスリム人男性約7500名が行方不明となり、その多くが処刑される事件が発生した。国際刑事裁判においてルワンダに続き、史上2例目のジェノサイド判決がでた事例でもある。
本シンポジウムは、スレブレニツァ・ジェノサイドと、ボスニア紛争を終結に導いたデイトン和平合意から20年のボスニア・ヘルツェゴビナの現在を、①バルカン研究の第一人者である歴史学者と、②旧ユーゴやボスニアのサッカー協会の統一と分裂を追ってきたノンフィクション作家、➂ボスニアの帰還民の自立支援や平和構築プログラムにJICAの立場から関わってきた専門家、④スレブレニツァ20周年を取材しドキュメンタリー番組を制作したジャーナリスト、⑤スレブレニツァ・ジェノサイド発生時、NGO職員として現地におり、その後研究者としてそのメカニズムの解明と国際司法による裁きを研究してきた本学教員の目から分析し、複合国家ユーゴスラヴィアの「縮図」といわれた多民族の共存社会でありながら、現代史に名を刻んだ凄惨な紛争を経験した社会の、移行期をめぐる課題、和解や共生がいかなる道を辿っているのか、EU加盟問題の影響も含め、明らかにしようとするものである。

講師

城西国際大学特任教授、東京大学名誉教授
柴 宜弘 氏

1946年東京生まれ。早稲田大学大学院文学研究科西洋史学博士課程修了。
1975~77年、ベオグラード大学哲学部歴史学科留学。敬愛大学経済学部、東京大学教養学部を経て、1994年東京大学大学院総合文化研究科教授(2010年退官)。
専攻は東欧地域研究、バルカン現代史。主な著書に『バルカンの民族主義』(山川出版社 1996年)、『ユーゴスラヴィア現代史』(岩波新書 1996年)、『新装版 図説 バルカンの歴史』(河出書房新社 2015年)など。他に共著、編著、論文多数。

ノンフィクション作家、ビデオ・ジャーナリスト
木村 元彦 氏

1962年愛知県生まれ。主な著書に、サッカーと旧ユーゴスラヴィア情勢を織り交ぜた3部作『誇り ドラガン・ストイコビッチの軌跡』(東京新聞出版社 1998年)、『悪者見参 ユーゴスラビアサッカー戦記』(集英社 2000年)、『オシムの言葉』(集英社 2005年)。他に『終わらぬ「民族浄化」セルビア・モンテネグロ』(集英社 2005年)、インタビュー・解説に明石康『「独裁者」との交渉術』(集英社 2010年)、サッカーボスニア代表を描いた「オシム 終わりなき闘い」(NHK出版 2015年)などがある。ビデオ・ジャーナリストとして2014年NHKドキュメンタリー「オシム 73歳の闘い」「民族共存へのキックオフ」でボスニアを取材。

国際協力機構(JICA)国際協力専門員・平和構築担当
橋本 敬市 氏

1960年大阪府生まれ。大阪大学大学院国際公共政策研究科博士後期課程修了(国際公共政策博士)。新聞記者、在オーストリア日本大使館専門調査員、上級代表事務所(OHR)政治顧問を経て、2002年より現職。主要著作に『紛争と復興支援 平和構築に向けた国際社会の対応』(分担執筆、有斐閣 2004年)、「ボスニア・ヘルツェゴヴィナにおける和平プロセス—国際社会による強権的介入」(『国際問題』 2003年7月)など。

NHK報道局社会番組部ディレクター
吉楽 禄 氏

1982年新潟県生まれ。一橋大学大学院法学研究科修了。2006年NHK入局。広島局報道番組部を経て現職。2015年7月放送のNHKドキュメンタリー「NEXT未来のために『虐殺の町で生きる~スレブレニツァ 母たちの20年』」担当ディレクター。核・戦争、東日本大震災、子どもの人権などのテーマを中心に番組を制作。

本学21世紀社会デザイン研究科・社会学部教授
長 有紀枝

1991~2003年まで国際協力NGO難民を助ける会勤務。ボスニア紛争時駐在員として現地で難民・避難民支援に従事していた。著書に『スレブレニツァ あるジェノサイドをめぐる考察』(東信堂 2009年)、「スレブレニツァで何が起きたか」、石田勇治・武内進一編『ジェノサイドと現代世界』所収(勉誠出版 2011年)など。

司会

長 有紀枝

詳細情報

名称

21世紀社会デザイン研究科、社会デザイン研究所主催
公開シンポジウム「ボスニア・ヘルツェゴビナは今 ~ デイトン和平合意・スレブレニツァから20年」

対象者

21世紀社会デザイン研究科学生、本学学生、教職員、校友、一般

主催

21世紀社会デザイン研究科、社会デザイン研究所

共催

現代心理学部

協力

特定非営利活動法人難民を助ける会

備考

無料、申込不要

お問い合わせ

21世紀社会デザイン研究科委員長室

TEL:03-3985-2181
(月~金)11:00~18:00

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