公開シンポジウム「近代日本の偽史言説 その生成・機能・受容」11月7・8日

INFORMATION

  • 2015年11月7日(土)14:00~18:00、11月8日(日)10:00~17:30
  • 池袋キャンパス 5号館1階 第1・2会議室

過去の世界は歴史家によって記述される。アカデミックな訓練を受けた歴史家が記述し、歴史家集団から一定の承認を受けるがゆえに、歴史は多くの人がみとめる基準としての歴史たりうる。しかし、わたしたちが生きる世界で生み出される歴史は、そのような歴史家による歴史記述ばかりではない。偽史というジャンルも、そのひとつである。「チンギスハンは源義経である」、「アトランティス大陸は実在する」、「ひらがなより古い日本独自の文字が使われていた」といった言説は、一見、バカバカしい。バカバカしいが、いまなお、書店の一角を占め、結構な部数が売れ続けている分野でもあり、さらに重要なことに、このような偽史言説が、社会的な意味を持ち得たこともあるのだ。本シンポジウムでは、このような、アカデミックな歴史家によって承認された歴史記述に対抗する、古史古伝、同祖論、地方史、民俗伝説、異世界論、陰謀説といったオルタナティブな歴史物語(偽史)をとりあげ、そのテクストの生成・機能・受容を背景となる思想や社会といった観点から分析する。偽史というレンズを通すことで、近代日本における思想と社会の関係、そして社会における歴史思想のあり方を問いなおしてみたい。

講師

本学文学部准教授
小澤 実
三ツ松 誠 氏

東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了(博士)。佐賀大学地域学歴史文化研究センター講師。主著に、「宗教 平田篤胤の弟子とライバルたち」河野有理編『近代日本政治思想史 荻生徂徠から網野善彦まで』(ナカニシヤ出版、2014年):79-101、「嘉永期の気吹舎—平田銕胤と「幽界物語」—」『日本史研究』596(2012):1-24、「「みよさし」論の再検討」藤田覚編『十八世紀日本の政治と外交』(山川出版社、2010年):131-159他。

永岡 崇 氏

大阪大学大学院文学研究科博士課程修了(博士)。日本学術振興会特別研究員。主著に、『新宗教と総力戦』(名古屋大学出版会)、「富士講的妄想力の近代: 丸山教と問い」『現代思想』41巻14号(2013):122-131「宗教文化は誰のものか : 『大本七十年史』編纂事業をめぐって」『日本研究』47(2013):127-169他。

馬部 隆弘 氏

大阪大学大学院文学研究科博士課程修了(博士)。大阪大谷大学文学部講師。
主著に、「細川国慶の上洛戦と京都支配」『日本史研究』623(2014):28-56、『枚方の歴史』(共著、松籟社 、2013年)、「蝦夷の首長アテルイと枚方市 官民一体となった史蹟の捏造」『史敏』3(2006):72-90他。

本学文学部教授
石川 巧
長谷川 亮一 氏

千葉大学大学院教育学研究科博士課程修了(博士)。千葉大学文学部非常勤講師。主著に、『地図から消えた島々 幻の日本領と南洋探検家たち』(吉川弘文館、2011年)、『「皇国史観」という問題』(白澤社、2008年)、「近代日本における「偽史」の系譜 日本人起源論を中心として」『季刊邪馬台国』65(1998):163-179他。

庄子 大亮 氏

京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。関西大学など非常勤講師。
主著に、「ギリシア神話を学ぶ」斎藤英喜編『神話伝承学への招待』(思文閣出版、2015年、第10章)、『アトランティス・ミステリー』(PHP新書、2009年)、「古典期アテナイにおけるテセウス伝説」『古代文化』57-1(2005):17-29他。

津城 寛文 氏

東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。文学博士(國學院大学)。筑波大学人文社会系教授。主著に、『社会的宗教と他界的宗教とのあいだ 見え隠れする死者』(世界思想社、2011年)、『「霊」の探究 : 近代スピリチュアリズムと宗教学』(春秋社、2005年)、『〈公共宗教〉の光と影』(春秋社、2005年)他。

高尾 千津子 氏

早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了(博士)。東京医科歯科大学教養学部教授。主著に、「シベリア出兵と『シオン議定書』の伝播1919-1922」『ユダヤ・イスラエル研究』27(2013):23-36、『ロシアとユダヤ人 苦悩の歴史と現在』(東洋書店、2014年)、『ソ連農業集団化の原点 ソヴィエト体制とアメリカユダヤ人』(彩流社、2006年)他。

詳細情報

名称

公開シンポジウム「近代日本の偽史言説 その生成・機能・受容」11月7・8日

内容

11月7日
小澤 実(本学文学部准教授)
「偽史言説へのアプローチ」

三ツ松 誠 氏(佐賀大学地域学歴史文化研究センター講師)
「神代文字と平田国学」

永岡 崇 氏(日本学術振興会特別研究員)
「自己増殖する偽史—竹内文献の旅と帝国日本—」

馬部  隆弘 氏(大阪大谷大学文学部講師)
「偽文書『椿井文書』が受容される理由」

11月8日
石川 巧(本学文学部教授)
「戦時下のプロパガンダ—小谷部全一郎『成吉思汗ハ源義経也』を読む」

長谷川 亮一 氏(千葉大学文学部非常勤講師)
「『日本古代史』を語るということ—「皇国史観」と「偽史」のはざまー」

庄子 大亮 氏(関西大学非常勤講師)
「『失われた大陸』言説の系譜—日本にとってのアトランティスとムー大陸」

津城 寛文 氏(筑波大学人文社会系教授)
「日猶同祖論—旧約預言から『ダ・ヴィンチ・コード』まで」

高尾 千津子 氏(東京医科歯科大学教養学部教授)
 「ユダヤ陰謀説 日本における『シオン議定書』の伝播と受容」

対象者

本学学生、大学院生、教職員、校友、一般
※申込不要、入場無料

主催

日本学研究所

共催

立教SFR「グローバルヒストリーのなかの近代歴史学」

お問い合わせ

日本学研究所事務局

E-mail: nihongaku@rikkyo.ac.jp

イベントレポート