社会に開かれた大学院へ

人生100年時代を支える学び直し・キャリア形成の場

2020/01/15

トピックス

OVERVIEW

近年、大学院では研究者養成に加え、社会人の学び直しやキャリア形成の場としての役割が期待されています。この新たな使命に挑み、教育・研究のさらなる充実を図る立教大学大学院のいまをご紹介します。

リカレント教育の先駆者として社会人のための学び・研究の場を拡充

立教大学 副総長(統括)
大学院 法務研究科/法学研究科 教授
野澤 正充
Nozawa Masamichi

人生100年時代の到来が叫ばれ、社会のさまざまな場面で変革が進む中で、大学院に求められる役割にも変化が生じています。従来の大学院は研究者養成を主な目的とし、入学者の大半は学部卒業生でした。しかし終身雇用制が過去のものとなり、平均寿命が大幅に伸びている現代では、「社会に出た後に大学院で学び直し、キャリアを再構築する」ケースが増加しています。

立教大学では、こうしたリカレント教育のニーズの高まりを受け、1979年に法学部が全国に先駆けて社会人入試を開始。2002年に社会人を対象とするビジネスデザイン研究科、21世紀社会デザイン研究科を開設し、08年には50歳以上のシニアのための立教セカンドステージ大学※1を設立しました。

そして20年4月、社会人に門戸を開く大学院として、新たに人工知能科学研究科、経営学研究科経営学専攻リーダーシップ開発コース※2を開設します。これらの新研究科・コースでは、職業人のより実践的なキャリアアップ・スキルアップをサポートし、AI人材やリーダーシップを備えた人材が大きく不足している社会の要請に応えます。

職業上の理由にとどまらず、「一生学び続けたい」という思いは人間の根源的な欲求ではないでしょうか。創立以来リベラルアーツを重んじてきた本学では、社会人にも学びの場やリベラルアーツが必要であることを伝統的に重視してきたと自負しております。社会に出た後も研鑽を続け、自ら問い、考える力を身に付ける——そのために最大限の支援を行うことは、立教大学大学院の使命だと捉えています。

現在、大学院活性化に向けたワーキンググループを立ち上げ、既存の研究科における社会人受け入れや、学部とのより緊密な連携等について検討を重ねています。多様な入学者を迎えて教育・研究を一層活発化させ、次の社会を牽引する人材を育成するために、これからもさらなる改革を推進していきます。

※1 文部科学省認可の大学ではありません。
※2 経営学研究科経営学専攻を改組し、新コースを設置。

2020年4月開設 社会人が学べる日本で初めての研究科とコース

経営学研究科

人づくり・組織づくりの専門家を養成する日本初の「リーダーシップ開発コース」

激しい時代の変化に伴い、リーダーシップを発揮できる人材の育成は組織・社会における喫緊の課題となっている。立教大学経営学部では、学部学生を対象とした「ビジネス・リーダーシップ・プログラム(BLP)」を展開し、これまで高い評価を受けてきた。そのノウハウを生かし、2020年4月、経営学研究科経営学専攻を改組してリーダーシップ開発コースを新設する。

新コースの目的は、「次世代のリーダーシップ開発(人材開発・組織開発)」を企業・組織で推進する高度専門人材の育成。旧来のカリスマ型リーダーではなく、「チーム全員の強みを引き出し、目標を達成する」新しいリーダー養成の担い手を育む。主な対象は社会人で、職種や役職を問わず、「人と組織のプロフェッショナル」を目指す人々に広く門戸を開く。

特色は、人と組織に特化した科目のみで構成された「プロジェクトに始まり、プロジェクトに終わる」実践的なカリキュラム。人と組織の成長を通じて社会課題の解決を図るパーソルグループと連携し、学術的な知識と実践的スキルの両方をコースワーク制で着実に身に付けていく。開講は金曜の夜と土曜を中心として、社会人が無理なく通学できる環境も整備する。

7月に開催されたコース説明会には600人を超える申し込みがあり、関心の高さがうかがえた。国内でも例のない「人と組織」に特化した大学院の誕生に、大いに期待がかかる。

Graduate School of Business
経営学研究科 経営学専攻 リーダーシップ開発コース

DATA
入学定員:10人(リーダーシップ開発コース)
学位:修士(経営学)
対象:社会人または立教大学経営学部5年間一貫プログラム履修生
開講形式:昼夜開講〈金曜夜(18:30~)+土曜日中心〉

人工知能科学研究科

日本初、人工知能(AI)に特化した大学院で次世代を担う人材を育成

2020年4月に開設する人工知能科学研究科は、国内初となる人工知能(AI)に特化した大学院[修士(人工知能科学)を取得]。機械学習やディープラーニング(深層学習)を本格的に学べるカリキュラムのもと、最新のAI技術を実装・研究する人材や、AIに関わるプロジェクトを企画・運営できる力を備えた人材を育成する。

特徴的なのは、社会人や多様な学部の出身者を受け入れ、文理融合でAIに関する学際的な研究を進める点。研究成果を社会に応用する「社会実装」も重視し、産学連携を積極的に推進する。また、学士課程教育においても、将来的には全学部生が履修できる全学共通科目としてAIを学ぶ科目を提供予定。本研究科から「リベラルアーツ×AI」の全学展開を見据えている。

Graduate School of Artificial Intelligence and Science
人工知能科学研究科

DATA
入学定員:63人
学位:修士(人工知能科学)
対象:社会人または学士課程修了者
開講形式:昼夜開講〈平日夜(18:55~)+土曜日中心〉
TOPICS
公開シンポジウム「時代におけるAIと人文科学の可能性」開催
5月29日、人工知能科学研究科開設に関連したシンポジウムを開催。AI時代における人文科学の重要性を説く『センスメイキング』(プレジデント社)の著者であるクリスチャン・マスビアウ氏を招き、新しい時代のAIとリベラルアーツの可能性を探りました。
人工知能科学研究科入試説明会に約500人が参加
6月26日と7月13日の2回、人工知能科学研究科の入試説明会を池袋キャンパスで実施し、合計でおよそ500人が参加しました。着任予定の教員による講演の後、本研究科開設準備室長の内山泰伸教授より、カリキュラムや研究内容の説明が行われました。

立教大学大学院 研究科一覧&KEYWORDS

研究科一覧

立教大学大学院には11の研究科、3つの独立研究科があり、各分野における高度な専門性を追求しながら、教育・研究の可能性を広げる多様な取り組みを行っています。

KEYWORDS

1.社会人受け入れ
キャリアアップ・スキルアップを支援
2020年4月に新設する2つの研究科・コースの他にも、社会人を対象とした研究科があります。都心から通学しやすい立地を生かし、新たなキャリアを切り拓きたい人、生涯にわたって学続けたい人のニーズに応えます。


  • 独立研究科(ページ下部にて紹介)
  • キリスト教学研究科 キリスト教学専攻ウィリアムズコース
  • 経済学研究科 経済学専攻 社会人コース
  • 法学研究科 法学政治学専攻プロフェッショナル・コース

など
2.他の大学院との単位互換制度
学びや研究の選択肢を広げる
他大学大学院との単位互換協定を締結している研究科では、協定校で修得した単位が修了要件単位として認められます。また、他の大学院生が立教大学大学院で学ぶケースもあり、活発な研究交流が行われています。


社会学研究科社会学専攻 単位互換協定校
24校
文学研究科英米文学専攻 単位互換協定校
11校
など
3.学士・修士を5年で修得
1年早く博士課程前期課程を修了できる
異文化コミュニケーション研究科、経済学研究科、経営学研究科、法学研究科、観光学研究科、コミュニティ福祉学研究科では、学士課程4年+博士課程前期課程1年の計5年で学士・修士を修得できる制度を設けています。
4.グローバルな教育・研究プログラム
資格取得支援、ダブルディグリー制度
異文化コミュニケーション研究科では、国際的な組織や現場で活躍できる通訳・翻訳者を養成する「通訳者・翻訳者養成プログラム」を設置しています。また、経営学研究科国際経営学専攻では、本学と海外の提携校の両方で修士を同時修得できるダブルディグリープログラム(MIB)を導入しています。

独立研究科 —分野横断的な研究を推進する—

基礎となる学部を持たない独立研究科は、さまざまな専門領域を融合させ、先端的・学際的な研究をリードしています。立教大学大学院には、ビジネスデザイン研究科、21世紀社会デザイン研究科、新設する人工知能科学研究科の3研究科があります。

  • ビジネスデザイン研究科 【社会人対象】
    ビジネスの構想力と戦略的思考を育成・開発するMBAコースで、ビジネスパーソンを対象にしたビジネススクール型大学院です。
  • 21世紀社会デザイン研究科 【社会人対象】
    知の組織化と協働のネットワークの力で、21世紀社会が直面する諸問題に取り組み、具体的な方法論を探究します。
  • 人工知能科学研究科 【社会人対象】
    2020年4月開設

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