インタビュー Lead the Way─「立教らしさ」とともに、これまでも、これからも

「RIKKYO VISION 2024」策定委員会委員長、経営学部長、経営学部教授 石川 淳

2016/01/18

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OVERVIEW

立教大学が創立150周年を迎える2024年に、どのような大学でありたいか──。2015年10月、次の10年に向けた中長期ビジョン「RIKKYO VISION 2024」を発表しました。
「Lead the Way ─自分、世界、そして未来を拓く─ Rikkyo University is leading the way.」というVISION STATEMENTのもと、3つのバリューと9つのアクション・プランを示し、実りある未来へと、強く道を拓いてゆける人材を輩出していきます。ビジョン策定委員会の委員長を務めた石川淳教授へのインタビューを通じて、本学のビジョンをご紹介いたします。

来たる150周年、その先の未来へ──2015年

──2015年10月に発表した「RIKKYO VISION 2024」について教えてください。

本学が創立150周年を迎える2024年に、どういう大学でありたいか、という10年後の将来像を示した中長期ビジョンです。策定にあたって、教職員や在学生はもちろん、OB・OGなどからも広く意見を求めました。立教の強み、弱みを挙げてもらったり、将来の夢や希望を語ってもらったりしながら、未来の立教大学像を思い描くことから始め、その理想を実現するためには何が必要か、何をすべきかを考えていこうという次代へ向けたビジョンと、ビジョンに基づいた戦略方針やアクション・プランを示したものです。

VISION STATEMENTは、「Lead the Way ─自分、世界、そして未来を拓く─ Rikkyo University is leading the way.」。グローバルにローカルに活躍できる人、他者と協調しながらリーダーシップを発揮できる真の国際人の育成を目指します。

──策定のプロセスを教えてください。

まずは、部長クラスの教職員からなる策定委員会と、若手教職員で構成される策定小委員会を立ち上げ、相互に連携を取りながら、「立教にしかできないビジョン」「学生の成長を促すビジョン」とするために議論を重ねていきました。在学生等からの意見も集約していく中で出てきたのが「グローバル」「ローカル」「イノベーション」「トラディション」という4つのキーワードです。

本学は以前からグローバルということに関しては先進的な取り組みを重ねてきました。例えば、将来的に全ての学生が、在学中に必ず一度は留学や外国でのインターンシップなどの海外経験をする体制を整えています。一方で、立教はローカルとも地道な交流を続けています。全国の校友会との結びつきや、岩手県陸前高田市など、フィールドワークによる地域の方との連携は、今後、一層力を入れて取り組むべきことだと考えています。そうした本学の活動を通じてローカルとグローバルがつながったり、ローカル同士が結びついたりすることで、新しい何かが生まれる。そんなハブ的な機能は本学が得意とするところでもあります。また、これまで築いてきた140余年の歴史と伝統(トラディション)というゆるぎない土台に立ち、未来を切り拓いていく(イノベーション)。常に果敢な挑戦をしていく姿勢は、創立者ウィリアムズ主教の精神を受け継ぐものです。

つまり、この4つの基本的な考え方は、決して対極に位置するものではなく、4つが渾然一体となって本学の基礎を成しているのです。その4つのコアテーマを掛け合わせながら議論を深め、3つのバリュー(新たな価値)を設定していきました【図1】。

──3つのバリューとはどういうものですか。

ビジョンを実現するため、将来あるべき姿を分かりやすく伝えた行動目標と言えます。「Lead for Learning─自分を拓く」「Lead for Globalization─世界を拓く」「Lead for Future─未来を拓く」からなり、現在はこの3つのバリューの下で9つのアクション・プランが始動しています。プランは今後も改革の進捗に合わせて加えられていく予定です。立ち止まらず、進み続ける。それが本プロジェクトの特徴でもあります。

改革の最大の推進力、「現場発」という強み

──最初に伺いましたが、このビジョンは教職員や在学生など現場からの意見や思いを基に作られていった点がユニークです。

【図1】

いわゆるボトムアップ形式は大学にこそ向いている方法ではないでしょうか。大学というのは個人の自律性を重視し、多様な考えを尊重する場です。それがないところには、新しい学問的成果も生まれませんし、進化も生じません。本学は、これまでも大事な局面でボトムアップの意思決定を尊重してきました。現場主導型で改革が起こってきたのは、そういった本学の歴史にも見合ったものであり、必然の結果だと考えています。しかし、多様性、自律性ばかりだと組織としてまとまらなくなる危険性があります。それを一つにまとめるのがミッション(建学の精神)です。ただし、ミッションというのは究極的ですから、当面の10年先を見据えたものとして作られたのがこのビジョンです。そのビジョンを自分たちの発案で進めているという意識はモチベーションを高め、また、深いレベルでのビジョンの共有化につながります。

今回のビジョン策定により、今後の立教の舵を切る方向は定まりました。あとはひたすら進むだけです。本学の教職員、学生はともに進取の精神に富んでおり、信じた道をひるむことなく進む力強さを備えていると自負しています。今後の展開を温かく見守っていただければと思っています。

──ありがとうございました。

2015年9月29日 池袋キャンパスにて
※記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご注意ください。

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