”江戸”を夢中で吸収した4年間 興味を追求できた立教の学びに感謝

長唄三味線演奏家 一般財団法人杵勝会 参与 師範/社団法人長唄協会会員 杵屋 勝くに緒さん

2018/03/20

立教卒業生のWork & Life

OVERVIEW

文学部を卒業し、長唄三味線演奏家として活躍される杵屋 勝くに緒さんからのメッセージです。

伝統芸能を受け継ぎながら新しい風を吹き込む。

伝統芸能に造詣が深かった父の影響で、私も幼い頃から日本舞踊や歌舞伎が大好きでしたので、大学では江戸文化を学ぼうと立教に進学。授業を受けてみると、文学作品にとどまらず、本当に幅広い分野の学びがありました。なかでも忘れられないのは、ゼミの課外授業で「豆腐百珍」という江戸時代の料理本のレシピに沿ってがんもどきを作ったこと。江戸の食文化を文字通り味わうという、座学では得られない体験ができました。

また、サークルも歌舞伎研究会や長唄研究会に所属し、とにかく"江戸"を夢中で吸収した4年間でしたね。その経験は現在の私の下地になっており、興味をとことん追究できる立教の環境は非常にありがたいものだったと思います。

プロ同士、言葉はいらない ともに曲を作る一体感はまさにライブ

現在は長唄三味線の演奏家として、舞台を中心に活動しています。長唄は三味線や唄、お囃子で編成した和風オーケストラです。伝統芸能の世界には流派がありますが、それを超えた交流も活発で毎回様々な方と共演させていただいています。

各々がプロフェッショナルなので、全員揃ってのリハーサルはほぼ1回のみで本番を迎えます。高まる緊張とすさまじいほどの集中力。みんなで一つの曲を創りあげるときの一体感はまさにライブ。何度味わってもワクワクします。この楽しさは、お互いへの信頼とリスペクトがあってこそ、大切な仲間との演奏はかけがえのないものです。この達成感・充実感を沢山の方にも知っていただきたいと後進の育成にも力を入れています。

日本文化に注目が集まっている今 長唄三味線の楽しさを伝えたい

2020年東京オリンピック・パラリンピックを機に日本の文化芸術に注目が集まるようになり、私もワークショップで三味線を教えることが増えました。観光で日本にいらした外国の方に向けたものや、小学校を訪問してこども達にお稽古することもあります。このように敷居の高いと思われがちな伝統芸能を気軽に体験していただいたり、わかりやすく長唄の魅力を伝える企画を続けて一人でも多くの方にご愛好いただけるようにしたいと思います。

2019年4月27日・28日には、歌舞伎座にて「杵勝会歌舞伎座公演」が盛大に行われます。立教の、既存の枠にとらわれない授業が世界を広げてくれたように、私もオープンな発想で新たな可能性を求めながら活動を続けます。
※本記事はスタディサプリに載せた記事をもとに再構成したものです。記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご注意ください。

プロフィール

PROFILE

杵屋 勝くに緒さん

長唄三味線演奏家
一般財団法人杵勝会 参与 師範/社団法人長唄協会会員
文学部日本文学科(現 文学部文学科日本文学専修)/1991年3月卒

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