あらゆるジャンルの吸収を繰り返し
育てたクリエイティブ力

アートディレクター、デザイナー ヤマザキ セイタロウさん

2018/01/09

立教卒業生のWork & Life

OVERVIEW

社会学部を卒業し、今は株式会社セイタロウデザインの代表取締役を務めながら、アートディレクターやデザイナーとして働いているヤマザキ セイタロウさんからのメッセージです。

ニューヨーク留学中、同級生の撮影クルーと共に

ヤマザキセイタロウ(山﨑晴太郎)さんの仕事は多彩だ。企業のブランディングを踏まえたアートディレクションを中心に、グラフィック、ウェブ、プロダクト、建築、インテリアと複合的なデザインコンサルティングを行い、ブランド戦略を提供するデザイン事務所を運営している。

立教大学に在籍していたころから、多様なことに興味を持ち飛び込んでいった。1年次から三浦雅弘教授(当時)のゼミに所属し、写真作品の制作と写真家の思想研究に取り組んだ。

「『まずレンズを自分のものにするために10,000枚の写真を撮る』という先生の言葉はいまでも印象に残っています。当時はまだデジタルカメラがないフィルムの時代。思う存分に写真を撮り、さまざまな写真表現の実験を自由にできる、とても恵まれた環境でしたね」

立教時代、1年次生から所属した三浦雅弘教授(右)のゼミで学んだことは数えきれない

ほかにも、ストリートダンスサークルの活動やニューヨークの映画の専門学校への留学など、正課外での経験も表現の幅を広げた。

「学生という立場でやりたいと思ったことは、立教大学での4年間ですべて実現して、さまざまなことを吸収できたと思います」

何かを作る仕事、表現する仕事に就きたいと考えていたヤマザキさんは、広告や映像の制作会社を中心に就職活動を行う。

「自分を過度に飾ることはせず、とにかくやりたいこと、目指したい生き方に素直であることを意識していました。思い返すと、それが就職活動だけではなく、いまの僕の根本的な姿勢につながっています」

石川県金沢市にある支社兼古書店serif sは、古い町屋を改装した

就職したベンチャーPR企業では企画やマーケティングを含めたクリエイティブデザインを積極的に吸収していった。入社から2年半後に独立し、株式会社を立ち上げて10年。海外ブランドのデザインワークをはじめ、創業100年を越える老舗の新商品トータルブランディング、建物のリノベーションなど、国内外を問わない活躍が続く。自身の表現を発揮し続ける彼は、「デザイン」という分野を統合したクリエーションを追求して仕事に臨んでいる。

「今後は国際空港のデザインに携わりたいです。建築はもちろん、ロゴマークや出入国スタンプ、広告や香りなど、国の玄関をデザインすることでその国自体を表現できるのではないかと考えています」

水墨画『山裾』。30歳から師匠について水墨画を描いている

ヤマザキさんは水墨画や生け花を習って日本の美の価値観を取り入れたり、再び英語を勉強して海外展開に乗り出したり、立ち止まることなく、人としての“素地”づくりを続けている。

「学生時代の一番の価値は自由な時間と自由な立場です。社会に出たら制約とブレーキがかかってしまうので、学生時代のうちに思考と行動をなるべく直結させて、時間の許す限り挑戦してほしいと思います」

吸収した要素を元に、思考と行動を積み重ねた数だけ創造の幅は広がる。そこから“光る個性”が生まれていくのだろう。

プロフィール

PROFILE

ヤマザキ セイタロウ さん(Seitaro Yamazaki)

株式会社セイタロウデザイン 代表取締役、アートディレクター、デザイナー
株式会社JMC 取締役

2006年 社会学部現代文化学科卒業


写真:パーソナリティを務めるラジオ番組『山﨑晴太郎の文化百貨店』(Fm yokohama/毎週日曜24:30~25:00)収録中の様子(左)

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