教育プラス多方面からの支援活動で子どもたちの未来を照らしたい

独立行政法人 国際協力機構(JICA) 東郷 真里奈さん

2017/05/18

立教卒業生のWork & Life

OVERVIEW

文学部を卒業し、今は独立行政法人 国際協力機構(JICA)で働いている東郷 真里奈さんからのメッセージです。

立教大学に通うこと自体が心地の良い体験だった

高校まで英語が好きで、ずっと勉強していたため、大学では他の言語を勉強してみたいと思ったのがフランス文学専修を選んだ理由です。立教大学では英語を勉強するコースも選べたため、フランス語だけではなく、英語もしっかり学べました。授業の中で、自分とはまったく切り離された世界の、何百年も昔の人のことを本で読み、「この人たちは当時、何をして何を考えていたのだろう」という問いに真剣に向き合うという、文学科ならではの深い学びに触れるという醍醐味をたっぷり味わいました。
私は立教大学のキャンパス環境がすごく好きでした。校舎も趣きがあるし、都心にあるにもかかわらず緑も多くて。立教大学に通うことそのものが、心地よい体験だったのだなと、今となって思います。

足りない部分を補うためにイギリスの大学院へ

在学中は、カンボジアの子どもたちに教育支援を行うNGOで、日本の小学校や中学校へ出張授業に行き、国際協力を身近に感じてもらうために、自分たちの事業を紹介する活動に参加していました。そこで気づいたのですが、日本だと当たり前のことが、カンボジアではまったく異なるんです。生まれた環境によって子どもたちの未来の可能性が制限されてしまうという不条理さに疑問を抱き、将来国際協力の仕事に携わりたいと思うようになりました。
2年次の終わり頃、国際協力を仕事にしたいという気持ちが一層強くなりました。支援に携わった経験はあっても、開発に関する知識が足りていないと自覚し、大学院に進学を決意。開発学の分野は、英語の文献の方が圧倒的に多いだろうし、英語で議論をする練習にもなると考え、イギリスに留学しました。行って気づいたのですが、私のコー スには意外とイギリス人が少なく、アフリカや中南米など、自分の母国が開発途上国という人が多かったため、日本で育った私とは異なる「開発」や「国際協力」の考え方に触れることができました。

就職活動ではフランス語が一つの武器になった

JICAに興味を持ったのは、大学在学中にJICAで働いているNGOの先輩に話を聞いた時でした。留学中、ロンドンで開催されたキャリアフォーラムに参加し、JICAの面接を受け、その後数回の面接を経て内定をいただきました。大学院の勉強が忙しく、エントリーシー トを提出したのも5社くらいに絞っていたため、本当に幸運だったというのが本音です。ただフランス語を勉強していたことは、一つの武器になったのではと思っています。
現在は、開発コンサルタントの契約業務を主に行っています。JICAでは原則2年ごとに部署が変わるのですが、3部署目あたりで長期の海外赴任を経験します。入構してすぐ、武者修行として3カ月間セネガル事務所で仕事をしたのですが、国際協力の最前線でプロジェクトの一員として働いたり、現地の人々の暮らしを間近で感じながら仕事をしたりする毎日がとても充実していたので、今から海外駐在が楽しみで仕方ありません。

教育だけではなく総合的な開発を行うのが目的

私は開発途上国への教育支援に携わりたくてJICAに入ったため、いつかは関連部署で世界中の子どもたちがより良い教育を受けられるような社会づくりに貢献する仕事がしてみたいです。例えばJICAには人間開発部という部署があるのですが、そこでは教師の育成や学校運営の改善などに取り組むプロジェクトを行っています。いずれはそうしたプロジェクトを含めて、その国の教育システムを変えるような仕事に就くのが目標です。
教育は、開発途上国への支援において一つの軸に過ぎません。大学院に行く前は、教育さえきちんと行われれば大抵のことはうまくいくと考えていたのですが、勉強すればするほど、開発途上国の社会課題にはたくさんの分野の問題が複雑に絡み合い、教育だけでは子どもたちの未来は明るくならないことが分かりました。だからこそ農業、保健、産業といった様々なセクターが多方面から支援する必要があります。そのため、私はJICAの職員として教育を軸にやっていきつつ、いずれは各分野の連携も、積極的に主導できるように成長したいと思っています。横のつながりをしっかり築き、縦割りになりがちなプロジェクトの垣根を越えて総合的な開発をするのが長期的な目標です。

プロフィール

PROFILE

東郷 真里奈さん

独立行政法人 国際協力機構(JICA)
調達部 契約第一課
文学部文学科 フランス文学専修 2014年卒業

※本記事は、大学新聞社による「就活支援ジャーナル」(2017年5月発行)の記事を再構成したものです。記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご注意ください。

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