地域に発信する意味をこれからも問い続ける

東海新報社 鈴木 英里さん

2015/01/01

立教卒業生のWork & Life

VOL.24

OVERVIEW

地域紙を発行する東海新報社に入社し、今は記者として活躍する鈴木英里さんにお話を伺いました。

ローカルとグローバル、どちらも見つめる場所であってほしい。

文学部日本文学科へ進学し、子どものころから身近にあった岩手の郷土芸能に改めて興味を持つようになりました。指導を仰いだ教授が、民俗学はご専門外であったにもかかわらず親身にアドバイスをくださり、学ぶ意欲を後押ししてくれたおかげで古里に誇りを持つことができました。また所属していた演劇サークルで、さまざまな役割を持つ人と一つの舞台を作り上げた経験は、チームで取り組む編集者の仕事にも生かされたと思っています。

卒業してから5年後、故郷の岩手へUターン。気仙地方(大船渡市、陸前高田市、住田町)で地域紙を発行する東海新報社に入社し、今は記者として働いています。東海新報は祖父が創業した新聞社であり、私もいずれは家業を手伝う心づもりでいました。
一方で転職した当初は、東京を離れて働くことに少なからず不本意な気持ちを持っていたのも事実です。その考えを覆す大きな転機となったのは東日本大震災。「すぐ隣に困っている人がいる。この人たちのために何ができるか」と、地域紙の果たす役割や自分の使命について強く認識するようになりました。立教のシンボルマークには「ProDeo et Patoria(神と国のために)」とあります。「Pator ia 」が指す「国」とは「自分の暮らす社会、ふるさと」のこと。隣人と助けあい、共に生きる大切さを説いた一節です。在学中は意識していませんでしたが、いま私の胸中にはしっかりこの教えが息づいていると感じます。
身近な人々のために何ができるか、地域社会において自分がどんな役割を担えるのか考えながら、地元の良い面を内外に広く知らせていきたい。コミュニティの中で生かされている自分を意識し、そのコミュニティを誇れるようでありたい──ローカル、つまり自分の足元をきちんと見つめられなければ、グローバルな視点など持てないと思うのです。立教大学へは、地域社会と世界を結ぶ“ハブ”としての役割に期待します。「真理の探究」「己の暮らす社会のために」という立教の理念に基づき、身近な世界と広い世界、どちらにも通用する共に生きる力を備えた学生を育んでほしいです。

(RIKKYO VISION 2024リーフレットより。所属・肩書は2014年取材当時のものです)

プロフィール

PROFILE

鈴木英里さん

東海新報社
2002年 文学部卒業

学生時代から編集の仕事に就きたいという熱意を持ち、卒業後は東京の出版社に入社。その後、故郷の岩手に戻り、地域紙の記者として活躍している。

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