一方的な経済支援ではなく、互いが発展できる支援活動を

独立行政法人国際協力機構(JICA) 大野 裕美さん

2014/01/01

立教卒業生のWork & Life

VOL.20

OVERVIEW

独立行政法人国際協力機構(JICA)公益団体職員の大野裕美さんにお話を伺いました。

中学生の時の特別授業で「政府開発援助(ODA)」について話を聞き、途上国を支援する仕事に興味をもちました。そして、英語だけでなく法律などの専門知識を国際的に学びたいと思い、立教大学の国際・比較法学科(当時)に入学しました。

勉強するにつれて知識がつながり、物事の関連性が見えてくる

今から考えると、私の大学での勉強は3年次に演習(ゼミ)に入ったことをきっかけに、より能動的になったと思います。所属した松井秀征教授の演習は、4年次生や大学院生とともに学ぶので多くの刺激がありました。はじめは発言したいことがあっても、先輩の議論に入っていけず悔しく思うこともしばしばあり、知識を身につけるだけで精一杯でした。けれど、勉強していくにつれて知識と知識が結びつき、物事の関連性が見えてくると、自分の世界が広がっていくのを実感。また、演習の研究テーマが自分の興味と関係ないように思える内容でも、勉強してみると物事のつながりや必要性がわかり、広い視野をもって学ぶことの大切さを感じました。そして、もっと自主的に学びたいと考え、3年次には1カ月間、アメリカミネソタ州での留学プログラムにも参加しました。

途上国と日本双方にメリットのある地域産業の活性化や技術支援

2011年10月の国際協力イベント「グローバルフェスタJAPAN」で、JICAが実施した民間連携プロジェクトを発表

現在はJICAの民間連携室で、途上国への国際協力を行っています。世界約195カ国のうち約4分の3が途上国と呼ばれ、その多くは貧困や紛争といった問題を抱えています。エネルギー源などを世界に依存している日本においては、途上国の情勢安定と発展が不可欠で、それが国際社会全体の平和にもつながります。国際協力というと一方的な経済支援を連想しがちですが、単なる援助ではなく日本のためになっていることも大事です。たとえば、2011年に日本の企業から依頼を受けて実現した中央アジア、キルギスのフェルト製品を販売するプロジェクト。このプロジェクトは、日本企業にとっては新しい製品開発や市場拡大につながり、キルギスにとっては現地住民の雇用拡大や日本の高い生産技術を導入する機会となりました。こういったプロジェクトを行うために、JICAでは世界の産業製品に関する情報提供や現地サポートを行っています。地域産業の活性化や技術支援は国際協力の大きな要素で、その包括的、継続的な支援こそが私たちの重要な役割です。今後も互いが発展できるような支援活動を実施し、また日本の方々に理解、協力していただける広報活動をしていきたいと考えています。

無駄な知識はひとつもない。能動的に学び、考える力を身につけて

私が大学で実感したように、学びにおいて無駄な知識はひとつもありません。全然関係がないように見える事柄も、必ずどこかでつながっています。学生のみなさんには能動的に学び、たくさんの知識を蓄える大学生活を送ってほしいです。
※卒業学科名は入学年度によって異なる場合があります。
※所属は取材当時のものです。

プロフィール

PROFILE

大野裕美さん

広報室を経て現在、民間連携室に所属。民間連携室では、日本の民間企業と連携し、途上国産品の交易やインフラ整備、CSR活動などで途上国を支援。世界に点在する90以上の駐在事務所と協力し、さまざまなプロジェクトを展開している。

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