世界のボーダレス化によって、私たちの周りには多民族・多文化が共存するコミュニティが数多く誕生しています。そのような社会の中で、異なった文化を背負った人々が互いをよりよく理解していくためには、どのようにコミュニケーションを図っていけばいいのか。私たちが将来に向けて取り組み、考えていくべき大きなテーマです。ことばの面から言えば、英語は多文化社会の中で、異文化間の基本的コミュニケーションを保証する共通言語として大切な役割を果たしていくでしょう。しかし、それぞれの文化を相対化し、人と人とのコミュニケーションをより深く、そしてより親密なものにしていくには、英語に加えて、さらに別の外国語に対する素養、運用能力、そして、私たちの思考の基本を支える日本語を十二分に使いこなす能力といったものは欠かすことができません。異文化コミュニケーション学部は、こうした新しい時代の要請に応えていきます。本学部では、「複数言語の運用能力の養成」を基盤に、「異文化コミュニケーション研究」、「複合地域文化研究」、「言語教育研究」という3つの研究領域を通して、複数の視点からものを考え、柔軟な思考力で問題を解決することのできる人材の育成を目指していきます。
異なった文化を持つ人々との交流をより深く、柔軟に進めていくには、英語だけでなく、多くの言語やその文化を知り、複眼的な視点を持つことが重要になってきます。そのため、異文化コミュニケーション学部では、英語に加えて、ドイツ語、フランス語、スペイン語、中国語、朝鮮語のいずれか一つを必修として、2言語の運用能力を養います。
多文化社会を理解する前提となるのが、自国について理解すること。つまり日本語や日本文化への理解と認識を深めることです。的確な自己表現と論理的に考える力を養うため、日本語に対する理解とその正しい使い方について学びます。
複数言語についての運用能力を基盤とした上で、言語そのものについて、そしてそれらの言語が使用される地域や文化や社会について専門的に学んでいきます。また、文化を構成する重要な要素である言語を私たち人間はどう身に付けていくのか、またどう教えるのが効果的なのかなどについて、日本語を母語としない人々への日本語教育も含めて、さまざまな視点から追求していきます。
全学部を対象に展開される「全学共通カリキュラム」の言語教育科目と連携しつつ、学部内に独自の言語科目を設置。1年次に集中的な授業を行い、2年次への実践的授業へと進んでいきます。
1年次の英語の必修科目のうちコミュニケーション能力を重視した授業については、活発なコミュニケーションができるよう1クラス6名を実現。その他のコミュニケーション・スキル科目についても、教員が常に一人ひとりの学生に目を向けられるよう、10名台の少人数クラスとします。
必修科目の中に、立教大学で学ぶ留学生との交流を通して各種のプロジェクトを実現する科目などを設置。価値観や考え方の異なる諸外国の学生と時間を共有することにより、相互理解を深めます。また、2年次後期には1セメスターに渡る留学制度を導入。英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・中国語・朝鮮語の6つの言語プログラムから、1年次より留学言語と留学先を決定し、学部独自の言語科目で語学能力向上を図っていきます。教室から離れた場所でも実践的に学べる機会を設けることで、言語能力の育成、異文化理解、他者理解をさらに深めていきます。
多文化共生社会の実現に貢献できる力を養うためには、一人ひとりが選択したテーマについてじっくりと考える機会が必要です。そのため、3年次の専門演習ならびに4年次の卒業研究指導演習を通して完成させる卒業研究が必修となっています。各学生が選択したテーマを掘り下げ、最終的に一つの形にまとめる作業を通して、それまで学んできたことを自分のものにできるよう、教員が一人ひとりをサポートします。