文学部を選んだ理由

学部別在学生インタビュー(大学案内2022)

2021/05/19

立教を選ぶ理由

OVERVIEW

文学部に所属する在学生にそれぞれの学科を選んだ理由などを聞きました。

文学部キリスト教学科4年次 石上 麻衣さん(千葉県 県立柏高等学校)

■学科の魅力
本学科の魅力は、キリスト教を軸に関心のあることを自由に追求できるところです。私は入学当初、キリスト教といえば「聖書」「十字架」「祈り」といったイメージをもっており、少なからず宗教に対する偏見もありました。しかし、教会建築や世界史、映画、スポーツなど、さまざまな角度からキリスト教について学ぶことができ、次第に興味を抱くように。現在は美術史のゼミナールに所属し、研究に取り組んでいます。また、世界の宗教人口のおよそ3割を占めるキリスト教を知ることで、異文化理解にもつながると感じています。

■研究テーマ
ゼミナールでは、中世ヨーロッパの教会堂を代表するゴシック建築と、その内部を装飾するステンドグラスを題材に研究しています。このテーマを選んだのは、1・2年次の授業で教会建築の歴史を学んだことで、それまで単に「きれいな装飾品」としか認識していなかったステンドグラスがキリスト教と関連していることやそのデザインに深い意味があることを知り、知的好奇心を刺激されたためです。いつか海外の教会堂を訪れ、本物の美しさに触れてみたいです。

■学科での学びをとおして得たもの
興味関心を広げる力が最も成長したと感じています。今まで「これは自分に合っていない」と判断し、行動しないことがよくありましたが、本学科での学びを通じて視野を広くもつことの大切さを学びました。その学びに至ったのは、先生方が意見を尊重しサポートしてくださったからこそ。自分の意見は間違っているかも、と気後れすることが減って、率直な意見を述べられるようになったと思います。

文学部文学科英米文学専修4年次 田村 光規さん(東京都 淑徳巣鴨高等学校)

■学科を選んだ理由
文学科(英米文学専修)を選んだ理由は、文学というものがとても苦手だからこそ、大学でその良さについて考えたいと思ったからです。グローバルな時代における重要なコミュニケーションツールである英語をとおして学ぶことに、非常に意義を感じました。また、将来は英語の教師として教壇に立ちたいと思っていたことも理由の一つです。

■学科での学びをとおして得たもの
文学作品の解釈の仕方を学んだことで、読み進め方や焦点を当てるポイント、社会との接点について考えられるようになりました。また、登場人物に関する考察や、社会的背景、その作品がもつ普遍的な意味について、(何度も)レポートを書きました。自分の意見を言語化することで文章を書く能力も向上したと思います。さらに、答えのない問いについて先生や他の学生と議論し、さまざまな意見を取り入れられるようにもなりました。

■研究テーマ
私は19~20世紀のアメリカ文学を取り上げ、「共同体と個人」について、「孤独」をテーマに研究しています。現代は「個人」という単位が重要視され、個人の自由や権利を主張できる時代です。一方、1~2世紀ほどさかのぼれば、全体主義が支配する共同体の時代でした。当時の文学作品では共同体から離脱できない苦悩や、開放されたことで得た自由に苦しむ姿が描かれています。このジレンマの中で葛藤しながら生きる登場人物について読み解くことが、現代に通ずる問題の解決の糸口になると考えています。

文学部文学科ドイツ文学専修4年次 佐々木 蕗子さん(東京都 白鷗高等学校)

■専修の魅力
一言でいうと「情熱と優しさ」にあふれた専修です。大学に入って初めてドイツ語を学ぶ人がほとんどなので、1年次は語学のクラスの仲間とわからないところを教え合ったり、励まし合ったりしていました。2年次から始まるゼミナールは、大学での勉強がより一層楽しく充実する時間です。学生はそれぞれ異なるテーマを設定し勉強しているので、発表を聞くのも面白く、ゼミ生が課題や発表に取り組む姿にはいつも刺激を受けます。

■おすすめの科目
「ドイツ語圏の文化」という授業では、ミュンヘンやウィーンなど主要約11の都市にまつわる文化的事象、都市の特徴、歴史といった観点から、ドイツ語圏文化への理解を深めます。古代から現代までの都市の歴史をたどる中で、食文化、その土地や人々の精神性など多角的な視点が得られ、都市の環境や社会的・文化的背景が文学に与えた影響を考察する際に役立ちます。

■将来の目標
新型コロナウイルス感染症の影響もあり、世界中で人々の間に分断が生じ、不寛容の雰囲気が広がっています。そんな現代には、「ことば」を介したコミュニケーションによる問題解決の力が重要になると思います。本専修では、それぞれの時代や文化圏における人々の価値観、そして新しい時代を作る動きを学びました。この知見を生かして、ことばと最新のコンピュータ技術をかけ合わせた情報の発信に取り組みたいと思っています。また、他者を思いやれる人材を育成したいので、教員にもあこがれています。

文学部文学科フランス文学専修3年次 森 絵磨さん(東京都 明治学院高等学校)

■おすすめの科目
カミュの作品を扱った「演習D5」と「フランス文学・文化演習1」は特に印象的でした。「演習D5」では『ペスト』に登場するパヌルー神父を取り上げ、「フランス文学・文化演習1」では『異邦人』を講読しました。コロナ禍のいまと重なる点が多く、文学がもつ普遍性を実感するとともに、閉鎖された空間での人間の姿に共感しました。文学が価値観の変化を鏡のように映し出し、読者に示しているのだと感じました。カミュが見たものを追体験しているようで興味深かったです。

■研究テーマ
ゼミナールでは、主にフランス文学における司祭像と中世の文化について学んでいます。私はキリスト教の高校に通っていたため、聖書をテキストとして扱うことや牧師の方の講演を聞くことが頻繁にあり、司祭という存在に興味をもっていました。文学作品に登場する司祭を研究していくと、崇高な部分だけでなく、時に俗物的な側面が描かれるなど、作品によって見え方が全く異なります。司祭に焦点を絞ることで職業や身分による固定観念を見直し、文学から人間の本質を探る力を身につけられました。

■専修での学びをとおして得たもの
現代社会や他の文学と比較しながら文学を読み解く力が身についたと思います。大学に入る以前は、作品を自分の好みに合うか合わないかの二元論で捉えてしまい、解釈できる範囲を自ら狭めていました。しかし、学年が上がるごとに知識が増え、学んだことが点と点で繋がるように。他の文学講義も受講することで、フランス文学に限らず世界の多彩な文学作品への理解も進み、視野を広げられました。

文学部 文学科日本文学専修4年次 中野 薫さん(岩手県 盛岡白百合学園高等学校)

■学科を選んだ理由
文学作品の時代背景を理解した上で読みたいと考え、本専修を選択しました。高校生の頃は、明治・大正時代の作品が現代の感覚や文化と異なる点が多く、よく理解する事ができない所がありました。そこで、当時の時代背景や世相を理解した上で近代文学を十分に味わえるようになりたいと考え本専修の進学を決めました。

■おすすめの科目
「文学講義329」がおすすめです。東京オリンピック開催が近づく中、東京についてどのくらい知っているかという切り口で展開される授業でした。日本文学専修と聞くと、文学作品について研究するイメージがあると思いますが、この講義のように文化や地域に焦点を当てた授業もあります。江戸時代から現在の東京がどのように編成されたかを学び、現在にも当時の町の特徴が残っていることを実感しました。

■研究テーマ(関心のあるテーマ)
近代文学に関心があります。一つの作品をとおして、現在と異なる背景や文化、社会に関する知識、当時の文学的主題のあり方について学ぶ事ができるからです。また、日本の近代文学の成立は、現代の文学にもつながる部分もあるため、作品をより理解出来るようになる点も魅力の一つです。

文学部文学科文芸・思想専修4年次 永渕 弘真さん(神奈川県 自修館中等教育学校)

■学科の魅力
ジャンルにとらわれることなく、自分の興味関心の赴くままに人文学を学べることが最大の魅力です。私は毎月読む本のジャンルを変え、文学に触れるときは批評の視点から分析してみたり、哲学に触れるときは文学の視点から考えてみたりと、視座を自由に移動させながら言葉への感度を高める訓練ができました。また、在籍する学生は個性的な人ばかり。日本文学や、特撮・アニメ、映画などそれぞれが専門領域をニッチに学んでおり、自分の専門外の話を詳しく聞くことができます。

■研究テーマ
偶然本屋で見つけた『共同幻想論』に衝撃を受け、吉本隆明をテーマに研究しています。詩人であり、思想家であり、文芸評論家である彼は、戦後の日本社会に鋭い批評を入れたことで知られています。私たちは自分自身や家族、国家について、それぞれの位相で物事を考えていますが、人間が必然的にもっているそうした位相について、「個人的幻想」「対幻想」「共同幻想」という新しい概念を生み出しました。西洋の思想を経由せず、ゼロから思想を創りあげる彼の姿勢からは多くのことを学びました。

■将来の夢
社会が大きな転換期を迎える中で、私は自分が置かれている状況をミクロとマクロの視点から分析し、最適だと思える選択をできる人間になりたいと考えています。自らに与えられた仕事や役割を全うしつつも、常に外に開かれた目線をもち、社会のことも、家庭のことも、自分自身のことも、常に考え続けられる知的耐久力のある人間を目指すこと、それが現状での私の夢です。本専修で学んだ、さまざまな視点を掛け合わせるという思考方法を、そうした人間になるための道標として、これからの人生で生かしていきたいと考えています。

文学部史学科4年次 東川 紗也さん(千葉県 国府台女子学院高等部)

■おすすめの科目
「地誌学」の授業が印象的でした。ヨーロッパのさまざまな街の風景や食文化について地理的な観点から学ぶのですが、地理に親しんでこなかった私は少し抵抗感を抱いていました。しかし、授業内では街並みの写真など視覚的資料が多かったり、先生の旅行のエピソードに絡めて説明してくださったりしたので、興味をもって受講できました。

■研究テーマ
中世の日本史について学ぶゼミで、「自力救済」をテーマに研究しています。自力救済とは、「人に危害を与えたら罰を受ける」ことを国家ではなく個人が行うものだという意識のことを指します。卒業論文では土地に関する自力救済である「惣質・郷質」について研究し、法律がある中でどうしてこのような意識が醸成されたのかを調べます。

■学科での学びをとおして得たもの
高校までは単体で捉えていた歴史的事象が、互いに原因、結果という関係で結びつき、現在につながっているという視点を得ました。法制度など現代社会の問題を考える際に、背景にある歴史的事象と絡めて考えられる視点は、現代で生きていくうえで大切なものであると思います。

文学部教育学科4年次 吉田 菜々さん(長崎県 島原高等学校)

■学科の魅力
教育学と一口にいっても、実際は細かい分野に分かれ、先生が研究しているテーマもバラバラです。2年次に「教育哲学」「教育心理学」「教育社会学」「教育史」という教育学科の四天王といわれる必修科目を学び見識を広め、自分が追究したい分野を定めてから専攻する課程を選択できるのは、とてもいい点だと感じました。

■おすすめの科目
「子ども文化論」でクラスメイトとペアになり、切り絵のワークショップに取り組んだことが印象に残っています。自分が好きな形に切った紙を相手と交換し作品に仕上げるのですが、みんなの作品がすてきなものばかりで、その想像力に驚かされました。凝り固まった価値観を振り払い、童心に帰るような楽しい授業でした。

■学科での学びをとおして得たもの
自分の偏見や価値観を疑うことを学べたのは、とても大きな収穫だと思っています。学校教育のみならず、ジェンダーや病気など、知らないうちに自分に内面化されていた固定観念に気づかされ、それらを見直す機会が多々ありました。無知から起こる偏見や問題も存在するので、当たり前だと思っていることでもきちんと自分で調べ、批判的に考察し、判断することが大切だと痛感しました。

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