理学部を選んだ理由

学部別在学生インタビュー(大学案内2022)

2021/05/19

立教を選ぶ理由

OVERVIEW

理学部に所属する在学生にそれぞれの学科を選んだ理由などを聞きました。

理学部数学科4年次 邉見 莉奈子さん(大阪府 四天王寺高等学校)

■研究テーマ
テーマは、「格子」からみえる数学です。「格子」という簡単な数学的対象が、さまざまな数学と結びついて豊かな数学が展開され、高校数学から大学数学、さらに現代数学へと繋がっていきます。「格子」という言葉が、これ以上ないくらい具体的でわかりやすい言葉であると思い、研究テーマとして選びました。生活に身近な折り紙と数学を結びつけて考えていくため、親しみやすい分野です。

■学科での学びをとおして得たもの
多くの証明問題に触れ、論理的思考力が身につきました。問題を解く際に限らず、何か自分の考えを発言するときにはロジックがしっかりしているか検証するようにしています。また、情報系の授業ではプログラムを組むこともありますが、1文字のミスによって正しく動作しない場合もあるので、物事を俯瞰して見る力と細部まで見る力が磨かれました。

■卒業後の進路
私の夢は、社会的マイノリティの人々が生きやすい世界を作ることです。卒業後は教育業界に就職することが決まっており、生まれた環境による教育格差をなくすことを目標に仕事に励みたいと考えています。数学の知識を使う機会は少ないかもしれませんが、この4年間で養われた論理的思考力・細かいことに気づける力・俯瞰して見る力を生かしていきたいです。

理学部物理学科4年次 金子 睦さん(埼玉県 大宮高等学校)

■おすすめの科目
3年次の秋学期に履修した「物理学実験2」が印象に残っています。それまでの実験では、用意された装置を使い、指示された方法に従って行うものでした。しかし、この授業では数人のグループに分かれて自分たちでテーマを決め、実験方法を考え、装置を作り、実験・解析を進めていきます。半年間で1つの実験を行うため、計画性も重要です。試行錯誤を重ね、データを得られたときは嬉しかったです。最後は全員の前で発表する機会もあり、卒業研究に向けていい経験を積むことができました。

■研究テーマ
希ガス固体における電子遷移誘起脱離という現象を研究しています。脱離とは、固体表面から粒子が放出されることを指しますが、入射粒子によって固体中の原子が励起し、そのエネルギーが運動エネルギーに変換されて脱離する現象を電子遷移誘起脱離といいます。私は電子をNe固体に入射し、脱離したNeの励起原子を測定しています。分かりやすくたとえると、力士に一円玉を当てただけで力士が吹っ飛ぶのと同等の不思議な現象。励起と脱離の間に何が起こっているのかを解明するため、実験に取り組んでいます。

■卒業後の進路
幅広い業界のシステムを作るIT企業に就職し、システムエンジニアとして働きます。システムエンジニアは、プログラミングだけでなく、お客様が何に困っていてどのようなソリューションを求めているかをヒアリングすることも重要です。入社後は、一人でも多くの人の役に立つものを作ることを目標に、実験で培った課題解決能力や論理的思考力を生かし、最適なシステムを提案・開発していきたいと考えています。

理学部化学科4年次 森田 悠斗さん(東京都 小金井北高等学校)

■おすすめの科目
「無機化学」は周期表上にある全元素が研究対象であり、周期表における傾向などを把握することで各元素の性質を理解することができます。原子の電子配置という基礎から学び始めたのですが、その基礎部分がいかに重要か気づくことができました。無機化学の学びは卒業研究にもとても生きていると感じます。

■研究テーマ
クリーンな再生可能エネルギーへの転換が声高に叫ばれており、特に水素に注目が集まっています。可視光を用いて水から水素と酸素に分解するという方法がありますが、コスト等の観点から実用には至っていません。このような背景から、私の所属する研究室では水素発生や酸素発生、二酸化炭素還元などの研究を進めています。私は水の酸化反応をテーマに研究しており、効率的に水の酸化を触媒する二核ルテニウム錯体の開発に挑んでいます。難易度の高い化合物の合成を行っていますが、やりがいがあります。

■学科での学びをとおして得たもの
一つの実験に臨む準備としてさまざまな論文を読み、必要な情報を収集します。そのため、文献調査能力と論理的な思考能力が自然と身につきました。特に大きく成長したと感じるのは、化学に対する見方が変化したこと。高校までは暗記主体でしたが、しっかりとした理屈や理論をベースに基礎を学ぶことで、化合物の構造や特性、それによって決まる反応機構などを理解できるようになりました。

理学部生命理学科4年次 一戸 謙太さん(埼玉県 春日部共栄高等学校)

■学科を選んだ理由
小学生の頃から昆虫を飼育・観察するのが好きで、今でも自宅のベランダで見つけたチョウの幼虫を成虫になるまで育てるほどです。高校で生物を学修するうちにDNAやタンパク質といったミクロな世界にも興味をもち、大学では生物を観察するだけでなく、自分でDNAを編集するような研究を行ってみたいと考え、本学科を選択しました。

■学科での学びをとおして得たもの
高校までの生物では、化学、数学、物理など他の科目が絡むことはほとんどありません。しかし大学では、タンパク質の反応速度を物理の視点で学び、反応の式や計算には数学を用います。DNAやタンパク質の結合を考える際は、水素結合や共有結合といった化学的な知識が必要です。分子生物学はさまざまな分野の上に成り立つものであり、他分野の知識を取り入れることでより深く学修・研究できるということがわかりました。

■研究テーマ
分子進化工学に関する研究をしています。試験管内で発現させたタンパク質とその合成に使用されたDNAを同時に回収し、より優れた機能をもつタンパク質を合成するDNAの塩基配列を得ることをめざしています。合成DNAを用いた遺伝子(タンパク質)発現までは成功しており、今後は発現に用いられたDNAと発現遺伝子を、効率よく回収する方法を探っていきたいです。この技術が確立されれば、病原体を撃退する能力が高い抗体を効率よく合成でき、多くの人の命を救う手助けができると考えています。

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