文学部を選んだ理由

学部別在学生インタビュー(大学案内2020)

2019/05/20

立教を選ぶ理由

OVERVIEW

文学部に所属する在学生にそれぞれの学科を選んだ理由などを聞きました。

文学部キリスト教学科4年次 長谷川 叶子さん(神奈川県 平塚学園高等学校)

■キリスト教学科を選んだ理由
マタイによる福音書の中で、キリストは「隣人を自分のように愛しなさい」と説いています。相手を思いやる「隣人愛」をはじめとしたキリスト教の教えを学問として探究しながら、対人関係や人としてのあり方を学びたいと思い、本学科を選択しました。少人数のため、先生方からきめ細やかな指導が受けられる点も進学を決めた理由の一つです。

■学科の魅力
先生と学生の距離が近く、和気あいあいとした雰囲気の中で、皆で一緒に一つの授業をつくり上げている感覚があります。さらに、3年次春学期から4年次秋学期に履修する「演習」は、さまざまなテーマで開講される科目から最大4つまで選択することができます。自分の興味・関心に応じて複数の領域を掘り下げて学ぶことができるのも、この学科の魅力だと思います。

■おすすめの科目
キリスト教の視点から、さまざまな性のあり方について考える「キリスト教学講義35」です。この科目では、「性」を表す英語「Sex、Gender、Sexuality」の違いを理解した上で、この3つの性に対してキリスト教はどう考えてきたのか、これからどんなアプローチができるのかを学びます。自分の卒業論文テーマとも関連する内容であり、受講する中で、同性愛者に対する社会の意識を自分たちの世代から変えていく必要があると強く感じました。

文学部文学科英米文学専修4年次 穂積 晴明さん(神奈川県 鶴嶺高等学校)

■英米文学専修の魅力
1年次から履修可能な「文学講義」は、文学部の他学科・他専修の150に及ぶ科目を自由に選択できます。英米文学・文化や英語を学びながら、フランス文学や教育学などの授業を受講することで、視野が大きく広がりました。また、本専修の先生方はフランクな方が多く、プライベートの悩みに乗っていただくなど、人生の師と呼べる先生に出会うことができました。ゼミ生が先輩後輩関係なく集まって食事をする機会などもあり、豊かな人間関係を構築できる学科だと思います。

■専修での学びをとおして得たもの
最大の学びは、批判的思考力が身についたことです。ゼミナールで「なぜ英語が世界共通語になったのか」を考察した際に、「英語が共通語として広まる一方で、使われなくなって消えてしまう言語もある」という問題も取り上げました。言語がなくなるということは、固有の文化が永遠に失われるということでもあります。英語が好きだという一心で学び続けてきましたが、冷静に捉えて別の側面を知ることの大切さに気づくことができました。

■研究テーマ
「人の編集力」全般に興味をもっています。言語は古代からの編集によって、語彙が増減し、文法が整理され、発達と衰退を繰り返してきました。文学や宗教、文化も同様に、さまざまな編集を経て現在に至っています。人がどのように世界を変え、物事を生み出し、問題を解決するのか。そうした人の編集の歴史について、言語や文化を広く捉えて考察したいと考えています。

文学部文学科ドイツ文学専修4年次 杉浦 里紗さん(静岡県 掛川西高等学校)

■ドイツ文学専修の魅力
1年次でドイツ語圏の言語や文化、歴史を幅広く学んで基礎を固め、2年次から興味のある分野を自由に選択できる点が魅力だと思います。私は語学力を伸ばしたいと考え、ドイツ語の授業を重点的に履修しました。さらに、他の文学部の学科・専修の科目も履修することができ、文学・文化を比較することで、学びを一層深めることができたと感じます。また、先生方はいつも真摯に質問に応じてくださり、学生が自分で考えて答えを導き出せるようヒントを与えてくださいます。

■おすすめの科目
1年次の必修科目で、4年間の学びの土台となった「ドイツ語圏文化概論」です。ドイツだけでなく、ドイツ語圏の他の国々にも目を向けて、歴史や文化、文学、言語に関する基礎知識を学びました。高校までは一つの国や地域に着目することはなかったため、とても新鮮だったのを覚えています。また、「この事象が起こったため、この技術が発展し、文化として育まれた」といった流れや結び付きを知り、歴史的な事柄が社会に溶け込んで文化となっていくさまを理解することができました。

■研究テーマ
言語文化研究のゼミで、“Deutsche Erinnerungsorte”(『ドイツ記憶の場』)というドイツ語文献の講読を通じ、近代ドイツの歴史・文化に対する価値観の変遷を考察しています。たとえば、プロイセン王国の首相ビスマルクについては、在職中と死後で、あるいはドイツとフランスとで評価が分かれます。歴史的事柄や人物に対する人々の考えの変化や社会への影響を追い、何十年、何百年前から現在に至るまでの「過程」に着目して研究を行っています。

文学部文学科フランス文学専修4年次 千野 楓さん(埼玉県 春日部共栄高等学校)

■フランス文学専修を選んだ理由
高校時代は吹奏楽部に所属しており、フランス小説「レ・ミゼラブル」の舞台・映画音楽を演奏する機会がありました。物語を把握するために映画を鑑賞したのですが、大きな感銘を受けて作品の虜になりました。原作の小説や著者ヴィクトル・ユゴーの他の作品を読み進める中で、「フランス文学を原文で読み、書かれた当時の文化や社会を知りたい」という思いが芽生え、本専修に入学しました。

■専修の魅力
学びの対象やアプローチが幅広い点が魅力だと思います。フランス文学・文化だけでなく、フランス語を学ぶ科目も充実しており、毎年夏にフランスで行われる3週間の語学集中講座にも参加できます。ゼミナールでは受講者同士が積極的に意見を交わしやすい雰囲気があり、先生方は学生の声に耳を傾け、一人ひとりの発言に対して丁寧に意見を述べてくださいます。

■研究テーマ
「Mode」、つまり「流行」について研究するゼミナールに所属しています。学び進める中で男装の女性作家ジョルジュ・サンドの存在を知り、19世紀当時のフランス社会において異性装がどのような意味をもっていたのかを探究したいと思い、研究テーマに選びました。流行の逸脱ともいえる男装は、男性からの自立を意味していると考えています。反対に、流行の服装は、女性の自立を自然と抑制しているのではないでしょうか。これらの観点をふまえ、男装の意義や重要性について研究を進めています。

文学部文学科日本文学専修4年次 長谷川 笑里さん(東京都 都立武蔵高等学校)

■日本文学専修の魅力
授業をとおしてさまざまな文学作品に触れることができるため、常に「もっと学びたい」というモチベーションが湧いてきます。また、文学作品や文学史を学ぶ科目だけでなく、日本語学の科目も充実しており、幅広く学んだ上で自分の関心のあるテーマを見つけることができます。少人数で議論を交わす演習形式の科目もあり、あまり人前で話すことが得意でなかった私も、自然と積極的に発言できるようになりました。

■おすすめの科目
「入門演習」と「日本語学概論」です。1年次必修の「入門演習」は、特定の文学作品を分析・考察して発表する科目で、文学研究の基礎となる知識や調査の仕方を学ぶことができました。「日本語学概論」では、普段当たり前のように使っている日本語という言語について、さまざまな角度から分析・考察しました。この科目をきっかけに日本語学に興味をもち、現在は専門的に学んでいます。

■卒業後の進路
日本文学に興味をもったのは高校時代の国語の先生の影響が大きく、「自分も先生のようになりたい」と思い、教員を目指して入学しました。しかし、教員免許取得のための勉強を進める中で、科目指導だけでなく進路についてもしっかりアドバイスできる教員になりたいという思いが生まれました。そのため、卒業後はまず社会に出て社会人としての経験を積んでから、教壇に立ちたいと考えています。どんな環境であっても、言葉のもつ力や言葉の大切さを忘れずに、4年間で培った目の前の課題に真摯に向き合う姿勢を大事にしていきたいと思います。

文学部文学科文芸・思想専修4年次 栗原 慎治さん(東京都 國學院久我山高等学校)

■文芸・思想専修の魅力
単一の思考・興味をもつ学生が集まるのではなく、それぞれ関心のある分野が異なっている点が魅力だと思います。私は史学の分野を重点的に学んでいますが、演劇や文学、哲学などに関心をもって学んでいる人もいます。異なる知識や考え方をもつ者同士で議論を交わす機会も多く、お互いに刺激を与え合い、研鑽し合うことができていると感じます。また、学生の幅広い興味や好奇心に応えるために、先生方は手厚く指導にあたってくださいます。少人数ということもあり、着実に自分の力を伸ばせる環境だと思います。

■おすすめの科目
多くの学びを得た科目は、「身体の表象」をテーマとする「演習 F30」です。毎回その回の担当となった学生が特定の作品について発表し、全員で議論を行うゼミ形式の授業で、多くの作品に触れる機会に恵まれました。私が発表を担当したのは、川端康成の『雪国』とアントン・チェーホフの『ともしび・谷間』などの作品です。自分とは異なる観点から意見をもらえたこと、逆に自分が聞き手の際には指摘を行ったことで、より深い理解につながりました。

■学びをとおして得たもの
もともと小説や史料を読むのが好きだったため、「読む力」は身についていたと自負しています。それに加え、時間をかけて一つの事柄を考察し、レポート作成や議論を行う本専修での学びをとおして、「聞く力」と「書く力」、そして「意見を発信する力」が鍛えられました。また、多くの作品や友人・先生方の多様な考え方に触れることで、さまざまな角度から、多層的に物語を感じることができるようになったと思います。

文学部史学科4年次 川邉 貴史さん(新潟県 佐渡高等学校)

■史学科の魅力
本専修では、気軽に先生の研究室を訪ねることができる「オフィスアワー」という時間が設けられています。講義で気になったことを質問するために訪問した際は、研究書を貸してくださったり、関連する分野の他大学の先生を紹介してくださったりと、とても親切に対応していただきました。学生の成長を手助けするのが楽しくて仕方ないという「学生思い」の教員が多い印象です。

■おすすめの科目
サンフランシスコに1週間滞在した「フィールドワークⅠ1」が印象的です。期間中、午前中は全員でLGBT理解促進のためのツアーに参加したり、日系移民2世の方にお話をうかがったりし、午後は関心のある分野について個人で調査を行いました。私は先住民に興味があったため、かつて先住民が自分たちの権利を取り戻すために武装して占拠したアルカトラズ島を訪れました。しかしその痕跡は見事に消されており、日本での事前調査では分からない観光地サンフランシスコの影の部分を知ることができました。

■研究テーマ
アメリカ史について研究しています。世界的に大きな影響力をもつアメリカについて考察することは、現代社会をより深く理解することにつながり、日本社会の進む道について考えるきっかけになると感じています。さらに、ゼミ合宿で沖縄に行った際、米軍基地が全ての根幹にあることを実感し、アメリカ史の研究で得た知見をもとに沖縄について探究してみたいと思いました。現在は明治維新以降の近代沖縄教育史について研究を進めており、昨今の沖縄情勢をふまえても、やりがいのあるテーマだと考えています。

文学部教育学科4年次 進士 あかりさん(東京都 東京家政学院高等学校)

■教育学科の魅力
1・2年次で教育学の諸領域を幅広く学んだ上で専攻を選ぶため、興味のある分野や進路をじっくり決めることができます。また、教職課程の科目と学科の科目の多くが重複しており、教員免許を取得しやすいのも魅力だと思います。学生は意欲的な人が多く、授業でディスカッションをする際には活発な発言が飛び交っています。学科全体で仲が良く、学生同士で自主的に勉強会を開き、意見交換をすることもあります。

■研究テーマ
歴史社会学のゼミナールに所属し、学校における体罰問題に着目して研究を進めています。3年次には、体罰禁止を制定した法律や体罰が行われていた社会背景、教員や社会の「体罰」観の変遷について分析しました。4年次では、具体的な体罰事件を取り上げ、メディアの取り上げ方に焦点を当てて卒業論文を執筆しています。

■卒業後の進路
卒業後は県警職員として働く予定です。部署によって業務内容はさまざまですが、学科では体罰問題や不登校、いじめの問題に興味をもって学んでいたため、将来的には少年犯罪の統計資料の作成や犯罪調書の作成に携わることを目標にしています。大学で培った力を生かし、さまざまな視点から物事を見極め、適切に対処できるよう努力を続けたいと思います。

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