古豪復活へ新たな歴史の一歩を刻め これが立教男子駅伝チームの強みだ!

体育会陸上競技部

2019/10/21

アスリート&スポーツ

OVERVIEW

立教大学は、2024年の創立150周年に向けた記念事業として、同年1月に開催される箱根駅伝第100回大会での本選出場を目指す「立教箱根駅伝2024」を2018年11月にスタートさせた。
古豪復活を目指す駅伝チームを率いるのは、箱根駅伝に4年連続で出場、卒業後は、わが国の中長距離界のエースとして活躍した上野裕一郎男子駅伝監督。
来年3月には、選手専用の寮も完成する。10月26日に行われる箱根駅伝の予選会を前に、駅伝チームの活動1年目を振り返る。(文中敬称略)

「憧れの箱根駅伝」が現実の目標に

2年生 馬場勇希

立教大学体育会陸上競技部の創部は1920年、箱根駅伝が始まった年と重なる。箱根駅伝には、34年の第15回大会で初出場し、57年の第33回大会での総合3位を最高に通算27回の出場を誇る伝統校だが、68年の第44回大会を最後に出場は途絶えている。

実際、選手にとって、箱根駅伝は遠い存在だった。
「立教箱根駅伝2024」が始まる前に入学した2年の馬場勇希(ばば・ゆうき)(現代心理学部映像身体学科)は、「箱根駅伝は憧れの存在ではありましたが、やはり心の中でどこか一線を画す部分があって、自分が在学中の本選出場は『むずかしいだろうな』という気持ちは持っていました」と話す。

ところが、「立教箱根駅伝2024」のスタートで状況は一変した。馬場は、こう続ける。
「上野監督が就任してから10か月、自分も含め、ほとんどの選手がタイムをアップさせ、自己記録を更新しています。チーム力は目に見えて上がっている。箱根駅伝を現実のものと考えるようになりました」

強化への戸惑い 主将の声かけで変化

4年生 主将 増田駿

9月に行われた記録会では、チームの実力を測る一つのバロメーターとなる5000m走14分台を出す選手が続出。今年の目標である予選会20位以内は、「十分、狙える位置にいます」と4年の主将・増田駿(ますだ・たかし)(経営学部経営学科)は力強く語る。

とはいえ、最初からチームが「一枚岩」だったわけではない。チーム強化のために、以前より練習量が増えることは間違いない。新たに始まる寮生活への不安もぬぐえなかった。

主将の増田は、こう当時を振り返る。
「僕自身、陸上が大好きなので、わくわくした気持ちでしたが、メンバーそれぞれに様々な思いがあって、場合によっては、チームが割れてしまうのではないかという懸念はありました。僕は主将として、とにかくコミュニケーションをとることで、戸惑っているメンバーに前向きになってもらえるよう、はたらきかけました。全体ミーティングで意見を募っても、なかなか言いづらいでしょうから、『じゃあ、きょうは一緒に走ろう』とか、『ご飯を食べに行こう』とか、個別に声かけして、みんなの考えを聞くことを続けました」

監督とのコミュニケーションもプラスに

1年生 金城快

主将の増田の「声かけ作戦」は徐々に功を奏し、最初戸惑いを見せていた選手も、次第に前向きになってくる。

「9月の記録会では、最初前向きでなかった選手も何人か自己記録を更新し、中にはゴールの瞬間、ガッツポーズをした選手もいました。それを見ると、『自分の取り組みもむだではなかったんだ』と思えて、とてもうれしかったですね」

現役ランナーの上野監督はまだ34歳、おそらく日本で一番速く走る駅伝監督だろう。身近なところに、「現役トップランナー」がいることが、選手に好影響を与えていることは間違いない。

1年の金城快(きんじょう・かい)(コミュニティ福祉学部スポーツウエルネス学科)は、小学生の頃から箱根駅伝に憧れ、「立教箱根駅伝2024」のことを知り、立教大学への進学を決めた。

「上野監督の現役時代の走りからは、本能に任せて走っているというイメージが強かったのですが、実際に話を聞くと、とてもち密にいろいろなことを考えて走っていることが、よくわかりました。

監督の方からきさくに話かけてくれて、僕たち選手からも話かけやすい環境を作ってもらい、ありがたく感じています。また、練習のメニューの意図をかみ砕いて説明してくださるので、競技力アップのために、本当に勉強になっています」(金城)

月800キロ走破 2度の長期合宿で得た自信

3年生 増井大介

それぞれの選手が、一皮むけたと実感することができたのが、8月から9月にかけて行われた2度の長期合宿だ。1次の山形・蔵王坊平高原、13泊14日。2次の長野・菅平高原は18泊19日。昨年の4泊5日とは比較にならないくらいの練習量を積んだ。

主将の増田は、夏合宿を振り返り、こう評価する。
「8月だけで、ほとんどの選手がトータルで800キロを走りました。昨年までは、月400キロだったので、その倍になります。もちろん、一度にそこまで増やすとけがをしますので、上野監督のメニューに従って、4月に500キロ、5月に600キロというように徐々に距離を伸ばし、最終的に月800キロにまで伸ばしました。
強豪校が行う負荷の高いトレーニングに挑戦したところ、多くの選手がクリアできなかったことがあるので、100点満点とは言えないのですが、今の僕たちの実力では合格点をもらえる内容だったと思っています」

9月の記録会で自己新の5000m、14分44秒を出し、予選会でも中心選手として他の選手を引っ張ってくれることが期待される3年の増井大介(ますい・だいすけ)(経営学部経営学科)にとっては、他の強豪校の練習風景を目の当たりにできたことが、大きな刺激になったという。

夏合宿を振り返って、増井はこう話す。
「トップのAチームでずっと継続して練習して、かなりの距離を走りこみました。結果、自己新を出すことができたので、とても充実した合宿でした。同時に、多くの大学が合宿を行っていた菅平高原では、他の大学の練習を見ることができたのも収穫でした。箱根駅伝の常連校といわれるチームの意識の高さを目の前にし、自分たちはこういう選手たちと戦っていかないといけないのかと、身が引き締まるとともに、より箱根駅伝が身近に感じられるようになりました」

強いチームに欠かせない裏方の存在

3年生 早田光佑

3人の1年生マネージャーとともに、主務としてチームをサポートする3年の早田光佑(わさだ・こうすけ)(コミュニティ福祉学部スポーツウエルネス学科)は、昨年暮れまでは選手として日々の練習に励んでいた。

主務として、裏方に徹することを決意した胸の内を早田はこう話す。

「駅伝に限らず、スポーツの強豪校には、チームを裏から支える主務とマネージャーは欠かせません。僕は高校時代、駅伝の強豪校にいて3年生の時にマネージャーを務めた経験があり、その役割の大切さに気付き、その役を担うことができるのは、チームを見渡して僕しかいないのではないかと思い、監督に申し出たのです」

主務の仕事は、練習や試合でのタイムとりや集計、選手の給水、遠征の手配、外部との折衝など、非常に幅広く、多忙を極める。その上で、監督と選手のつなぎ役という、大事な役割も担う。

1年生 松本安里奈

「監督と選手と同じ距離でいたいと思っているので、その距離感がむずかしいですね。現役ランナーの上野監督は、一緒に走って指導されるケースが多く、その際は全体を見通せないこともあると思うのです。監督の目が届かないところを僕がしっかりと見て、気が付いたことをあとで報告するようにしています。
主務としてやることは多いですが、選手が自己新を出してくれると自分のことのようにうれしいですし、上野監督の言葉の端々から、僕に対する信頼が感じられる時があり、とてもやりがいを感じています」

マネージャーとして主務の早田を支える1年の松本安里奈(まつもと・ありな)(法学部法学科)が、「私たちは、『立教箱根駅伝2024』の1期生。自分たちが、新しいことを始めようと思えば、なんでもできるはず」と言うように、どのメンバーも、新しい歴史の一歩目に関われることに喜びを感じている。

ひときわその思いが強い主務の早田はこう言う。
「僕らの時代で土台を作ります。そして、2024年、大手町のゴールを立教の選手が駆け抜ける姿を同期のみんなで一緒に見たいです」
10月26日、立教大学駅伝チームの新しい歴史の一歩が刻まれる。
※本記事は「読売新聞オンライン」掲載広告(2019年10月18日、19日公開)をもとに再構成したものです。

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