修了生紹介

西尾 克幸さん(2008年修了)

西尾 克幸さん

NTTグループ数社で勤務し、営業企画、経営企画を経て人材育成の業務に携わる。業務の傍ら、大学にて産業組織心理学を学び立教大学大学院ビジネスデザイン研究科へ進学。MBA(経営学修士)。専門は、組織行動学、戦略的HRM。2009年度日本労務学会賞(研究奨励賞)受賞。共著として『企業価値創造の経営』。産業カウンセラー、PHP研究所認定研修インストラクター(上級)。現在、NTTグループにて人材開発室主幹マネジャー。

大学院進学を決めた理由、動機

会社で経営企画業務に従事していたのですが、様々な点で行き詰まりを感じていました。あわせて「不確実性に支配される世の中」といわれる先の見えない環境変化からも将来に対する不安が増幅していました。そこで、原点に立ち返って将来のビジョンやキャリアを考えてみたとき、ビジネスパーソンとして真の武器を身につけ、自身の価値を最大化する必要性にたどり着きました。自分自身のブレイクスルーということでしょうか。そしてそのチャンスはタイミング的にみても「一度きりの人生だからこそ、気づいた今がベスト。」と進学を決断しました。

Q 立教大学大学院ビジネスデザイン研究科を選択した理由

通学利便性が高いこと、ゼネラリスト的に幅広く学修できるという二点に集約されるでしょうか。正直に申し上げると、当初は会社と自宅の中間という立地条件だけを重視していました。原則仕事をしながら2年間通い続けるわけですから、無理なく通学することは重要なファクターとなります(それでも同期生や先輩には厚木や佐野、広島、果ては上海!から通学していた人もいましたが)。

しかし、入学説明会に出ると考えが一転。まずは説明会での亀川研究科委員長が言われた「ゼネラリストのスペシャリスト育成」というキーワードが心に刺さりました。次に先輩方に院生室へ案内していただき、そこでイキイキとキーワードを体現している姿を見た時点で本学への入学を決意しました。立教大学の精神である「自由の学府」が基盤となって、自分たちが主体的に大学院生活をデザインするスタンスがコアコンピタンスになっていると感じたのです。さらに、図書館が複数の大学院と連携していること(山手線コンソーシアム)、グッドデザイン賞の11号館と古い歴史のある本館などとのコントラストにも強く惹かれました。ビジネスの延長でありつつも、オンとオフのスイッチを切り替えながら学ぶところですから、やはり居心地の良い空間がいいですね。そういう意味でも最良の選択をしたと思っています。

本研究科で何が習得できたか、何を得られたか(知識、スキル、その他大学院生活から得られたもの)

MBAは経営に関するゼネラリストを養成するための教育プログラムであり、「ヒト」「モノ」、「カネ」、「情報」、「時間」というリソースを体系的に学ぶことが出来ます。

私は積極的に学修し58単位を取得したのですが、入学当初に自身の苦手分野にもチャレンジしていくようにとの指導があったおかげで、経営スキル全般の底上げが図れました。とりわけ、コンサルティングメソッドでは実際の企業にコンサルティングを行い、企業分析、業界分析から導き出した提案をプレゼンテーションします。これは、実業で体験できないことであり、今でも貴重な経験となっています。修了後も更に自身を磨くため、ビジネス・イノベーション研究会で企業コンサルティングを約2年間実施しています。また、論理構築力や分析力、限られた時間をコントロールするタイムマネジメント力などが定着したことも大学院での効果であったと思います。正直なところ、MBAを取得しても今の日本ではそれ自体に極めて高い価値があるかというと疑問だと思います。要するに、社会から求められるのは「自分自身に何が備わっており、何が提供できるか」だと思います。

大学院生活では、ビジネスデザイン研究会、企業価値研究会、BIZCOMの編集委員などにも携わりました。正直なところ、かなりハードな2年間ですが、主体的かつ肯定的に取り組んでいくことで、プライスレスな付加価値を得ることができます。もちろん、学内外の人脈形成にも大いに役立ちました。

大学院での勉強は現在の仕事、今日のあなたにどのように役立っているか。

大学院修了後、その学びを活かし自社分析を実施、人的資源の最大化を主眼とした人材開発室の設置を提案しました。分析から課題解決までの論理プロセスが明確であったと評価され、人材開発室の設置が実現し、私自身が当室の実行責任者として異動になりました。現在は社内外への研修企画や研修設計、研修講師として登壇もしています。

また、修士論文をベースとした実証研究で学会発表を行い、日本労務学会研究奨励賞を受賞いたしました。本研究が社会的に有用であると評価され、名誉ある賞を頂くことが出来たのは、大学院において研究に対する方法論やマインドを学修したことに尽きます。この出来事は、私に驚きと感動、そして大きな自信をもたらしました。

これらを契機として、さらに最近では人材開発での成果が徐々に出始めたこともあり、雑誌取材の話を頂いたり、研修講師としての評価認定を頂くなど、新たな可能性がさらに拡がりつつあります。

今後のキャリアプラン、展望

今の現状に決して満足していません。私が日頃意識しているキーワードは「成長」と「貢献」です。自分が常に成長し続ける環境にセットすること、そして企業というフレームを超えた社会への貢献をテーマに更に高みを目指していきたいと考えています。具体的に言えば次の二点となります。一点目は、現在の業務の中で、より高度で戦略的なプランをデザインし、関わりのある企業の業績を持続的に成長・発展させていくこと。もう一点は、研究テーマでもある日本型リーダーシップとモチベーション・マネジメントに関連した研究を深く掘り下げていくことです。大学院で学んだ知識は使わなければすぐに陳腐化してしまいますし、常に変化し続けている現代社会に対応していくためにも、恒常的に学び続ける必要があると思います。自分の研究を極め、社会へ寄与していくためにも博士後期課程への進学も視野に入れています。

大学院で共に学んだ同期からは、成長企業への転職、会社役員への昇格、大学で教員に就任するなど非常にエキサイティングな刺激を受けています。私も彼らに負けないように自分の価値を高めていきたいと思います。