修了生紹介

  • 粟屋 仁美さん 井上 裕司さん 崔 漢拏さん 佐藤 絢香さん 鈴木 幹一さん 清 公夫さん
  • 永岡 英則さん 西尾 克幸さん

粟屋 仁美さん(2007年修了)

粟屋 仁美さん

2010年ビジネスデザイン研究科博士後期課程 ビジネスデザイン専攻修了 博士(経営管理学)
1989年から2001年3月まで、マツダ株式会社勤務
2001年から2015年3月まで、比治山大学短期大学部准教授
2011年から2015年まで、広島ホームテレビ Jステーションコメンテータ
2016年から敬愛大学経済楽部経営学科教授
その他 立教大学、明治学院大学、広島修道大学等で非常勤講師

大学院進学を決めた理由、動機

私は経営学の理論と実践を体系的に学ぶことを目的とし,大学院に進学しました。進学を決めた理由は次の二点です。自分の疑問を解明したかったこと,経営学の知識を有する必要に迫られたことです。
私は文学部(国文学科)を卒業後,自動車メーカーに勤務し,企業の社会貢献,地域貢献の業務に携わっていました。当時は現在のように「CSR」の文言が世の中に流布しておらず,社会に存在する使命として企業は社会貢献,地域貢献を担うのだと上司に言われながら働いていました。しかし私は業務を遂行しながらも,この指示に疑問を覚えていました。企業の社会に対する貢献や責任概念の理解はもちろんこと,企業の存在意義は何か,という大きな問題意識を常に私は抱えていました。

そうこうしているうちに,ビジネス実務の教育に携わることができる女性の企業人を探していた地元の私立大学(現在の勤務先:比治山大学短期大学部)より,縁あって声をかけていただきました。2001年より私はその私立大学に常勤講師として勤務することになるのですが,学生への教育内容が企業での就業経験を背景にしたもののみであるということは,高等教育機関の教育者として継続するには限界があることを悲しいほどに痛感しました。

社会から認められるレベルでこの仕事を全うするためには,経営学の体系的な理解や知識の習得,その成果としての学位の取得が求められます。したがって私は大学院に進学することにしました。このように必要に迫られた上での決断でしたが,それは自分自身が長年抱える“企業とは何か”の疑問を解明する絶好のチャンスでもありました。

Q 立教大学大学院ビジネスデザイン研究科を選択した理由

理由は三点あります。

私が長年抱える“企業とは何か”の疑問を解明し、責務としての仕事(講義や演習)をこなすには、学術的な理論と、実践的な知識や技術の両方の習得が必要でしょう。それらはビジネスデザイン研究科のカリキュラムにおいて可能であると思われました。ここに一点目の理由があります。ビジネスデザイン研究科のカリキュラムの内容については、同研究科1期の修了生だった先輩より事前に聞き及んでいました。

また私の期待する学びに加え、尊敬できる先生や研鑽し合える仲間との出会いも非常に魅力的であることを同先輩より伺いました。自己成長につながる知的興奮を伴った出会いを求めたことが二点目の理由です。

そして効率的に学ぶことが可能である履修システムをビジネスデザイン研究科が有していたことが三点目の理由です。私の居住地や勤務先は広島ですから、移動距離等考えれば立教大学のキャンパス内で学びに使える時間は限られます。そうした条件下において、当該研究科では、金曜日、土曜日をフルに活用すれば、最低限の修了単位が修得できました(修士時代は職場の配慮で金曜日を大学院の学びに活用していました)。ここでいう効率的とは、履修のために立教大学のキャンパスに滞在しなければならない必要最低時間が、広島から通学する私も可能な時間であったという意味です。もちろん実際に研究や学習に要した時間は膨大です。立教大学のキャンパス外より電話やメールで先生方や仲間に連絡を取りながら学んだ時間は、測り知れません。距離的にハンデのある私に不具合が生じないよう、先生方が個人の環境に合わせて指導をして下さり、事務の方々も何かと配慮してくださったことに感謝しています。

本研究科で何が習得できたか、何を得られたか(知識、スキル、その他大学院生活から得られたもの)
得られたものは、大きく分けて3つあります。
一つ目は、学問をすることの喜びを知りました。経営学や経済学の知識はもちろん、物事を見る際の多様な視点、熟考する精神力、論理的に物事を考える手法など得られたと思います。もちろん、まだまだ力不足でありますが、当該研究科での学びの経験より「学ぶ門には福来たる」と造語し、私の座右の銘としています。また長年抱えていた“企業とは何か”の疑問、この結論はまだ出ていませんが、何らかの解を導出するための道筋は学びました。

二つ目は、切磋琢磨できる仲間です。先輩、同期、後輩と、年齢や性差を超え議論できる仲間がいることは、人間としてとても喜ばしいことです。議論は傍からは喧嘩をしているように見えることもあるようですが、そうではありません(笑)。

三つ目は、何より尊敬する先生方との出会いです。特に指導教授の亀川雅人先生には経営学はもちろんのこと、研究者としての考え方、心構え、作法などを人生哲学も含め合わせて背中で教えていただきました。
学問にいそしむことにより、これまで不平不満に感じていた毎日の些事が、全く気にならなくなりました。まさに「学ぶ門には福来たる」です。

大学院での勉強は現在の仕事、今日のあなたにどのように役立っているか。

仕事(比治山大学短期大学部の准教授)において大学院での勉強はすべて役に立っています。まず、学位をいただいたことにより、「企業あがりの先生」から、「一研究者」として職場で認識されるようになったと感じています。私自身の行う教育の質も随分変化したと自負しています。有する理論や知識が増えたことによる内容の充実や、因果関係を明確にしながらの体系的な説明など、私がビジネスデザイン研究科入学前に思い描いていた実務と理論の融合した教育の姿に近づきつつあります。もちろん、まだまだ修行の余地はあります。

また何より研究が楽しくて仕方がありませんから、研究が仕事を超越して私のライフワークとなりました。このように考えれば、大学院での勉強は、仕事の側面だけではなく私自身の人生や人生観に大きく影響を与えたと言えます。勉強嫌いだった学部生時代の自分と比較すれば、別人のようです。

今後のキャリアプラン、展望

今後のキャリアプランを述べるならば、現在の研究職を精力的に継続することでしょう。できれば、ビジネスデザイン研究科で学んだ内容を生かすことができ、自らの研究にも寄与するような教育をしながら研究をしたいと考えています。