委員長挨拶

委員長

立教大学大学院ビジネスデザイン研究科は、2002年に社会人のためのMBAコースとして開設されました。2007年にはDBAコース(博士課程後期課程)が設置され、高度専門職業人のあり方を追求する研究教育機関として発展しています。その目的は「真のゼネラリスト」となる「ゼネラリストのスペシャリスト」を養成することです。「ゼネラリスト」という言葉は、専門的知識を持たない人々を揶揄する言葉として使用されることがあります。しかし 、ビジネスデザイン研究科の目指す「ゼネラリスト」は、専門化した各職能(機能)を有機的に結合し、創造的な意思決定を行う人材を指します。各機能は高度に専門化を進めることで、仕事の内容は深化しますが、他の仕事との間の溝も深まり、ときに相互関連性を見失います。 各部署のコミュニケーションがなされねば、組織は目的を遂行することができません。目的を見つけることも難しくなります。こうしたコミュニケーションを円滑に行い、組織を進むべき方向に導くのが「真のゼネラリスト」なのです。

コミュニケーションには「言葉」が必要です。ビジネスデザイン研究科の教育は、この「言葉」を学び、考えることから始めます。共通言語を習得することで、多種多様な知識と経験を有する社会人の知的交換が可能になります。異なる種類のメガネを手に入れることで、今まで見えなかったものが見えるようになり、広い視野が与えられるのです。いわゆる複眼的な思考の修得です。職場では、専門性が追求されます。経験をつみ、熟練度が高まれば、意識することなく自然に身体が動き、効率的に仕事をこなすことができます。企業にとっては、コアコンピタンスとなり、企業の強みとなる価値の源泉です。しかしながら、専門性が高まれば視野は狭くなり、熟練度が高まれば思考は止まります。ビジネスデザイン研究科は、単に視野を広げるだけでなく、知識や経験の相互関連性を意識させる学習で、自身の専門性や企業の役割を再発見する知識の質的転換を図ることになります。

実務型教育は、物事の本質や真理を追求する姿勢なしには短期的なハウ・ツー教育、あるいはマニュアル的な反復教育になりかねません。即座に役立つ実務的教育は、即座に教育効果が失われるのです。無批判に現状の活動を是認せず、一つ一つの行動や活動を研究対象として俯瞰することができる。日常的に繰り返してきた活動を異なる尺度や視点で見ることで、新たな理論の創造や理論に裏打ちされた活動を選択できるのです。物事の本質を探究する姿勢を学ぶことにより、環境変化に対応できる創造的な知識を体得でき、自らが考える自立した個人を養成することができます。それは人間力の涵養に他なりません。これがビジネスデザイン研究科の教育目的なのです。

研究科委員長 亀川 雅人

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