
仕事世界を通じて生きることや社会の仕組みを考える
河口湖での合宿を終えて、二日間の長い報告会の後でも笑顔!!
働くことは生きることです。どう働くかは、どう生きるかにつながることです。李ゼミは、働くことの研究を通じて、生きることや社会の仕組みについて考えるゼミです。
近年、フレキシブルかつ自由な働き方、仕事における自律、企業から自立した仕事人、仕事の趣味化、などのフレーズをよく聞きます。これらのフレーズはここ20数年間仕事の世界で起こっている諸変化を部分的には表しています。
ゼミでは、労働・仕事・雇用システムにおける近年のドラマティックな変化について考察した上、「ワークシステムの変化の下で労働者は主体的に働けるか」、「サービス労働における労働のルーティン化や感情労働の企業による管理は労働者のアイデンティティにどのような影響を与えるか」、「なぜ労働者は長時間労働するか」、「ワークとライフのバランスの取れた働き方をするためにはどんな政策が必要なのか」、「職場で労働者はどのようにジェンダーをやっているか」など、労働社会学の長年のイッシューはもちろん現在のホットなイッシューを取り上げ、議論します。
ゼミでは、議論にとどまらず、実際企業や労働者に対しインタビューを実施し、議論と調査を結びつける作業を行います。現在新自由主義の弊害として議論されている「格差社会」も、実は仕事世界の変化の結果でもあります。ゼミの皆さんには、仕事についての考察を通じて、仕事の意味や社会の仕組みを知ってもらいたいと思います。
2010年度は、企業の社内イベントや社員間のインフォーマルな活動、新しい労働者連帯組織や外国人コミュニティ、働く人の自立と自立支援制度、ワークライフバランスと従業員の自立・協力、企業社会における閉塞感、労働者の自主性や労働意欲に影響するマネジメントなどについて、ゼミ生がインタビューや2次データ分析などの研究方法を用い研究を行い、「仕事世界における働く人たちの自立と連帯」という報告書を刊行しました。
2010年度ゼミ生の一言
- このゼミを通して得るものはたくさんあった気がする。また、たくさん議論し、飲んで語り、一緒に研究し励まし合うことのできる仲間と過ごした合宿は、とても楽しかった(上野俊祐)。
- タクシー乗り場で直接インタビューの意図や意味を説明し協力を頂いた時は非常に嬉しかったです。また、先生の協力を頂きあるタクシー会社の常務さんと話し合うことができたのは私にとっていい糧になりました(李 成訓)。
- 就職活動をする傍らで労働について見つめることで、自分自身がこれから労働環境をどう見ていかなければいけないのがわかりました。企業に対する第三者的目線を持てたのはいい機会でした(大橋駿介)。
- 労働関係のニュースがよく目につくようになりました。直接会ってインタビューをした方の発言というのは生かせる部分が多くあり、直接会ってお話を聞くことの重要性を感じました(金子万利奈)。
- 学生の立場では関わる機会がない役職に就かれている方と働く社員の方とお話をさせていただけたことは、研究の参考となるだけでなく貴重な経験になったと思います(亀山舞)。
- 自分の興味や不満の対象を把握し、それを自ら掘り下げていくことの面白さを実感できる研究でした(川口菜津美)。
- ゼミのメンバーの論文や、自分が参考にした文献などによって、労働問題や雇用問題に対する知識や関心は高まったように思います(斎藤隼)。
- インタビュー調査に最初は抵抗感がありましたが、終わってみると案外楽しいもので、インタビューを通して、多くの人の、自分とは違った価値観に触れられたなと思います(田中光介)。
- 「今後私が直面する労働という行為を社会学で捉えてみたい」と思い、このゼミを選択しました。ゼミを通して得たことは、独りよがりな解釈ではなく他人に理解してもらえるような理論的な説明力を少しつけることができたかなと思います(棚橋 拓也)。
- 三年ゼミ研究を行って、現代の職場の現状や雇用制度を知ることができ、これからの就職活動や社会に出た時に、自分が雰囲気を変えるくらいの気持ちを持ちたいと思いました(那賀 裕司)。
- SPSSの二次分析という方法で研究し、仮説通りの結果が出たり予想外の結果が出たりしたことがとても興味深かった。李ゼミはオンオフの切り替えがとても上手で、飲み会や合宿では普段の授業中の真面目な雰囲気からは想像できないほど盛り上がり、とても楽しかったです(中谷あゆみ)。
- 研究の中で最も難しかったのがインタビュー調査だった。私の質問の意図にうまく答えていただけるコミュニケーションをとるのは大変だったが多くのことを学べたと思います(中山紗也子)。
- このゼミを振り返り、私は本当に多くの文献を読んだなと感じます。そのおかげで、真摯に労働社会学に向き合うことができ、今後労働と関わって生きていくであろう私の人生にとてもプラスなものになったと感じています(濱野康太朗)。
- インフォーマル活動や労働基準法、ユニオン、ワークライフバランスなどテーマが幅広かったため、毎週新しい知識や考え方を身につけることができました。ゼミ生の連帯が強まっていく気がして、飲み会や合宿も楽しく過ごすことができました(平賀翔子)。
- 先生や山口さん、他のゼミ生からよい刺激をたくさん受けてきたように思います。時には作業が思うように進まず、不安になったこともありましたが、それを乗り越えたことで大きく成長できた1年間でした(廣瀬恵)。
- 労働社会学は、抽象的に考えることが多い社会学の中でも具体的に、現実的に思考する学問です。しかし、労働という具体的なテーマだからこそ社会学で培ってきた抽象的な思考を駆使するとことに価値があるのだと感じました(若鍋多聞)。
- 1年間、長いようで短かったです。自分の調査で見えてきた問題、他のゼミ生が明らかにした問題を踏まえてこれからも労働社会学を深く研究していきたいです(和田美菜子)。
2010年度卒論題目
| 卒論題目 |
カフェ従業員の感情労働―大衆に立ち向かう感情表現の可能性
現代日本における個人と自由
ブラック企業の一考察
若者の労働意識と二極化
資本主義社会におけるフィットネスクラブのインストラクターの労働
香港人女性の就業継続と外国人家事労働者活用
就職活動の高負荷化が学生に与える影響
若手正社員のやりたいこと志向
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