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立教大学 大学院社会学研究科
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文化を広義に定義するなら「人間が自然とのかかわりの中でつくりあげた文物のすべて」ということになる。人類の歴史は、移動の歴史であり、移動した先々で自然と折り合い、独自の生活の仕組みを形成してきたが、この生活様式こそ文化である。それゆえ、純粋な文化というものはありえず、文化の歴史それ自体が、異文化との接触、摩擦、融合等混成の過程でもある。
今、この文化に対する関心が高まっている。世界のグローバル化の動きに伴い、人々の移動が加速化され、同一空間に異なる文化の担い手が生活することにより、異文化理解が不可欠となったからである。日本でも従来、多文化共生という言葉は地方自治体のみが使用していたが、2006年3月には中央の省も初めて使用するまでになっている。これは多文化の理解と共生が、今後の日本のあり方にとって避けられない課題になったことを意味する。
本社会学研究科の「文化」領域は、このような内外の文化研究の動向を踏まえつつ、具体的には文化の基礎研究、先住民文化の現代的意義、グローバリゼーションとナショナリズム、文化と並んで人々の行動に最深部から影響を与える宗教、文化と文学・芸術の交差、グローバル化時代におけるトランスナショナル・コミュニティや文化の生産・再生産の問題など、基礎論から個別具体的な応用編に至るまで研究の深化がはかられるよう講義と演習が組まれている。
文化研究領域専任教員/研究テーマ
阿部 珠理 教授 /文化研究・先住民文化論
研究分野はアメリカ先住民研究、マイノリティ研究。アメリカ先住民スー族を中心とする平原インディアンの民族誌的研究をしてきた。広くはマイノリティ研究の文脈にそれらを位置づけ、主流文化との拮抗、相克を通じて、マイノリティ集団が自らの民族的アイデンティティを、どのように保持し、補強してきたか、また彼らの文化がどのように変容し、またそこであらたな創造が行なわれているかをフィールドワークを通じて考えている。ことに60年代以降のエスニック・リヴァイヴァルの中で、彼らが部族を越えた汎インディアン意識を養いつつ、汎インディアン文化を創造しゆく過程とその文化の諸相を、主体的アクターの文化戦略の所産として着目している。最近はアイヌ民族を始めとする先住民族の連携の実態も調査している。
生井 英考 教授 /映像文化論・地域研究
専門は映像文化論と地域研究。前者においては、地誌・民族誌などの各種調査。写真や組織・団体等の保存映像、個人の家族アルバムにいたる歴史的なアーカイヴ映像の実地検証を中心に、「社会の境界」と「文化の境界」の一体化をめざす国民国家時代の想像力のなりたちに大きな関心を払ってきた。後者については、社会学・政治学・歴史学を主柱とする諸分野の協同と連携を重視した米国型の地域研究(area studies)の方法論と、その具体的な実践としてのアメリカ研究を機軸とする。異質性を前提とするアメリカ社会の「統合」と「多様性」をめぐる葛藤の事跡は、他の社会にとっても豊富な参照源たり得ると思われる。
小池 靖 准教授 /宗教社会学
研究分野は宗教社会学、心理主義論、文化社会学。特に精神世界、ニューエイジ運動、スピリチュアル・ブーム、自己啓発、自助グループ、ポップ心理学などをフィールドに研究をしてきた。宗教と非宗教の境界線上に位置する文化を分析することにより、現代人の規範・人間像・世界観を探ることを目指している。近年は、テレビメディアにおける宗教情報や、公共圏・親密圏とスピリチュアリティとの関係などについても調査中である。講義では映像も用いながらわかりやすい解説を、演習ではフィールド調査などを通じて自己や他者についてのより良い認識を獲得することを目標としている。
三浦 雅弘 教授 /モデル理論研究
哲学的な観点も加えながら、社会学に定位した文化論・科学論を考えている。文化論については、文学、演劇、写真などできるだけ多岐に亘るジャンルの対象を考察し、それらの社会学的意味に迫りたい。とりわけ、文化と社会との関係を考える上では、社会報道とアートという二つの相貌をもつ写真というジャンルに、力を注ぐつもりである。科学論については、従来のモデル構築を軸とする社会科学方法論の考察にとどまらず、ウィトゲンシュタインの再評価(いわゆる「知識の社会理論」)に由来する科学社会学の新しい流れを検討して行きたい。
松村 圭一郎 准教授/グローバリズム論・文化人類学
グローバル化の時代に、国家や民族/文化の境界は、いかに維持、更新されるのか。そして、人・モノ・情報が境界をこえた動きを加速させるなかで、どのように文化や知的財産を含む「資源」の所有と分配が決まっていくのか。アフリカ社会(エチオピア・ザンビア)の文化人類学的なフィールドワークをとおして、とくに資源/富の配分機構としての「国家」という制度、その領域を横断する「市場経済」や国際社会による「開発援助」という現象について、理論的考察を試みている。アフリカの「貧困/援助」と日本の「格差/福祉」という問題も、日本とアフリカを往復しながら、ふたつの社会をともに射程にいれた観点から考えていきたい。
文化研究領域開講科目
松村 圭一郎
文化研究基礎論
松村 圭一郎
文化研究特殊演習(1)
三浦 雅弘
文化研究特殊講義(2)
三浦 雅弘
文化研究特殊演習(2)
宮嶋 俊一
文化研究特殊講義(3)
小池 靖
文化研究特殊講義(4)
山下 晋司
文化研究特殊講義(5)
山下 晋司
文化研究特殊演習(5)
生井 英考
文化研究特殊講義(6)
生井 英考
文化研究特殊演習(6)