ビジネスロー研究所
法務研究科特別セミナー

開催記録(第1回~第5回)

【第1回 2004年5月21日(金)18:00~20:30 於:7102教室】
「従業者による職務発明の『相当な対価』 ~知的財産法・労働法・国際私法の交錯~ 」

「被告は,原告に対し,200億円の金員を支払え」
  一個人に支払われるものとしては驚くべき金額の支払を命じた東京地裁平成16年1月30日判決(青色発光ダイオード事件)が、国民的な注目の的になったことは記憶に新しい。何故、このような金額が支払われなければならないのか? このような判決は妥当なものなのであろうか?
  また、その前日に下された東京高裁平成16年1月29日判決も、3400万円余の支払しか認めなかった地裁判決を覆し、1億6200万円余の支払を命じるに至っている。そして、その背後には、グローバル化する企業の知的財産戦略を現行法の下でどのように評価するかという問題が隠されている。
  今後も続出すると思われる職務発明を巡る企業・労働者間での最先端の法的紛争につき、本セミナーでは、知的財産法、労働法、国際私法の専門家が、企業内部での研究開発過程・労務管理体制の専門家、そして、実際にこうした訴訟を手がける弁護士とともに、わかりやすく解説する。
講師・
パネリスト
上野 達弘 (法学部助教授・知的財産法)
早川 吉尚 (法務研究科助教授・国際私法)
大野 聖二 (弁護士・大野総合法律事務所)
石川 淳 (社会学部助教授・労務管理)
奥野 寿 (法学部専任講師・労働法)
研究会
プログラム
【問題の所在と裁判例の解説】
18:00~19:00
【パネル・ディスカッション】
19:00~20:00
【フロアとの質疑応答・討論】
20:00~20:30

※対象:法務研究科院生
(事前に許可された他の研究科院生・学部学生についても参加が可能です)

【第2回 2004年7月2日(金)18:00~20:30 於:7102教室】
「国境を越えたファイナンスと投資家保護~会社法・金融取引法・国際私法の交錯~ 」

「アルゼンチンが倒産する?」
  企業や国家には、その資金需要を満たす手段の一つとして、社債や国債を発行するという方法が用意されている。そして、この資金調達方法は、国境をまたぐ形で行われることが極めて多い。たとえば、日本企業が、ロンドンの金融市場で社債を発行する例はよく見られるし、逆に他の国家が東京市場で国債を発行する例もある。
  しかし、この国境を越えて行われる社債・国債の発行は、ひとたび問題が生じると、その解決に困難を極める。たとえば、2001年12月、アルゼンチン政府は、政府債務支払の一部停止(モラトリアム)を行った。果たして、アルゼンチン国債を購入したわが国の投資家は、どの国の法律に従って、誰から救済を受けることになるのだろうか。
  このような問題のうち社債に関しては、「国際会社法」と呼ばれる学問領域における問題の一環として、最近、研究がなされるようになってきている。その点も視野に入れた上で、本問題に関して、本学の会社法、国際私法の専門家が、当該問題について関係の深い実務家とともに、わかりやすく解説する。
講師・
パネリスト
瓜生健太郎 (弁護士・弁護士法人キャスト)
武井 一浩 (弁護士・西村ときわ法律事務所)
早川 吉尚 (法務研究科助教授・国際私法)
松井 秀征 (法学部助教授・商法)
(五十音順)
研究会
プログラム
【問題の所在と裁判例の解説】
18:00~19:00
【パネル・ディスカッション】
19:00~20:00
【フロアとの質疑応答・討論】
20:00~20:30

※対象:法務研究科院生
(事前に許可された他の研究科院生・学部学生についても参加が可能です)

【第3回 2004年10月12日(火)9:30~18:00 於:学術情報センター 中会議場】
「国境を越えた証券決済と新たなハーグ条約~電子商取引・金融取引法・国際私法の交錯~」

「海外の法律家と国際的な舞台で議論を戦わせる」
  今回の法務研究科特別セミナーのテーマはここにある。
 法務研究科及びビジネスロー研究所の開設を記念して、来たる10月12日に「国際シンポジウム:ハーグ証券決済準拠法条約」が開催される。同条約は、2002年12月にハーグにおいて採択され、現在、各国が批准のための検討作業を進めている極めて重要な条約である。そのため、この条約を巡る国際的な討議の場としては世界で初めてのものになる本シンポジウムは国際的にも注目されており、条約起草過程で中心的な役割を担った各国政府代表が次々に参加を表明し、この秋に来日する予定となっている。この国際シンポジウムの場を法務研究科院生にも開放し、国際的な舞台でどのような形で条約が作成されているのか、国際的な舞台で様々な国の一流の法律家がどのように法的議論を戦わせているのか、実際に体験してもらおうというのが今回の特別セミナーの主眼である。  したがって、これまでに比して、さらに応用度の高い問題を扱うセミナーになるといえるし、また、同時通訳は付くものの、会場での議論は基本的に英語で行われることになる。そのため、今回に関しては、別紙用紙を用いて申込期間内に登録した意欲ある者だけに参加を許可することとする(当日はスーツ着用のこと。なお、講義や演習と重なっている場合に全てのセッションに参加できなくても、それは構わない)。
  なお、本条約、そして、本シンポジウムが対象とする法的問題とは、ごく簡単には、以下のようなものである。金融機関から融資を受ける場合に、担保が差し入れられることが多い。そして、その担保が株式や社債といった証券である場合も少なくない。それが国境を越えて行われる場合、かつては、証券現物が所在する国の法に従って担保の設定をなすというのが、世界的に共有されたルールであった。しかし、現在、証券決済の電子化によって、証券現物が存在しなくなるという事態が発生している。それでは、そのような状況下において、国際的な証券の担保取引や譲渡はどのようなルールに従ってなされればよいのであろうか? この問題に本条約はどのように答えているのか? そして、その答えは、世界的にどのように評価されているのであろうか? これが、本シンポジウムで議論が戦わされる中心的な問題であり、院生各位の積極的な参加を期待したい。

講師・パネリスト、 研究会プログラムについては、http://law.rikkyo.ac.jp/ribls/symposium/を参照のこと。

※対象:法務研究科院生
(事前に許可された他の研究科院生・学部学生についても参加が可能です)

【第4回 2005年1月11日(火)18:00~20:30 於:8202教室】
「企業に対する監視と制裁のあり方~刑法・会社法の交錯~」

 近年のわが国では、国家戦略のレベルで、いわゆるコーポレート・ガバナンスの問題が語られるようになっている。その背景として、国家における企業の競争力が国家のそれを左右し、そのためにも企業の効率的な経営を確保することが課題であるとの認識がある。
  だが、このような議論が行われる反面で、わが国で古くからの課題とされてきた、企業をめぐる不祥事は後を絶たない。数年前、三菱自動車による長年にわたるリコール隠しが世間を騒がせたことは、今なお記憶に新しいし、今年に入っても、西武鉄道が企業情報の虚偽開示を続けてきたとして、多方面からの糾弾を受けている。
  では、企業の違法行為を防止するために、法はどのような監視のシステムを設け、そしてどのような制裁を加えていくべきなのだろうか。また、その監視や制裁のシステムは、いかにして企業活動の効率化、そして経済活動の活性化と結びつくのだろうか。今回のセミナーでは、刑事実務に詳しい実務家も招き、代表訴訟、法人処罰その他、民事、刑事等の分野を問わず、幅広い視点からこの問題を考えることとしたい。
講師・
パネリスト
大寄 淳 (東京地方裁判所判事補)
小林 憲太郎 (法学部助教授・刑法)
島田 聡一郎 (上智大学法学部助教授・刑法)
松井 秀征 (法学部助教授・商法)
他1名のパネリストを招聘予定
(五十音順)
研究会
プログラム
【問題の所在と裁判例の解説】
18:00~19:00
【パネル・ディスカッション】
19:00~20:00
【フロアとの質疑応答・討論】
20:00~20:30

※対象:法務研究科院生
(事前に許可された他の研究科院生・学部学生についても参加が可能です)

【第5回 2005年2月23日(水)17:00~20:00 於:立教大学太刀川記念館3階多目的ホール】
「担保法を巡る新たな展開~日本法とフランス法の交錯~」

 日本の民法典の淵源はフランスにある。そのため、現代における解釈論・立法論においても、フランスの立法や裁判例、学説上の議論が大きな影響力を有している。
  第5回の法務研究科特別セミナーは、フランスにおける民法学の第一人者をお招きして、フランスの担保法に関する最新の状況を解説いただくというものである。当日は、我が国の第一線の民法学者の多数の参加が見込まれており、活発な議論の中で、民法学の現代における様々な課題が浮き彫りにされることが予想される。
講師 ピエール・クロック (パリ第2大学教授)
通訳 野澤正充 (大学院法務研究科教授)

※対象:法務研究科院生その他
(今回は「公開講演会」でもありますので、別段の許可の必要なく、教職員、他の研究科院生、学部学生、その他一般の方々の参加が可能です)

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